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「副業の収入、確定申告っていくらから必要なの?」「20万円以下なら本当に何もしなくていいの?」「会社に副業がバレたくない…」——副業をしている会社員なら、一度は感じる不安ではないでしょうか。結論から言うと、所得税の確定申告は「所得(収入−経費)が年間20万円超」で必要になりますが、20万円以下でも住民税の申告は別途必要です。この「20万円ルール」には見落としがちな落とし穴が複数あります。本記事では、20万円ルールの正確な理解から、雑所得・事業所得の判定、青色申告での節税、経費の按分計算、会社にバレないための住民税対策まで、2026年時点の制度をもとに横断的に解説します。
📌 この記事でわかること
対象読者:副業をしている会社員・給与所得者/副業所得が20万円前後の方/読了の目安:約10分
- 「20万円ルール」の正確な意味と、20万円以下でも申告が必要になる3つのケース
- 副業所得が「雑所得」か「事業所得」かの判定基準と、青色申告65万円控除の受け方
- 副業で経費にできるもの・家賃按分の具体的な計算例
- 会社に副業がバレる主なルートと、住民税の「普通徴収」による対策
ぜいむたん


副業で確定申告が必要になる条件(20万円ルール)






会社員(給与所得者)が副業をしている場合、給与収入が2,000万円以下で、かつ給与・退職所得以外の所得(副業所得)の合計が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告は原則不要です(所得税法第121条/国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人)。ここでいう「所得」は収入(売上)ではなく、収入から必要経費を差し引いた後の金額です。たとえばクラウドソーシングで30万円稼ぎ、経費が15万円かかった場合、所得は15万円となり申告不要の範囲に収まります。
給与の有無で変わる、副業確定申告の判定基準
副業の所得が年間20万円超で所得税の確定申告が必要。20万円以下でも住民税の申告は別途必要。
基礎控除額を超える所得があれば確定申告が必要。「20万円ルール」自体が適用されない点に注意。
副業がアルバイト等の「給与所得」の場合、主たる給与以外の収入が年間20万円超で申告が必要(20万円ルールとは別枠)。
以下のいずれかに該当する場合、「20万円以下なら所得税申告不要」の特例は使えません。
- 給与収入が年間2,000万円を超える
- 2か所以上から給与をもらっている(一定条件あり)
- 同族会社の役員・その親族として、給与以外に貸付料等を受け取っている
- 給与の一部について源泉徴収されていない
20万円以下でも確定申告・住民税申告が必要になる3つのケース






ケース1:住民税の申告は20万円以下でも必要
所得税の「20万円以下申告不要」特例は、あくまで所得税(国税)だけの話です。住民税(地方税)には同様の特例がなく、副業所得が1円でもあれば原則としてお住まいの市区町村への住民税申告が必要です(地方税法第317条の2。申告期限・様式はお住まいの市区町村の住民税申告案内をご確認ください)。確定申告を行った場合は、その情報が自動的に市区町村に共有されるため、別途の住民税申告は不要になります。
ケース2:医療費控除・ふるさと納税がある場合
副業収入が20万円以下であっても、医療費控除を受けたい場合や、ふるさと納税でワンストップ特例を使わない場合は確定申告が必要です。ここで重要な落とし穴があります。確定申告書を提出する以上、20万円以下の副業収入についてもすべて記載する義務が生じます。「医療費控除だけ申告して副業収入は書かない」は認められません。
ケース3:複数の副業・バイトで合計が20万円を超える場合
副業が複数ある場合、個々の副業ごとではなく、給与・退職所得以外のすべての所得を合算した金額で20万円超かどうかを判断します。たとえばブログ収入8万円+クラウドソーシング収入7万円+フリマアプリ利益6万円=合計21万円であれば、それぞれが20万円以下でも確定申告が必要です。
| 状況 | 所得税の確定申告 | 住民税の申告 |
|---|---|---|
| 副業所得20万円以下 | 原則不要 | 必要(市区町村へ) |
| 副業所得20万円超 | 必要 | 確定申告と連動(別途不要) |
| 医療費控除・ふるさと納税あり | 必要(副業収入も記載) | 確定申告と連動(別途不要) |
| 複数副業で合計20万円超 | 必要 | 確定申告と連動(別途不要) |
副業所得は「雑所得」か「事業所得」か?判定基準と青色申告






副業収入が「雑所得」と「事業所得」のどちらに区分されるかは、青色申告特別控除・損益通算・純損失の繰越控除が使えるかどうかを左右する重要な分かれ目です。令和4年(2022年)10月の所得税基本通達の改正(雑所得の範囲の明確化)により、以下の考え方が整理されました(参考:国税庁 No.1500 雑所得)。
帳簿書類を保存している
→ 収入300万円以下でも事業所得として認められ得る
帳簿書類を保存していない
→ 原則として雑所得
① 継続・反復して行っている
② 利益獲得を目的としている
③ 社会通念上、事業と認められる規模がある
判定の中心は帳簿書類を保存しているかどうかです。帳簿書類の保存があれば、収入金額にかかわらず概ね事業所得として取り扱われます。一方、帳簿書類の保存がない場合は、その所得に係る収入金額が300万円を超えるなど事業と認められる事実がなければ、原則として「業務に係る雑所得」に区分されるとされています(あくまで一般的な整理で、最終的には社会通念に照らして個別に判断されます)。






| 副業の種類 | 所得区分の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| クラウドソーシング・フリーランス | 雑所得または事業所得 | 継続的・帳簿ありなら事業所得。単発・低収入は雑所得 |
| ブログ・アフィリエイト・YouTube | 雑所得または事業所得 | 広告収入はドル建ての場合、受取日TTMレートで円換算 |
| メルカリ・フリマアプリ | 非課税(生活用品)/雑所得・事業所得(転売) | 私物の売却は原則非課税。仕入れ転売は課税対象 |
| Uber Eats・出前館等の配達 | 雑所得または事業所得 | 継続的な配達は事業所得寄り、スポット的なものは雑所得寄り |
副業の経費にできるもの一覧と按分計算






副業の所得は「収入−経費」で計算するため、経費を正確に計上できるかどうかが申告要否や税額に直結します。経費として認められる主な項目は次のとおりです。
- 通信費:スマホ・インターネット代(業務使用割合分)
- 交通費:取引先訪問・打ち合わせ時の交通費
- 書籍・情報収集費:副業関連の専門書・オンライン講座
- 消耗品費・機材:文房具や10万円未満の物品は一括経費。10万円以上のパソコン等は減価償却が原則
- 家賃・光熱費:自宅の業務使用割合分を面積・時間で按分
- 広告宣伝費:SNS広告・名刺・ウェブサイト制作費
- プラットフォーム手数料:クラウドソーシング・フリマアプリの販売手数料
自宅で副業を行う場合、家賃・光熱費・通信費は按分(あんぶん:業務使用割合に応じて費用を比例配分すること)して経費にできます。按分の根拠は「使用面積」または「使用時間」で計算するのが一般的です。
計算例:家賃10万円、家全体50㎡のうち、副業専用スペースとして6畳(約10㎡)を使用している場合
経費にできる家賃 = 10万円 × 10㎡ ÷ 50㎡ = 2万円/月(年間24万円)
注意:プライベートの食費・旅行費・趣味費用を経費に混入させることは認められません。業務との関連性を客観的に説明できない支出は経費にしないことが原則です。領収書・利用明細は必ず保存しましょう。
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副業が事業所得として認められる場合、青色申告を選択すると最大65万円の青色申告特別控除が受けられます(国税庁 No.2072 青色申告特別控除)。
税務署に「個人事業の開業届出書」を提出します。e-Taxまたは持参・郵送で手続き可能です。
開業届と合わせて「所得税の青色申告承認申請書」を提出します。提出期限は、原則としてその年の3月15日まで(1月16日以後に新規開業した場合は開業日から2か月以内)です(国税庁 No.2070 青色申告制度)。期限を過ぎるとその年の青色申告は使えません。
65万円控除を受けるには複式簿記(すべての取引を「借方・貸方」の両面から記録する会計方式)での記帳と、貸借対照表の作成・添付が必要です。会計ソフトを使うと口座連携で仕訳が自動化されます。
65万円控除を受けるには、e-Taxによる電子申告(または優良な電子帳簿保存)が条件の一つです。これを満たさず複式簿記・貸借対照表添付までの場合は控除額が55万円になります(国税庁 No.2072)。マイナンバーカードとスマートフォンがあれば自宅から申告できます。
申告書の所得金額の計算欄で青色申告特別控除が適用されているか、貸借対照表が添付されているかを確認して提出します。
| 控除額 | 主な要件 |
|---|---|
| 65万円 | 事業所得(または一定の要件を満たす不動産所得)・複式簿記での記帳・貸借対照表の添付・e-Taxでの電子申告(または優良な電子帳簿保存) |
| 55万円 | 複式簿記での記帳・貸借対照表の添付までは満たすが、e-Tax要件を満たさない場合 |
| 10万円 | 複式簿記でない簡易な帳簿による記帳の場合 |
副業が「事業所得」として認められた場合のみ、赤字が出た年に給与所得と損益通算(そんえきつうさん:ある所得の赤字を別の所得の黒字と相殺し、課税所得全体を減らす仕組み)ができ、さらに引ききれない損失は翌年以降3年間繰り越すことができます(国税庁 No.2250 損益通算/No.2070 青色申告制度)。一方、「雑所得」の赤字は他の所得と損益通算できません。
副業確定申告の実際の手順【2026年版】






準備する書類は、給与所得の源泉徴収票(勤務先から1月末までに受け取る)・副業の収入と経費の記録(帳簿・明細・領収書)・各プラットフォームからの支払明細・マイナンバーカード・還付金の振込先口座情報です。医療費控除やふるさと納税がある場合は、それぞれの証明書類も準備します。
1月1日から12月31日までの副業収入と経費をすべて集計します。領収書・明細は保管しておきましょう。
前述の基準に照らして所得区分を判定します。迷う場合は税務署の相談窓口や税理士への相談が確実です。
国税庁「確定申告書等作成コーナー」またはクラウド会計ソフトで作成します。雑所得なら「雑所得(業務)」欄、事業所得なら青色申告決算書(または収支内訳書)を作成します。
申告書第二表「住民税・事業税に関する事項」で、会社にバレたくない場合は「自分で納付(普通徴収)」を選択します(詳細は後述)。
e-Taxなら24時間提出可能で還付も早めです。追加納税がある場合は、申告期限までに振替納税・ダイレクト納付・コンビニ納付等で支払います。
副業が会社にバレない方法(住民税対策)






副業が会社にバレる3つのルートと対策
副業分の所得が上乗せされ、会社が給与天引きする住民税額が変化。経理担当者が変化に気づくことで発覚しやすい。
対策:確定申告書第二表で「自分で納付(普通徴収)」を選択
副業先でも社会保険の加入条件を満たすと、手続きが発生し会社に通知される可能性がある。
対策:業務委託契約や加入要件未満の勤務時間で働く
SNSでの副業発信や同僚への口コミから発覚するケースも少なくない。
対策:職場関係者に話さない・実名SNSでの発信を控える
「給与・公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法の選択」欄を探します。
「自分で納付(普通徴収)」にチェックを入れます。これにより副業分の住民税が会社の給与から天引きされなくなります。
市区町村から普通徴収の納付書が自宅に届きます。コンビニ・金融機関・自治体窓口・Pay-easy等で支払います。
注意:自治体によっては普通徴収への切り替えを認めていない場合があるため、事前に確認しておくと確実です。また、就業規則の副業禁止規定は税務上の申告義務とは別問題のため、あわせて確認しましょう。公務員は原則として副業が禁止されています。
確定申告をしないリスク(追徴課税・ペナルティ)






申告が必要なのに行わなかった場合、以下のようなペナルティが課される可能性があります(国税庁 No.2024 確定申告を忘れたとき)。
| ペナルティ | 税率の目安 | 発生条件 |
|---|---|---|
| 無申告加算税 | 15%/20%/30% | 期限内に申告しなかった場合。50万円までは15%、50万円超300万円までは20%、300万円超は30%(令和6年〜)。税務調査前の自主的な期限後申告は5%に軽減 |
| 延滞税 | 期間により変動 | 納期限の翌日から2か月までは年2%台、以降は年8%台〜(各年の割合による) |
| 重加算税 | 35%/40% | 故意の隠蔽・仮装があった場合(無申告なら40%) |
副業サラリーマンの節税シミュレーション(試算例)






節税効果の試算イメージ(概算・一例)
所得税率20%の場合:65万円×20%=約13万円の節税(住民税分は別途軽減)。
副業が赤字50万円の場合、給与所得と通算して課税所得が50万円減少。税率20%なら約10万円の節税(雑所得では通算不可)。
所得税率20%・所得50万円の申告漏れなら、本税10万円に無申告加算税・延滞税が加算され、合計10万円台後半になり得る。
※上記はあくまで概算のイメージです。実際の税額は所得の種類・各種控除の適用状況により異なります。正確な試算は会計ソフトの試算機能や税理士への相談をおすすめします。
よくある質問(FAQ)
- 副業所得が20万円以下なら本当に何もしなくていいですか?
- 所得税の確定申告は原則不要ですが、住民税の申告は別途必要です。所得税の「20万円ルール」は住民税には適用されません。また、医療費控除やふるさと納税(ワンストップ特例未使用)で確定申告をする場合は、20万円以下の副業収入も申告書に記載する義務が生じます。「20万円以下=何もしなくていい」ではなく、住民税申告の要否を必ず確認してください。
- 複数の副業をしているのですが、20万円の判定はそれぞれの副業ごとにするのですか?
- 個々の副業ごとではなく、給与・退職所得以外のすべての所得を合算して20万円を超えるかどうかで判断します。ブログ収入8万円+クラウドソーシング7万円+フリマアプリ利益6万円=合計21万円であれば、それぞれが20万円以下でも確定申告が必要になります。複数の副業をしている方は必ず合算で判定してください。
- 副業の所得が「事業所得」か「雑所得」かの判断が難しいのですが、どうすればいいですか?
- 2022年(令和4年)の国税庁通達改正後、「帳簿書類を保存しているかどうか」が最大のポイントとされています。帳簿があれば事業所得として認められやすく、なければ収入300万円以下は原則雑所得になります。継続性・反復性・事業規模も考慮されます。判断に迷う場合は、お住まいの税務署の相談窓口や税理士への相談が確実です。
- 住民税を「自分で納付」にすれば、会社に副業が100%バレませんか?
- 「副業分の住民税が会社の給与から天引きされる」という最も多い発覚パターンは防げます。ただし、副業先で社会保険の加入要件を満たす場合や、SNS・口コミからの発覚リスクは別途存在します。また自治体によって普通徴収への切り替えに対応していない場合もあるため、事前に確認することをお勧めします。就業規則で副業が禁止されている場合は、税務上の義務と就業規則の問題は別で検討が必要です。
- メルカリで不用品を売った場合も確定申告が必要ですか?
- 生活用動産(日常生活で使用していた衣服・家具・家電など)の売却による所得は原則非課税のため、確定申告は不要です。ただし、転売目的で仕入れた商品の販売は事業所得または雑所得として課税対象になります。また、骨董品・貴金属・絵画など1点(1組)30万円を超える貴金属・書画骨董等の売却は譲渡所得として課税対象です(所得税法第9条第1項第9号・所得税法施行令第25条)。
- 確定申告をしないとどうなりますか?
- 申告が必要なのに行わなかった場合、無申告加算税と延滞税が課されます。悪質と判断された場合は重加算税の対象にもなります。税務署はクラウドソーシングや各種プラットフォームからの支払調書などで副業収入を把握しており、無申告は発覚リスクが高い状態です。申告期限後でも、税務調査の前に自主的に申告することでペナルティを軽減できる場合があります。
まとめ|副業確定申告は「20万円ルールの正しい理解」から始める
副業の確定申告は、20万円ルールの正確な理解と、住民税申告の要否確認さえできていれば、決して難しくありません。最後に要点を整理します。
「所得(収入−経費)」が年間20万円超で所得税の確定申告が必要。20万円以下でも住民税申告は必要。複数の副業は合算で判定し、医療費控除等を申告する場合は副業収入も記載義務があります。
帳簿書類の保存が所得区分判定の最重要ポイント。事業所得として認められれば、開業届・青色申告承認申請書の提出と複式簿記・e-Tax申告で最大65万円の控除が受けられます。
確定申告書第二表で「自分で納付(普通徴収)」を選択すると会社バレのリスクを下げられます。会計ソフトを使えば帳簿から申告書作成まで一括で効率化できます。



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