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【2026年版】年末の経費見直しガイド|個人事業主が確定申告前にチェックすべき経費項目一覧

確定申告の時期が近づくと、「経費に入れられるものを見逃していないか」と不安になる個人事業主の方は多いのではないでしょうか。経費の計上漏れは、そのまま税金の払い過ぎにつながります。

本記事では、個人事業主・フリーランスが年末に行うべき経費の見直しについて、チェックすべき経費項目一覧、家事按分の正しい計算方法、よくある判断ミスと対策を網羅的に解説します。確定申告前にこの記事を活用して、経費の計上漏れを徹底的に防ぎましょう。

目次

なぜ年末に経費の見直しが必要なのか

個人事業主の確定申告では、1月1日〜12月31日の1年間の収入と経費をもとに所得を計算します。年末はこの期間の最終月にあたるため、以下の理由から経費の見直しが不可欠です。

  • 計上漏れの最終チェック:1年分の取引を振り返り、漏れがないか確認できる最後の機会
  • 前倒し計上の検討:翌年に予定している事業支出を年内に前倒しすることで、当年の経費に計上可能
  • 家事按分の精度向上:年間を通じた事業使用割合を最終確定する
  • 損益状況の把握:年間の利益額を把握し、追加の節税対策を検討する

個人事業主が計上できる経費項目一覧

以下に、個人事業主が計上できる主な経費項目を勘定科目別にまとめました。自分の事業に該当するものがないかチェックしてみてください。

1. 租税公課

  • 個人事業税
  • 固定資産税(事業用資産分)
  • 自動車税(事業用車両分)
  • 印紙税(収入印紙代)
  • 登録免許税
  • 消費税(税込経理の場合の納付消費税)

注意:所得税・住民税・国民健康保険税は経費にはなりません(所得控除で処理)。また、罰金・交通違反反則金も経費計上不可です。

2. 荷造運賃

  • 宅配便・郵便の送料
  • 梱包材(段ボール、緩衝材、テープ)
  • 商品発送にかかる運賃

3. 水道光熱費

  • 電気代(事業使用分)
  • ガス代(事業使用分)
  • 水道代(事業使用分)

自宅兼事務所の場合は家事按分が必要です。按分方法については後述します。

4. 旅費交通費

  • 電車・バスの運賃(ICカードの履歴で確認)
  • タクシー代(領収書必須)
  • 高速道路料金
  • 駐車場代(業務での外出時)
  • 出張時の宿泊費・日当
  • ガソリン代(事業用車両分)

見落としやすいポイント:ICカードの交通費は領収書がないため記帳を忘れがちです。月に一度はICカードの利用履歴を確認し、事業関連の交通費を漏れなく記帳しましょう。

5. 通信費

  • 携帯電話料金(事業使用分)
  • インターネット回線料金(事業使用分)
  • レンタルサーバー・ドメイン費用
  • クラウドサービスの月額料金
  • 郵便切手代
  • FAX通信料

6. 広告宣伝費

  • Web広告費(Google広告、SNS広告等)
  • チラシ・パンフレットの印刷費
  • 名刺の作成費用
  • 看板・のぼりの制作費
  • ホームページの制作・運営費用
  • SEO対策費用

7. 接待交際費

  • 取引先との飲食代
  • お中元・お歳暮
  • 慶弔費(取引先への御祝い・香典)
  • 手土産代

注意:個人事業主の接待交際費には上限がありませんが、事業との関連性を説明できることが必要です。誰と・どこで・何の目的で使ったかをメモしておきましょう。

8. 損害保険料

  • 事務所の火災保険料
  • 事業用車両の自動車保険料
  • 賠償責任保険料
  • 所得補償保険料(事業に関連するもの)

9. 修繕費

  • 事務所の修理・メンテナンス費
  • PCや業務用機器の修理費
  • 事業用車両の車検・修理費

10. 消耗品費

  • 文房具(ペン、ノート、ファイル)
  • プリンターのインク・トナー
  • コピー用紙
  • 10万円未満のPC周辺機器(マウス、キーボード、USBメモリ等)
  • デスク・チェア(10万円未満のもの)
  • ソフトウェア(10万円未満のもの)

11. 減価償却費

  • 10万円以上のPC・業務用機器
  • 事業用車両
  • 事務所の内装工事費
  • 高額なソフトウェア

減価償却資産は取得年に全額経費計上できず、耐用年数に応じて分割して経費化します。ただし、青色申告者は30万円未満の資産を全額即時経費にできる少額減価償却資産の特例が利用可能です。

12. 地代家賃

  • 事務所の家賃
  • 倉庫・駐車場の賃料
  • コワーキングスペースの利用料
  • 自宅兼事務所の家賃(事業使用分)

13. 外注工賃・業務委託費

  • 外部への業務委託費
  • デザイン・ライティングの外注費
  • 税理士・弁護士・社労士への報酬
  • システム開発の外注費

14. 新聞図書費

  • 業務に関連する書籍
  • 新聞・雑誌の定期購読
  • オンラインメディアの有料会員費
  • 業務関連のセミナー・研修費

15. 諸会費

  • 業界団体の会費
  • 商工会議所の会費
  • ビジネス系オンラインサロンの会費

家事按分の正しい計算方法

自宅兼事務所で事業を行っている個人事業主にとって、家事按分は避けて通れない重要な論点です。家事按分とは、生活費と事業費が混在する支出について、事業使用割合に応じて経費を計算する方法です。

家賃の家事按分

最も一般的な按分基準は面積比です。

計算例:自宅の総面積が60㎡、うち事業に使用しているスペースが15㎡の場合
→ 事業使用割合 = 15㎡ ÷ 60㎡ = 25%
→ 月額家賃10万円 × 25% = 月額25,000円を経費計上

電気代の家事按分

電気代は使用時間で按分するのが合理的です。

計算例:1日のうち事業で電気を使う時間が8時間、生活で使う時間が8時間の場合
→ 事業使用割合 = 8時間 ÷ 16時間 = 50%
→ 月額電気代15,000円 × 50% = 月額7,500円を経費計上

通信費(インターネット・携帯電話)の家事按分

通信費も使用時間や使用割合で按分します。

計算例:携帯電話の利用のうち、事業目的の通話・通信が60%と見積もる場合
→ 月額携帯代8,000円 × 60% = 月額4,800円を経費計上

自動車関連費用の家事按分

自動車を事業と生活の両方で使用している場合、走行距離で按分するのが最も合理的です。業務での走行記録をつけておくと、按分割合の根拠として有効です。

家事按分の注意点

  • 按分割合は合理的な根拠に基づいて決める(「なんとなく50%」はNG)
  • 按分の計算根拠をメモや書面で残す(税務調査時に説明できるように)
  • 青色申告の場合、事業使用割合が10%以上であれば家事按分が認められる
  • 白色申告の場合は50%以上が事業使用でないと認められにくい
  • 按分割合は年度ごとに見直してよい(事業の状況変化に応じて調整可能)

見落としやすい経費10選

多くの個人事業主が見落としがちな経費を10個ピックアップしました。該当するものがないか確認してみてください。

  1. 振込手数料:仕入先への支払い時の振込手数料は経費になる
  2. クレジットカード年会費:事業用カードの年会費は経費計上可
  3. 会計ソフトの利用料:freeeやマネーフォワードの月額費用
  4. 開業前の費用:開業準備にかかった費用は「開業費」として計上可能
  5. 自宅の火災保険料:自宅兼事務所の場合、家事按分で経費化可能
  6. 引っ越し費用:事業のための引っ越しであれば経費計上可
  7. スーツ代:基本的に経費にならないが、特定の業種で専ら業務用の場合は検討の余地あり
  8. 健康診断費用:個人事業主は原則経費にならないが、従業員がいる場合は福利厚生費
  9. 自動車のローン利息:事業用車両のローン利息部分は経費計上可(元本は不可)
  10. 電子マネーのチャージ:チャージ時ではなく、使用時に経費計上する

経費として認められないもの

経費にできないものを誤って計上すると、税務調査で否認され、追徴課税のリスクがあります。以下は経費にならない代表的な支出です。

  • 所得税・住民税:これらは経費ではなく、利益に対して課される税金
  • 国民健康保険税・国民年金保険料:経費ではなく社会保険料控除で処理
  • 生命保険料:経費ではなく生命保険料控除で処理
  • 罰金・交通違反の反則金:業務中でも経費にならない
  • 事業主自身の給料:個人事業主に「給料」という概念はない
  • 事業に関係のない私的支出:趣味の書籍、家族との食事代など
  • 借入金の元本返済:利息は経費になるが、元本部分は経費にならない

経費見直しのチェックリスト

年末の経費見直しを効率的に行うための実践チェックリストです。

Step 1:記帳の完全性チェック

  • 銀行口座の取引明細と帳簿の照合は完了したか
  • クレジットカード明細と帳簿の照合は完了したか
  • 現金払いの領収書はすべて記帳されているか
  • ICカード(Suica等)の事業利用分は記帳されているか
  • PayPay等の電子決済の事業利用分は記帳されているか

Step 2:経費項目の網羅性チェック

  • 上記の経費項目一覧と照合し、計上漏れはないか
  • 月額サブスクリプションはすべて計上されているか
  • 年払いのサービス(ドメイン更新、保険料等)は計上されているか
  • 少額の経費(振込手数料、ATM手数料等)を見落としていないか

Step 3:家事按分の最終確認

  • 家事按分の割合は合理的な根拠に基づいているか
  • 按分の計算根拠は書面で記録されているか
  • 事業の状況変化に応じて按分割合を見直したか

Step 4:減価償却・固定資産の確認

  • 新たに取得した固定資産は固定資産台帳に登録されているか
  • 減価償却費の計算は正しいか
  • 少額減価償却資産の特例(30万円未満)を適用できるものはないか
  • 除却・廃棄した資産はないか(除却損を計上)

Step 5:前倒し計上の検討

  • 来年購入予定の消耗品・書籍を年内に購入できないか
  • 年払いのサービスを年内に支払えないか
  • 修繕が必要な設備を年内に修理できないか

クラウド会計ソフトで経費管理を効率化

経費の見直しと管理を効率化するためには、クラウド会計ソフトの活用が最も効果的です。

  • 銀行口座・クレジットカード連携で取引を自動取込→経費の計上漏れを防止
  • AIによる自動仕訳で勘定科目の判断ミスを削減
  • レシート撮影機能で現金払いの経費もその場で記帳
  • リアルタイムの損益レポートで年間の利益状況を随時把握
  • 家事按分の自動計算で複雑な按分処理を簡素化

よくある質問(FAQ)

Q1. 領収書がない経費は計上できますか?

原則として領収書は経費計上の根拠となる重要な書類ですが、領収書がなくても経費計上できるケースがあります。例えば、自動販売機での購入、冠婚葬祭の祝儀・香典、電車・バスの交通費などは、出金伝票や業務日誌に日付・金額・目的を記録しておけば経費として認められます。ただし、高額な経費については領収書なしだと税務調査で否認されるリスクが高まります。

Q2. プライベートの支出を一部でも経費にすることはできますか?

事業とプライベートの両方に関連する支出は、家事按分によって事業使用分のみを経費にすることが可能です。ただし、完全にプライベートな支出を経費にすることは脱税にあたります。按分の根拠を合理的に説明できるかどうかが判断基準です。

Q3. 開業前にかかった費用は経費になりますか?

はい、開業前にかかった費用は「開業費」として資産計上し、任意償却(好きなタイミングで好きな金額を経費化)することができます。開業費に含められるのは、市場調査費、打ち合わせの交通費、名刺作成費、広告宣伝費、セミナー参加費などです。開業届の提出日より前の費用が対象となります。

Q4. 経費にならないものを誤って計上してしまった場合はどうなりますか?

確定申告後に税務調査で指摘された場合、過少申告加算税(10%〜15%)や延滞税が課される可能性があります。意図的な不正と判断されると重加算税(35%〜40%)が課されることもあります。誤りに気づいた場合は、速やかに修正申告を行いましょう。自主的に修正申告した場合、過少申告加算税は原則かかりません。

関連サービス

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まとめ

年末の経費見直しは、確定申告で損をしないための最後のチャンスです。本記事のチェックリストを活用し、以下のポイントを確実に実行しましょう。

  1. 経費項目一覧と照合して計上漏れがないか確認する
  2. 家事按分の割合と計算根拠を最終確定する
  3. 減価償却資産の新規取得・除却を漏れなく処理する
  4. 来年予定の事業支出の前倒し計上を検討する
  5. クラウド会計ソフトで銀行明細と帳簿の照合を完了させる

経費の計上漏れ1万円は、所得税率20%の方であれば約3,000円の税金の払い過ぎ(所得税20%+住民税10%)を意味します。小さな経費の積み重ねが、大きな節税効果につながります。

※本記事は2026年12月時点の税制に基づいて作成しています。税制は毎年改正される可能性がありますので、最新の情報は国税庁のウェブサイトや税理士にご確認ください。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務アドバイスではありません。具体的な経費の判断については、税理士等の専門家にご相談ください。


免責事項:本記事の内容は執筆時点の法令・制度に基づいて作成しています。税制は毎年改正される可能性があるため、最新の情報は国税庁のウェブサイトでご確認ください。具体的な税務判断については、税理士等の専門家にご相談されることをお勧めします。本記事にはアフィリエイトリンクが含まれていますが、記事の内容は独自の調査・分析に基づくものです。

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