e-Tax(国税電子申告・納税システム)を使えば、自宅から24時間いつでも確定申告ができます。2027年のe-Taxは、マイナンバーカードとスマートフォンだけで完結する方法がさらに便利になりました。本記事では、e-Taxで確定申告する方法をゼロから解説します。ICカードリーダーが不要な方法もご紹介します。
e-Taxとは?メリット5つ
e-Tax(イータックス)は、国税庁が運営するオンライン申告・納税システムです。1998年に「国税電子申告・納税システム」として構想され、2004年に本格運用を開始しました。現在では年間約3,000万件以上の申告がe-Tax経由で行われています。書面での確定申告と比較して、以下の5つのメリットがあります:
- 24時間提出可能:税務署の窓口時間(通常8:30〜17:00)を気にせず、自宅から申告できる。確定申告期間中は土日祝日も含め24時間利用可能(メンテナンス時間を除く)
- 還付が早い:書面申告の約半分の期間(通常2〜3週間)で還付金を受け取れる。書面申告は通常1〜2ヶ月かかるため、資金繰りの面でも大きなメリット
- 添付書類の省略:源泉徴収票、生命保険料控除証明書、地震保険料控除証明書、特定口座年間取引報告書等の提出が省略できる
- 青色申告特別控除65万円:e-Taxで申告すれば65万円の特別控除が適用される(書面提出は55万円)。この差額10万円で、所得税率20%の場合は約2万円、住民税と合わせると約3万円の節税効果
- 過去の申告データを参照:前年の申告内容を引き継いで入力できるため、2年目以降は入力の手間が大幅に削減される
e-Taxの3つの利用方法
2027年時点で、e-Taxを利用する方法は3つあります。それぞれの特徴を比較表で確認し、自分に合った方法を選びましょう。
| 方法 | 必要なもの | 費用 | 青色65万円控除 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|
| スマホ+マイナカード | NFC対応スマホ、マイナカード | 無料 | ○ | ★★★★★ |
| PC+ICカードリーダー | PC、ICカードリーダー、マイナカード | 2,000〜3,000円 | ○ | ★★★★☆ |
| ID・パスワード方式 | 利用者識別番号(税務署発行) | 無料 | ×(55万円) | ★★★☆☆ |
方法1:マイナンバーカード + スマートフォン(おすすめ)
最も手軽な方法です。マイナンバーカード対応のスマートフォン(NFC対応)があれば、ICカードリーダーなしで電子署名ができます。2027年現在、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」はスマホ画面に最適化されており、画面の案内に従うだけで申告が完了します。
- 必要なもの:マイナンバーカード、NFC対応スマートフォン、利用者識別番号
- 対応スマホ:iPhone 7以降(iOS 15.0以上)、Android(NFC搭載・Android 9.0以上)
- アプリ:「マイナポータル」アプリをインストール(App Store / Google Play)
- 所要時間の目安:初回セットアップ約15分、申告入力は内容により30分〜1時間程度
方法2:マイナンバーカード + ICカードリーダー
パソコンでの申告にはICカードリーダーを使う方法もあります。画面の大きなPCで作業したい方や、複数の事業所得がある方など、入力項目が多い場合に向いています。
- 必要なもの:マイナンバーカード、ICカードリーダー、パソコン(Windows 10/11 または macOS)
- 推奨リーダー:接触型(SCR3310等)が安定動作。Amazon等で2,000〜3,000円で購入可能
- ブラウザ要件:Microsoft Edge、Google Chrome、Safari(最新版推奨)
- 事前インストール:「e-Taxソフト(WEB版)」または「確定申告書等作成コーナー」用の事前準備セットアップ
方法3:ID・パスワード方式(マイナンバーカード不要)
マイナンバーカードを持っていない方でも、税務署で発行されるID・パスワードで申告できます。ただし、この方式は暫定的な措置であり、将来的には廃止される可能性があります。また、青色申告特別控除が55万円に制限されるため、節税効果はやや低くなります。
- 必要なもの:利用者識別番号、暗証番号(税務署で本人確認後に発行)
- 注意点:事前に税務署への来所が必要(一度だけ)。本人確認書類(運転免許証等)を持参
- 制限:書面で提出したのと同等の扱い(青色申告特別控除は55万円まで)
- 有効期限:IDに有効期限はないが、暗証番号は定期的な変更が推奨される
e-Taxで確定申告する手順(スマホ版)
ここでは最もおすすめの「マイナンバーカード+スマートフォン」での申告手順を、画面の流れに沿って詳しく解説します。
Step 1:事前準備
- マイナンバーカードを手元に用意(暗証番号を確認しておく)
- スマートフォンに「マイナポータル」アプリをインストール
- 利用者識別番号を確認(初めての方は国税庁サイトで取得。マイナンバーカードがあれば自動発行も可能)
- 源泉徴収票、控除証明書等の書類を準備(マイナポータル連携で自動取得できるものもある)
- 還付金の振込先口座情報(銀行名・支店名・口座番号)を用意
Step 2:確定申告書等作成コーナーにアクセス
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」(https://www.keisan.nta.go.jp/)にスマートフォンのブラウザからアクセスします。「作成開始」をタップし、「マイナンバーカード方式(2次元バーコード)」を選択します。画面にQRコードが表示されるので、マイナポータルアプリで読み取ります。
Step 3:マイナンバーカードで認証
画面の指示に従い、スマートフォンにマイナンバーカードをかざして電子署名を行います。マイナポータルアプリが自動起動し、4桁の暗証番号(利用者証明用電子証明書の暗証番号)を入力して認証が完了します。認証が成功すると、マイナポータルに登録されている氏名・住所等の情報が自動入力されます。
Step 4:収入・所得を入力
画面の案内に従って、給与所得、事業所得、不動産所得などの各種収入を入力します。マイナポータル連携を利用すれば、給与や年金のデータが自動入力されます。事業所得がある場合は、収支内訳書(白色申告)または青色申告決算書の入力も必要です。会計ソフトのデータをインポートすることも可能です。
Step 5:控除を入力
医療費控除、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、iDeCo(小規模企業共済等掛金控除)、ふるさと納税(寄附金控除)など、該当する控除をすべて入力します。マイナポータル連携対応の保険会社・ふるさと納税サイト等からは、データが自動取得されます。控除の入力漏れがあると税金を多く支払うことになるため、漏れなく確認しましょう。
Step 6:申告書を確認・送信
入力内容を確認し、計算結果(納税額または還付額)を確認します。問題なければ、再度マイナンバーカードで電子署名(署名用電子証明書の6〜16桁の暗証番号)を行って送信します。送信完了後、受付番号と受付日時が表示されますので、スクリーンショット等で控えておきましょう。受信通知はe-Taxのメッセージボックスでも確認できます。
e-Taxで確定申告する手順(PC版)
PCで申告する場合の手順も簡単にご紹介します。基本的な流れはスマホ版と同じですが、ICカードリーダーの接続が必要な点が異なります。
- ICカードリーダーをPCに接続し、ドライバをインストール
- 「確定申告書等作成コーナー」にアクセスし、「マイナンバーカード方式(ICカードリーダライタ)」を選択
- 事前準備セットアップをダウンロード・インストール(初回のみ)
- マイナンバーカードをICカードリーダーにセットして認証
- 以降はスマホ版と同様に収入・控除を入力して送信
会計ソフトからe-Tax連携する方法
クラウド会計ソフトを利用している方は、日々の帳簿データからそのままe-Tax申告データを作成できます。手入力の手間が大幅に省けるため、最も効率的な方法です。特にフリーランスや個人事業主の方には強くおすすめします。
👉 freee会計では、確定申告書の作成からe-Tax送信まで、ソフト内で完結します。質問に答えていくだけで申告書が自動作成され、そのままe-Taxに送信できます。銀行口座やクレジットカードと連携すれば、仕訳も自動で取り込まれるため、日々の帳簿付けの負担も大幅に軽減されます。![]()
👉 マネーフォワード クラウド確定申告も、仕訳データから確定申告書を自動生成し、e-Tax連携に対応しています。複数の収入源がある方でも、一元管理が可能です。仕訳の自動学習機能があり、使い続けるほど帳簿付けが楽になります。![]()
e-Taxの申告期限と注意点
確定申告の期限と、e-Tax特有の注意点をまとめます。
- 所得税の確定申告期限:毎年3月15日(土日の場合は翌月曜日に延長)
- 還付申告:翌年1月1日から5年間提出可能。早く出すほど還付も早い
- 消費税の申告期限:毎年3月31日(インボイス登録事業者は注意)
- e-Taxのメンテナンス:確定申告期間中は原則24時間利用可能だが、毎週月曜0:00〜8:30はメンテナンスで利用不可の場合あり
- 推奨申告時期:2月中旬までに完了させるのがベスト。3月に入ると税務署の電話相談も混雑する
e-Taxでよくあるトラブルと対処法
トラブル1:マイナンバーカードが読み取れない
- スマホのNFC機能がONになっているか確認(設定→接続→NFC)
- カードを密着させ、動かさない(読み取りに2〜3秒かかる場合がある)
- スマホケースを外して再試行(厚いケースや金属製ケースはNFCを妨害する)
- iPhoneは上部、Androidは背面中央付近にNFCリーダーがある
- カードの有効期限(電子証明書の有効期限は発行から5回目の誕生日まで)を確認
トラブル2:暗証番号をロックした
- 署名用電子証明書の暗証番号は5回連続失敗でロック
- 利用者証明用電子証明書の暗証番号は3回でロック
- ロック解除は市区町村の窓口で手続きが必要(コンビニ端末では不可)
- ロック解除時に持参するもの:マイナンバーカード、本人確認書類
- 予防策:暗証番号は安全な場所にメモしておく。毎年使う前に確認
トラブル3:申告期限直前に接続できない
- 3月15日前後はアクセスが集中し、サーバーが混雑する
- 深夜〜早朝(0:00〜8:00)が比較的空いている
- 早めの申告を強く推奨(還付申告は1月1日から提出可能)
- 「接続がタイムアウトしました」と表示された場合は、時間をおいて再試行
トラブル4:事前準備セットアップがインストールできない
- ブラウザのポップアップブロックを一時的に解除
- ウイルス対策ソフトが妨害している場合は一時的に無効化
- 管理者権限でインストールを実行
- 対応OS・ブラウザバージョンを確認(国税庁サイトで推奨環境を参照)
よくある質問(FAQ)
Q1. e-Taxは無料で使えますか?
A. はい、e-Tax自体は完全無料です。ただし、マイナンバーカードの取得やICカードリーダーの購入には費用がかかる場合があります(マイナンバーカードの発行は無料、ICカードリーダーは2,000〜3,000円程度)。
Q2. スマートフォンだけで確定申告は完結しますか?
A. はい、2027年現在、スマートフォンとマイナンバーカードがあれば確定申告が完結します。給与所得、医療費控除、ふるさと納税などの基本的な申告はスマホだけで十分です。freee会計のスマホアプリからも申告が可能です。![]()
Q3. e-Taxで申告すると添付書類は不要ですか?
A. 源泉徴収票、生命保険料控除証明書、地震保険料控除証明書、特定口座年間取引報告書などは提出が省略できます。ただし、5年間の保管義務がありますので、原本は手元に保管してください。税務調査の際に提示を求められることがあります。
Q4. 間違えて送信してしまった場合、修正できますか?
A. はい、期限内であれば再度申告書を送信すれば、最後に送信したものが有効な申告となります(訂正申告)。期限後に間違いに気づいた場合は、税額が増える場合は「修正申告」、税額が減る場合は「更正の請求」(5年以内)の手続きが必要です。
Q5. 青色申告特別控除65万円を受けるにはe-Taxが必須ですか?
A. 2027年現在、青色申告特別控除65万円の適用には、e-Taxによる申告または電子帳簿保存法に対応した会計ソフトによる電子帳簿保存のいずれかが必要です。書面提出のみの場合は55万円の控除となります。差額10万円分の節税効果は、所得税率と住民税を合わせて年間1.5〜4万円程度になります。
Q6. e-Taxで申告した場合、控えはどうなりますか?
A. e-Taxで申告すると、送信後に「送信票兼送付書等」をPDFで保存・印刷できます。また、e-Taxのメッセージボックスに受信通知が届き、申告内容を確認できます。確定申告書のPDFは必ず保存しておきましょう。融資や各種手続きで必要になることがあります。
Q7. 海外在住でもe-Taxは使えますか?
A. 日本国内に納税義務がある場合、海外からでもe-Taxを利用できます。ただし、マイナンバーカードの読み取りやマイナポータルアプリの利用が必要なため、事前に動作確認をしておくことをおすすめします。長期海外在住の場合は納税管理人の届出が必要です。
免責事項:本記事の内容は執筆時点の法令・制度に基づいて作成しています。税制は毎年改正される可能性があるため、最新の情報は国税庁のウェブサイトでご確認ください。具体的な税務判断については、税理士等の専門家にご相談されることをお勧めします。本記事にはアフィリエイトリンクが含まれていますが、記事の内容は独自の調査・分析に基づくものです。
