確定申告の電子申告システム「e-Tax」を使えば、税務署に行かずに自宅から確定申告が完結します。さらに、青色申告者がe-Taxで申告すれば65万円の特別控除が受けられるため、節税面でも大きなメリットがあります。
この記事では、2027年(令和9年)分の確定申告に対応した、e-Taxでの確定申告のやり方をスマホ・PC別に完全ガイドします。マイナンバーカードの準備から申告書の送信まで、初心者の方でも迷わず進められるよう、ステップごとに詳しく解説します。
e-Taxとは?電子申告の基本
e-Tax(イータックス)は、国税庁が提供する国税電子申告・納税システムです。インターネットを通じて、確定申告書の作成・提出、納税、各種届出書の提出などが行えます。
e-Taxのメリット
- 自宅から24時間申告可能:税務署の窓口に並ぶ必要がない
- 青色申告特別控除65万円:e-Tax提出が65万円控除の条件の一つ
- 還付金の処理が早い:書面提出より約2〜3週間早く還付される
- 添付書類の省略:源泉徴収票、医療費の領収書などの添付が不要(保管は必要)
- 過去の申告データを引き継ぎ:翌年の申告時にデータを流用できる
- ペーパーレス:印刷・郵送のコストと手間を削減
e-Taxの利用方法は2つ
- マイナンバーカード方式(推奨):マイナンバーカードとスマホ(またはICカードリーダー)で本人認証
- ID・パスワード方式:税務署で発行されたID・パスワードで認証(マイナンバーカード不要だが、暫定的な措置)
政府はマイナンバーカード方式を推進しており、今後の利便性を考えるとマイナンバーカード方式での利用をおすすめします。
事前準備|e-Taxに必要なもの
e-Taxで確定申告を行うために、事前に準備が必要なものを確認しましょう。
マイナンバーカード方式の場合
- マイナンバーカード:署名用電子証明書・利用者証明用電子証明書が有効であること
- 暗証番号:署名用電子証明書の暗証番号(英数字6〜16桁)と利用者証明用電子証明書の暗証番号(数字4桁)
- スマートフォン:NFC対応のスマホ(iPhone 7以降、Android対応機種)またはICカードリーダー
- マイナポータルアプリ:スマホにインストール
ID・パスワード方式の場合
- e-Tax用のID:利用者識別番号(16桁の数字)
- パスワード:暗証番号(8桁以上の英数字)
- 取得方法:税務署の窓口で本人確認書類を持参して発行を依頼
共通で必要なもの
- 前年の収入がわかる書類:源泉徴収票、支払調書、売上の記録など
- 経費の記録・領収書:勘定科目別に集計済みのデータ
- 控除関連の書類:生命保険料控除証明書、医療費の明細書、ふるさと納税の寄附金受領証明書など
- 銀行口座情報:還付金の振込先口座
- 青色申告決算書または収支内訳書:事業所得がある場合
【スマホ編】スマホでe-Tax確定申告する手順
スマートフォンからe-Taxで確定申告を行う手順を解説します。近年はスマホ対応が大幅に改善され、多くの方がスマホだけで確定申告を完結できるようになっています。
ステップ1:確定申告書等作成コーナーにアクセス
- スマホのブラウザ(Safari/Chrome)で国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセス
- URL: https://www.keisan.nta.go.jp/
- 「作成開始」をタップ
ステップ2:提出方法を選択
- 「e-Taxで提出する」を選択
- 「マイナンバーカード方式(2次元バーコード)」を選択(推奨)
- マイナポータルアプリとの連携を確認
ステップ3:マイナンバーカードで認証
- マイナポータルアプリが起動
- 利用者証明用電子証明書の暗証番号(4桁)を入力
- マイナンバーカードをスマホにかざしてNFCで読み取り
- 認証成功後、作成コーナーに戻る
ステップ4:申告書の種類を選択
- 所得税の確定申告書を選択
- 作成する年分(令和9年分)を確認
- 申告の種類を選択(青色申告 or 白色申告)
ステップ5:収入・所得を入力
- 該当する所得の種類(事業所得、給与所得、雑所得など)を選択
- 事業所得の場合:青色申告決算書のデータを入力
- 給与所得の場合:源泉徴収票の内容を入力
- マイナポータル連携を使えば、源泉徴収票データを自動取込できる場合も
ステップ6:所得控除を入力
- 医療費控除:医療費の明細を入力
- 社会保険料控除:国民健康保険料、国民年金保険料など
- 生命保険料控除:控除証明書の内容を入力
- ふるさと納税(寄附金控除):寄附金受領証明書の内容を入力
- 小規模企業共済等掛金控除:iDeCo掛金など
- 配偶者控除、扶養控除など
ステップ7:税額を確認
- 入力内容に基づいて所得税額が自動計算される
- 還付になる場合は還付金額が表示される
- 納付になる場合は納付税額が表示される
- 内容を確認し、問題がなければ次へ進む
ステップ8:申告書を送信
- 還付先の銀行口座情報を入力
- マイナンバーを入力
- 署名用電子証明書の暗証番号(6〜16桁)を入力
- マイナンバーカードをスマホにかざして電子署名
- 「送信」をタップして申告完了
- 受付結果(受付番号)を保存しておく
【PC編】パソコンでe-Tax確定申告する手順
パソコンからe-Taxで確定申告を行う場合の手順です。基本的な流れはスマホと同じですが、マイナンバーカードの読み取り方法が異なります。
マイナンバーカードの読み取り方法(PC)
- 方法1:ICカードリーダーを使用:USB接続のICカードリーダーにマイナンバーカードをセット
- 方法2:スマホをICカードリーダー代わりに使用:パソコンの画面に表示される2次元バーコードをスマホで読み取り、スマホのNFCでマイナンバーカードを認証
方法2は追加機器不要で便利です。パソコンで作成コーナーを操作しながら、認証だけスマホで行う形になります。
PC版の操作手順
- 国税庁「確定申告書等作成コーナー」にアクセス
- 「作成開始」→「e-Taxで提出する」→「マイナンバーカード方式」を選択
- 2次元バーコードが表示されたらスマホのマイナポータルアプリで読み取り
- スマホでマイナンバーカードをかざして認証
- PC画面で申告書の入力を進める(スマホ版と同様の手順)
- 入力完了後、再度スマホで電子署名を行い送信
PC版のメリットは、画面が大きいため入力しやすいことです。特に事業所得の入力項目が多い個人事業主には、PC版がおすすめです。
クラウド会計ソフト連携でさらに簡単に
クラウド会計ソフトを使えば、日々の記帳データから確定申告書類を自動作成し、e-Taxで直接送信することも可能です。手入力の手間を大幅に削減できます。
freee会計 × e-Tax連携
- freee内で確定申告書類を作成後、そのまま電子申告が可能
- freee専用の電子申告アプリ「freee電子申告開始ナビ」を利用
- マイナンバーカード+スマホで電子署名し、freeeから直接e-Tax送信
- 申告書作成コーナーを使わずに申告が完結するため、操作がシンプル
マネーフォワード クラウド確定申告 × e-Tax連携
- マネーフォワードで作成した申告データをe-Tax形式でエクスポート
- 国税庁の確定申告書等作成コーナーにデータを読み込み
- 最終確認後にe-Taxで送信
- または、マネーフォワード内の電子申告機能で直接送信も可能
e-Tax申告でよくあるトラブルと対処法
1. マイナンバーカードが読み取れない
- スマホのNFCがオンになっているか確認(設定→NFC)
- カードの読み取り位置を調整(機種によりNFCアンテナの位置が異なる)
- スマホケースを外して試す(金属製ケースはNFCを妨害する場合がある)
- マイナポータルアプリを最新版にアップデート
2. 暗証番号を忘れた・ロックされた
- 署名用電子証明書の暗証番号は5回連続間違いでロック
- 利用者証明用電子証明書の暗証番号は3回連続間違いでロック
- ロック解除・暗証番号初期化は市区町村の窓口で手続き(本人確認書類が必要)
- コンビニでの暗証番号初期化も一部対応済み
3. 送信エラーが発生する
- インターネット接続を確認
- ブラウザのキャッシュをクリアして再試行
- 対応ブラウザ(Chrome、Safari、Edge)を使用しているか確認
- 申告期限直前はアクセス集中でエラーが起きやすい→早めの申告を推奨
4. 電子証明書の有効期限切れ
- 署名用電子証明書の有効期限はカード発行から5回目の誕生日まで
- 有効期限切れの場合は市区町村窓口で更新手続き
- 更新手続きは無料(窓口で即日完了)
e-Taxで納税する方法
確定申告で納付税額が発生した場合、e-Taxと連携した複数の納税方法が利用できます。
- ダイレクト納付:事前に届出た銀行口座から即時 or 指定日に引き落とし(最も便利)
- インターネットバンキング:e-Taxから発行される納付情報でネットバンキングから納付
- クレジットカード納付:「国税クレジットカードお支払サイト」から納付(手数料あり)
- スマホアプリ納付:PayPay、d払い、au PAY、LINE Pay、Amazon Payなどで30万円以下の納付が可能
- 振替納税:事前に届出た口座から4月中旬頃に自動引き落とし
- コンビニ納付:e-Taxから発行されるQRコードでコンビニ窓口から30万円以下の納付が可能
よくある質問(FAQ)
Q1. e-Taxの利用可能時間は?
確定申告期間中(2月16日〜3月15日)は、原則として24時間利用可能です。ただし、メンテナンス時間帯は利用できません。確定申告期間外は、月曜〜金曜の8:30〜24:00まで利用可能です(祝日・年末年始を除く)。なお、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」は24時間365日アクセス可能で、作成した申告書は保存しておいてe-Tax稼働時間に送信することもできます。
Q2. マイナンバーカードがなくてもe-Taxは使えますか?
「ID・パスワード方式」であれば、マイナンバーカードなしでもe-Taxが利用できます。ただし、この方式はマイナンバーカードが普及するまでの暫定的な措置とされています。税務署の窓口で本人確認書類を持参し、ID・パスワードの発行を受ける必要があります。将来的にはマイナンバーカード方式に一本化される可能性があるため、早めにマイナンバーカードを取得することをおすすめします。
Q3. e-Taxで送信した後に間違いに気づいた場合は?
申告期限内であれば、修正した申告書を再送信することで訂正申告ができます(最後に送信したものが有効な申告書として扱われます)。申告期限後に誤りに気づいた場合は、税額が多すぎた場合は「更正の請求」、少なすぎた場合は「修正申告」が必要です。
Q4. スマホだけで青色申告の確定申告はできますか?
はい、可能です。国税庁の確定申告書等作成コーナーはスマホに対応しており、青色申告決算書の作成・提出もスマホで行えます。ただし、入力項目が多い場合はPCの方が効率的です。また、freee会計を使えばスマホアプリ内で申告書の作成から電子送信まで完結できるため、より簡単です。
Q5. e-Taxで確定申告すると65万円控除が受けられるのはなぜですか?
2020年の税制改正により、青色申告特別控除は紙での提出の場合55万円に引き下げられましたが、e-Tax(電子申告)で提出するか電子帳簿保存を行う場合は65万円が維持される仕組みに変更されました。つまり、e-Taxで提出することで10万円分多く控除が受けられます。この10万円の差は所得税・住民税・国民健康保険料に影響するため、実質的に年間3〜5万円程度の節税効果があります。
関連サービス
e-Taxでの確定申告をさらに効率化するクラウド会計ソフトをご紹介します。
freee会計
申告書作成からe-Tax送信までアプリ内で完結。スマホだけで確定申告が終わります。質問に答えるだけで申告書が自動作成されるため、初めてのe-Tax申告でも安心です。
マネーフォワード クラウド確定申告
日々の記帳から確定申告書の作成、e-Tax連携まで一気通貫。2,400以上の金融機関との自動連携で、経費の入力作業を大幅に削減できます。
マネーフォワード クラウド会計
確定申告だけでなく、請求書発行・経費精算・給与計算まで一元管理。事業拡大を見据えた個人事業主・法人の方におすすめです。
まとめ
e-Taxでの確定申告は、自宅にいながら24時間申告でき、青色申告者は65万円控除の条件を満たせる大きなメリットがあります。マイナンバーカードとスマホがあれば、追加のコストなしで電子申告が可能です。
特に個人事業主やフリーランスの方は、クラウド会計ソフトとe-Taxを組み合わせることで、日々の記帳から確定申告の完了まで効率的に行えます。
確定申告期限直前はe-Taxへのアクセスが集中し、エラーが発生しやすくなります。早めの準備と申告を心がけ、余裕を持って手続きを完了させましょう。
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免責事項
本記事は2027年の確定申告に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の税務アドバイスを提供するものではありません。e-Taxのシステム仕様や操作画面は年度によって変更される可能性があります。最新の情報は国税庁のウェブサイト(https://www.e-tax.nta.go.jp/)または最寄りの税務署でご確認ください。個別の税務判断については、税理士等の専門家にご相談ください。
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