住宅を購入してローンを組んだ方にとって、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は最も大きな節税制度の一つです。年末のローン残高に応じて所得税・住民税が控除されるため、適用期間中に数百万円の税金が戻ってくる可能性があります。
しかし、住宅ローン控除を受けるためには、初年度に確定申告が必要です。会社員の方であっても、住宅を取得した翌年には自分で確定申告を行わなければなりません。2年目以降は年末調整で手続きできますが、最初の1回は避けて通れません。
この記事では、2026年時点の最新制度に基づいて、住宅ローン控除の仕組み・控除額・適用条件・確定申告の手順・必要書類を徹底的に解説します。
住宅ローン控除とは?基本的な仕組みを理解しよう
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用してマイホームを新築・購入・増改築した場合に、年末時点のローン残高の一定割合が所得税から控除される制度です。正式名称は「住宅借入金等特別控除」といい、租税特別措置法に基づいています。
この制度の最大の特徴は、税額控除であるという点です。所得控除(医療費控除や生命保険料控除など)は所得から差し引くだけですが、税額控除は計算された所得税額から直接差し引くため、節税効果が非常に大きくなります。
住宅ローン控除の計算方法
住宅ローン控除の基本的な計算式は以下のとおりです。
控除額 = 年末ローン残高 × 控除率(0.7%)
例えば、年末のローン残高が3,000万円の場合、3,000万円 × 0.7% = 21万円が控除額となります。この金額がまず所得税から差し引かれ、所得税で引ききれない分は住民税からも一部控除されます(上限あり)。
2026年の住宅ローン控除制度|控除額・控除期間・借入限度額
2022年の税制改正により住宅ローン控除制度は大きく変更され、2026年時点では以下の内容が適用されています。入居時期によって控除条件が異なるため、正確に確認しましょう。
2026年~2026年入居の場合
2024年から2026年に入居した方の住宅ローン控除の概要は以下のとおりです。
- 控除率:0.7%(年末ローン残高に対して)
- 控除期間:新築住宅は13年間、中古住宅は10年間
- 借入限度額(新築・認定住宅):4,500万円(子育て世帯・若者夫婦世帯は5,000万円)
- 借入限度額(新築・ZEH水準省エネ住宅):3,500万円(子育て世帯等は4,500万円)
- 借入限度額(新築・省エネ基準適合住宅):3,000万円(子育て世帯等は4,000万円)
- 借入限度額(新築・その他の住宅):0円(2024年以降、省エネ基準を満たさない新築住宅は原則対象外。ただし2023年中に建築確認を受けた場合は2,000万円・10年間)
- 借入限度額(中古・認定住宅等):3,000万円
- 借入限度額(中古・その他の住宅):2,000万円
- 住民税からの控除上限:9.75万円/年(前年課税所得の5%が上限)
最大控除額のシミュレーション
認定長期優良住宅(子育て世帯)を購入し、年末ローン残高が5,000万円の場合を考えてみましょう。
- 年間控除額:5,000万円 × 0.7% = 35万円
- 13年間の最大控除総額:約455万円(残高が減少するため実際はこれより少なくなります)
一般的な住宅(借入限度額3,000万円)の場合でも、年間最大21万円、13年間で約273万円の控除が受けられる計算です。これだけの節税効果があるため、確実に申告を行いましょう。
住宅ローン控除の適用条件|対象となる人・住宅の要件
住宅ローン控除を受けるためには、人に関する要件と住宅に関する要件の両方を満たす必要があります。一つでも欠けると控除が受けられないため、事前にしっかり確認しておきましょう。
人に関する要件
- 合計所得金額が2,000万円以下であること(給与収入で約2,195万円以下に相当)
- 住宅取得後6か月以内に入居し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続き居住していること
- 住宅ローンの返済期間が10年以上であること
- 居住年とその前後2年間(計5年間)に、3,000万円特別控除や買換え特例を適用していないこと
- 親族等から取得した住宅でないこと
住宅に関する要件
- 床面積が50平方メートル以上であること(登記簿面積で判定。合計所得金額1,000万円以下の場合は40平方メートル以上)
- 床面積の2分の1以上が自己の居住用であること
- 新築の場合は省エネ基準に適合していること(2024年以降入居の場合)
- 中古住宅の場合は1982年(昭和57年)1月1日以降に建築されたもの(新耐震基準適合)
対象となるローンの条件
住宅ローン控除の対象となる借入金には以下の条件があります。
- 金融機関(銀行・信用金庫・住宅金融支援機構など)からの借入であること
- 返済期間が10年以上であること
- 勤務先からの借入の場合、利率が0.2%以上であること(無利子・低利子は対象外)
- 親族からの借入は対象外
住宅ローン控除の確定申告手順|初年度の手続きを詳しく解説
住宅を取得した翌年の2月16日から3月15日の確定申告期間に申告を行います。なお、還付申告(税金が戻ってくる申告)の場合は、翌年の1月1日から5年間提出できます。会社員で住宅ローン控除のみの申告であれば、2月16日を待たずに1月から提出可能です。
Step 1:必要書類を準備する
確定申告に必要な書類は以下のとおりです。早めに揃えておくと、スムーズに申告できます。
- 確定申告書(第一表・第二表)
- (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 住宅ローンの年末残高証明書(借入先の金融機関から10〜11月頃に届きます)
- 土地・建物の登記事項証明書(法務局で取得。オンライン申請も可能)
- 売買契約書または建築請負契約書の写し
- 源泉徴収票(会社員の場合)
- マイナンバーカードまたは通知カード+本人確認書類
- 省エネ基準適合証明書等(2024年以降入居の新築住宅の場合)
Step 2:確定申告書を作成する
確定申告書の作成方法は主に3つあります。
- 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」:画面の案内に従って入力するだけで申告書が完成します。無料で利用できます。
- 会計ソフト(freee・マネーフォワードなど):質問に答える形式で、より簡単に作成できます。住宅ローン控除にも対応しています。
- 税務署での相談:確定申告期間中は税務署で無料相談が受けられます。
Step 3:申告書を提出する
作成した確定申告書の提出方法は以下の3つです。
- e-Tax(電子申告):マイナンバーカードを使ってオンラインで提出。最も簡単で、還付も早い(約3週間)
- 郵送:管轄の税務署に郵送で提出
- 税務署に持参:直接窓口に提出
Step 4:還付金を受け取る
e-Taxで申告した場合は約3週間、書面で提出した場合は約1〜2か月で還付金が指定口座に振り込まれます。住民税からの控除分は、翌年度の住民税が自動的に減額される形で反映されます。
2年目以降の手続き|年末調整での対応方法
初年度に確定申告を行うと、税務署から「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」が残りの控除期間分まとめて送付されます(例:13年間の控除であれば12年分)。
2年目以降は、この申告書と金融機関から届く年末残高証明書を、勤務先の年末調整時に提出するだけで控除が受けられます。確定申告は不要です。
住宅ローン控除で注意すべきポイント
繰り上げ返済をした場合
繰り上げ返済によって返済期間が10年未満になると、住宅ローン控除の適用が受けられなくなります。繰り上げ返済を検討する際は、返済期間が10年以上を維持できるか確認しましょう。また、ローン残高が減ると控除額も減るため、繰り上げ返済のタイミングは年末残高証明書の基準日以降がお得です。
夫婦でローンを組んだ場合(ペアローン・連帯債務)
夫婦それぞれがローンを組むペアローンの場合、各自が住宅ローン控除を適用できます。連帯債務の場合は、持分割合に応じてそれぞれが控除を受けられます。ただし、連帯保証の場合は主債務者のみが控除対象となります。
転勤で居住しなくなった場合
転勤などで一時的にその住宅に居住しなくなった場合、居住しない期間は控除が受けられません。ただし、再び居住した場合は、残りの控除期間について控除を再開できます(届出が必要)。
ふるさと納税との併用
住宅ローン控除とふるさと納税は併用可能です。ただし、住宅ローン控除で所得税が大幅に減額されると、ふるさと納税の控除上限額も下がる場合があります。ワンストップ特例を利用すると住民税からの控除となるため、併用しやすくなります。
freee・マネーフォワードで住宅ローン控除の確定申告をする方法
クラウド会計ソフトを利用すれば、住宅ローン控除の確定申告もスムーズに行えます。ここでは代表的な2つのサービスをご紹介します。
freeeでの申告手順
freee会計では、確定申告書の作成機能で住宅ローン控除に対応しています。
- freeeにログインし、「確定申告」メニューを選択
- 「税額控除」のセクションで「住宅借入金等特別控除」を選択
- 画面の案内に従い、住宅の取得価額・ローン残高・入居日などを入力
- 控除額が自動計算され、確定申告書に反映されます
- e-Tax連携でそのまま電子申告が可能
freeeはスマートフォンからでも操作でき、質問に答えていくだけで申告書が完成するため、確定申告が初めての方にもおすすめです。
マネーフォワード クラウド確定申告での申告手順
マネーフォワード クラウド確定申告でも、住宅ローン控除の申告に対応しています。
- マネーフォワードにログインし、「決算・申告」から確定申告書を作成
- 「住宅借入金等特別控除」の項目に必要事項を入力
- ローン残高証明書の情報を入力すると控除額が自動計算
- e-Tax連携で電子申告、または印刷して郵送・持参
マネーフォワードは銀行口座やクレジットカードとの自動連携が充実しており、日常の収支管理と合わせて確定申告まで一元管理できます。
よくある質問(FAQ)
Q1:住宅ローン控除は会社員でも確定申告が必要ですか?
A1:初年度のみ必要です。住宅を取得した翌年に一度だけ確定申告を行えば、2年目以降は年末調整で控除を受けられます。初年度の確定申告を忘れた場合でも、5年以内であれば還付申告として提出可能です。
Q2:中古住宅でも住宅ローン控除は受けられますか?
A2:はい、一定の条件を満たせば受けられます。1982年(昭和57年)1月1日以降に建築された住宅(新耐震基準適合)であることが基本条件です。控除期間は10年間、借入限度額は認定住宅等で3,000万円、その他の住宅で2,000万円です。
Q3:住宅ローン控除とすまい給付金は併用できますか?
A3:すまい給付金は2021年12月で終了しています。現在は、子育て世帯・若者夫婦世帯を対象とした「子育てエコホーム支援事業」などの補助金制度があり、住宅ローン控除との併用が可能です。ただし、補助金で取得費用が減少した場合はローン残高の計算に影響する場合があります。
Q4:確定申告を忘れた場合はどうなりますか?
A4:5年以内であれば還付申告として提出できます。住宅ローン控除の確定申告は「還付申告」に該当するため、通常の確定申告期限(3月15日)を過ぎても、住宅取得の翌年1月1日から5年間は申告可能です。控除は遡って受けられますので、忘れていた方も諦めずに申告しましょう。
Q5:住宅ローンの借り換えをした場合、控除は継続されますか?
A5:一定の条件を満たせば継続されます。借り換え後のローンが当初のローンを返済するためのものであること、返済期間が10年以上であること等の条件を満たせば、住宅ローン控除を引き続き受けられます。ただし、控除期間は当初の入居年から計算されるため、借り換えにより延長されることはありません。
関連サービス
住宅ローン控除の確定申告には、クラウド会計ソフトの活用がおすすめです。初めての確定申告でも、画面の案内に従って入力するだけで正確な申告書が作成できます。
- freee会計 – スマホ対応・質問形式で初心者にも使いやすい。住宅ローン控除の申告にも完全対応。e-Tax連携で電子申告も簡単。
- マネーフォワード クラウド確定申告 – 銀行口座・クレジットカードとの自動連携が強み。住宅ローン控除の計算にも対応し、e-Tax申告も可能。
- マネーフォワード クラウド会計 – 法人・個人事業主向けの高機能会計ソフト。不動産所得がある方の帳簿管理にも最適。
免責事項:本記事の内容は2026年3月時点の税制に基づいて作成しています。税制は毎年改正される可能性があるため、最新の情報は国税庁のウェブサイトでご確認ください。具体的な税務判断については、税理士等の専門家にご相談されることをお勧めします。
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