住宅を購入して住宅ローンを利用している方は、「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」を受けることで、大きな節税効果を得られます。初年度は確定申告が必要ですが、手続きを正しく理解すれば難しくありません。本記事では、2027年版の住宅ローン控除について、初年度の手続き、必要書類、計算方法を完全解説します。
住宅ローン控除とは
住宅ローン控除(正式名称:住宅借入金等特別控除)とは、住宅ローンを利用してマイホームを取得した場合に、年末の住宅ローン残高の一定割合を所得税から直接差し引ける制度です。
所得控除(所得金額を減らす)ではなく税額控除(税金を直接減らす)であるため、節税効果が非常に大きい制度です。
2024年以降の住宅ローン控除の概要
- 控除率:年末ローン残高の0.7%
- 控除期間:新築住宅は最長13年間、中古住宅は最長10年間
- 借入限度額:住宅の省エネ性能により異なる(後述)
借入限度額(2026年入居の場合)
住宅の種類と省エネ基準により、控除対象となる借入限度額が異なります。
- 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅:4,500万円(子育て世帯等は5,000万円)
- ZEH水準省エネ住宅:3,500万円(子育て世帯等は4,500万円)
- 省エネ基準適合住宅:3,000万円(子育て世帯等は4,000万円)
- その他の住宅:2024年以降は原則対象外(2023年末までに建築確認を受けた場合は2,000万円、控除期間10年)
※子育て世帯等とは、19歳未満の扶養親族がいる世帯、または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯を指します。
住宅ローン控除の適用要件
住宅ローン控除を受けるためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
本人に関する要件
- 取得した住宅に自ら居住していること(取得日から6か月以内に入居し、適用を受ける年の12月31日まで引き続き居住)
- 合計所得金額が2,000万円以下であること
- 居住用にした年とその前後2年間(計5年間)に、居住用財産の3,000万円特別控除等を受けていないこと
住宅に関する要件
- 床面積が50㎡以上(合計所得金額1,000万円以下の場合は40㎡以上)
- 床面積の2分の1以上が自己の居住用
- 中古住宅の場合:1982年以降に建築された住宅、または耐震基準に適合する住宅
住宅ローンに関する要件
- 返済期間が10年以上の住宅ローンであること
- 金融機関等からの借入れであること(親族や知人からの借入れは対象外)
- 勤務先からの借入れの場合、利率が0.2%以上であること
住宅ローン控除額の計算方法
計算式
住宅ローン控除額 = 年末ローン残高 × 0.7%(借入限度額を上限)
計算例
ケース:省エネ基準適合住宅、借入額3,500万円、年末残高3,400万円
- 借入限度額:3,000万円
- 控除対象残高:3,000万円(残高3,400万円だが、限度額の3,000万円が上限)
- 住宅ローン控除額:3,000万円 × 0.7% = 21万円
この21万円が所得税から直接差し引かれます。所得税額が21万円に満たない場合は、残りの控除額が住民税から差し引かれます(住民税からの控除上限は97,500円)。
13年間の合計節税額シミュレーション
借入額3,000万円、金利1.5%、35年返済の場合の概算:
- 1年目の控除額:約21万円
- 13年間の合計控除額:約250万円
住宅ローン控除は非常に大きな節税効果がありますので、初年度の確定申告を忘れずに行いましょう。
初年度の確定申告に必要な書類
住宅ローン控除の初年度は確定申告が必要です(2年目以降は年末調整で対応可能)。以下の書類を準備しましょう。
- 確定申告書(第一表・第二表)
- 住宅借入金等特別控除額の計算明細書(国税庁のサイトからダウンロード可能)
- 住宅ローンの年末残高等証明書(金融機関から10〜11月頃に届く)
- 土地・建物の登記事項証明書(法務局で取得。オンライン申請も可能)
- 売買契約書または工事請負契約書の写し
- マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類)
- 源泉徴収票(会社員の場合)
- 住宅の省エネ性能を証明する書類(認定長期優良住宅の場合は認定通知書の写し、省エネ基準適合住宅の場合は住宅省エネルギー性能証明書など)
住宅ローン控除の確定申告手順
ステップ1:書類を準備する
上記の必要書類をすべて揃えます。特に「住宅ローンの年末残高等証明書」は金融機関から自動的に届きますが、届かない場合は早めに問い合わせましょう。登記事項証明書はオンライン(登記ねっと)でも取得できます。
ステップ2:計算明細書を作成する
「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」に、住宅の取得価額、ローンの年末残高、居住開始日などを記入します。国税庁の確定申告書等作成コーナーを使えば、画面の指示に従って入力するだけで自動計算されます。
ステップ3:確定申告書を作成・提出する
確定申告書等作成コーナーまたはクラウド会計ソフトを使って申告書を作成し、提出します。e-Taxで提出する場合は、一部の添付書類の提出を省略できます。
2年目以降の手続き
2年目以降は年末調整で住宅ローン控除を受けることができます。確定申告は不要です。
- 初年度の確定申告後、税務署から「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」が届きます(控除期間分がまとめて届く)
- 毎年、金融機関から届く「年末残高等証明書」と合わせて、勤務先に提出します
- 勤務先の年末調整で控除が適用されます
住宅ローン控除のよくある失敗と注意点
1. 入居が遅れて適用できない
住宅の取得日から6か月以内に入居する必要があります。引越しが遅れて年をまたいでしまうと、その年の控除を受けられなくなります。
2. 初年度の確定申告を忘れる
初年度は年末調整では対応できないため、必ず確定申告が必要です。忘れた場合でも、5年以内であれば還付申告として遡って申告できます。
3. 繰上返済で返済期間が10年未満に
繰上返済を行った結果、返済期間が10年未満になると住宅ローン控除の適用要件を満たさなくなります。繰上返済を検討する際は、返済期間に注意しましょう。
4. 転勤で一時的に住まなくなった場合
転勤等でマイホームに住まなくなった場合、住んでいない期間は控除を受けられません。ただし、再び戻って居住を再開した場合は、残りの控除期間について再適用を受けられる場合があります。
住宅ローン控除と他の制度の併用
- ふるさと納税との併用:可能。ただし、住宅ローン控除で所得税が大幅に減額されると、ふるさと納税の節税効果が住民税にシフトするため、控除上限額が変わる場合があります。
- 医療費控除との併用:可能。両方とも確定申告で申請できます。
- iDeCoとの併用:可能。iDeCoの掛金は所得控除、住宅ローン控除は税額控除なので、それぞれ別の仕組みで節税効果を得られます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 住宅ローン控除の初年度の確定申告はいつまでに行えばいいですか?
A. 通常の確定申告期間(2月16日〜3月16日)に行います。ただし、還付申告であれば1月1日から提出可能です。会社員の方は多くの場合、住宅ローン控除により税金が還付されるため、1月から早めに提出することをおすすめします。
Q2. 共有名義で住宅を購入した場合、夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けられますか?
A. はい、夫婦それぞれが住宅ローンを組んでいる場合(ペアローン)は、それぞれが住宅ローン控除を受けられます。連帯債務の場合も、それぞれの負担割合に応じて控除を受けることができます。
Q3. 中古住宅でも住宅ローン控除は受けられますか?
A. はい、受けられます。ただし、1982年(昭和57年)以降に建築された住宅、または新耐震基準に適合する住宅であることが条件です。中古住宅の場合、控除期間は最長10年間、借入限度額は2,000万円〜3,000万円(省エネ性能により異なる)となります。
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免責事項:本記事の情報は2027年2月時点のものであり、法令改正や制度変更により内容が変わる場合があります。実際の確定申告にあたっては、最新の国税庁の公式情報を必ずご確認ください。また、個別の税務相談については税理士等の専門家にご相談されることをお勧めします。本記事には一部アフィリエイトリンクが含まれていますが、記事の内容は筆者の独自の調査・分析に基づくものです。
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