「暗号資産の税金が20%になると聞いたけど、本当にいつから?個人事業主は事業所得と合算されてもっと高くなるって本当?」——令和8年度税制改正大綱の発表以来、こんな疑問を持つ個人事業主・フリーランスが急増しています。
結論から言うと、暗号資産の申告分離課税(20.315%)の適用は早くても2028年1月からです。つまり今から約2年間、現行の総合課税(最大55%)が続きます。この2年間をどう過ごすかで、あなたの納税額が数十万円単位で変わってくる可能性があります。
本記事では、個人事業主・フリーランスが2028年前にやるべき節税準備、年収別の「今売るべきか・待つべきか」シミュレーション、マネーフォワードクラウド確定申告での現行入力手順、そして2028年の分離課税移行に向けた実務対応を、わかりやすく解説します。
ぜいむたん


- 暗号資産の申告分離課税20.315%が「いつから」適用されるのか(2028年1月以降の見込み・2026〜2027年は現行の総合課税)
- 令和8年度改正の3大変更点(税率・損失の3年繰越・特定暗号資産の選定)
- 年収別の「今売る vs 2028年まで待つ」損益分岐点の判断基準
- 2028年前にやるべき節税準備チェックリストと、マネーフォワードクラウドでの現行(総合課税)申告手順
対象読者:暗号資産を保有する個人事業主・フリーランス(税務の初心者〜中級者)。
改正ニュースを見て申告を怠ると、無申告加算税(最大20%)・延滞税の対象になります。2026年・2027年は必ず従来どおり雑所得として総合課税で申告してください。根拠は国税庁 暗号資産に関する税務上の取扱いFAQをご確認ください。
令和8年度改正で何が変わる?暗号資産課税の3大ポイント
2025年12月に発表された令和8年度税制改正大綱で、暗号資産の課税方式が大きく変わることが決まりました。ただし制度が実際に変わるのは2028年1月以降です。まずは3つの大きな変更点を整理しましょう。
令和8年度改正:暗号資産課税の3大変更点
現行の総合課税(所得税15〜45%+住民税10%)から申告分離課税(20.315%固定)へ。適用は2028年1月以降の取引から。
分離課税移行後に発生した損失を最大3年間繰り越せるようになります。ただし2028年1月以降の損失のみ対象。現在の損失は繰り越せません。
20%の分離課税が適用されるのは「特定暗号資産」のみ。ビットコイン・イーサリアム等の主要銘柄が対象濃厚ですが、詳細は金商法改正後に確定します。






【落とし穴】個人事業主は事業所得と合算される!現行ルールの注意点
会社員と個人事業主では、暗号資産の税負担が大きく異なります。個人事業主の場合、事業所得と暗号資産の利益が合算されるため、税率が跳ね上がるリスクがあります。これが会社員には起きにくい個人事業主特有の落とし穴です。






具体的な落とし穴として、以下の2点を必ず理解しておきましょう。
- 累進課税のジャンプアップ:年間事業所得350万円の個人事業主が暗号資産で100万円の利益を得た場合、合算所得が450万円台に入り、所得税の限界税率が20%に跳ね上がる
- 住民税の翌年請求に要注意:住民税は翌年6月から請求される。年内に納税資金を確保していないと翌年の資金繰りが苦しくなる
暗号資産の利益を「後でまとめて計算すればいい」と思って記帳を怠ると、確定申告時に取引履歴の再集計で膨大な作業量になります。毎取引ごとに記録しておく習慣が最重要です。マネーフォワードクラウド確定申告と取引所を連携させると自動集計できます。
年収別シミュレーション:2026年に暗号資産を売却した場合の実効税率(独自試算)
「実際に税金がいくらかかるの?」を年収別に独自試算しました。暗号資産の利益100万円・青色申告特別控除65万円・基礎控除48万円適用後の概算です。現行(総合課税)と2028年以降(分離課税20%)を比較します。






暗号資産利益100万円:年収別 実効税率シミュレーション(独自試算)
課税所得(事業):約87万円
暗号資産加算後:約187万円
現行実効税率:約15〜18%
2028年以降:20%
→ 今売っても大差なし。むしろ現行が安い場合も
課税所得(事業):約287万円
暗号資産加算後:約387万円
現行実効税率:約30%
2028年以降:20%
→ 100万利益で約10万円節税可能
課税所得(事業):約487万円
暗号資産加算後:約587万円
現行実効税率:約33%
2028年以降:20%
→ 100万利益で約13万円節税可能
※青色申告特別控除65万円・基礎控除48万円適用後の概算。復興特別所得税(2.1%)は含まず。個々の状況により異なります。
このシミュレーションから見えるのは、年収200万円前後の個人事業主は今売っても2028年以降とほぼ変わらないのに対し、年収400万円以上では2028年以降に売ったほうが明らかに有利になるという事実です。年収が高い方ほど「待つ」メリットが大きくなります。
「今売る vs 2028年まで待つ」損益分岐点の考え方
「2028年まで待てば税率が下がるなら、絶対待ったほうがいい!」——そう単純にはいきません。待つことにもリスクとコストがあります。以下の判定フローで自分の状況を確認しましょう。






年収200万円以下
→ 現行税率が低い可能性。今売っても大差なし。価格上昇を期待するなら待つ選択肢も
年収400万円以上
→ 2028年以降が有利。ただし含み益が大きいうちに一部利確も検討価値あり
現行ルール(〜2027年)では損失を翌年に繰越できません。含み損があれば年内に売却して損失確定し、同年の他の利益と相殺するのが有効です。年をまたぐと相殺できなくなります。
年収400万円以上で含み益が大きいなら2028年以降に売るほうが節税効果が高い。ただし「2028年まで保有を続けるリスク」を必ず考慮すること。含み益が数百万円を超える場合は税理士に相談を。
損益分岐点の簡易判断式は「節税効果(税率差×利益額)が2年間の機会コスト・価格変動リスクを上回るか」です。年収400万円で暗号資産利益100万円なら節税効果は約10万円。この10万円のために2年間価格リスクを取るかどうかを冷静に判断してください。
よくある失敗・ミス5選(個人事業主の暗号資産申告)






「雑所得が20万円以下なら確定申告不要」というルールは給与所得者(会社員)のみに適用されます。個人事業主・フリーランスはすでに確定申告義務があるため、暗号資産の利益が1円でも発生したら申告が必要です。多くの個人事業主が誤解しているポイントです。申告漏れは無申告加算税(15〜20%)の対象になります。
暗号資産の損益計算は「移動平均法」または「総平均法」で行います。複数の取引所を利用している場合、1年分の履歴をまとめて処理しようとすると想像以上に時間がかかります。月次で記録を更新する習慣が必須です。マネーフォワードクラウド確定申告を使えば取引所連携で自動集計できるため、年末の作業負担を大幅に削減できます。
ビットコインでイーサリアムを購入した場合、日本の税制ではビットコインを時価で「売却した」とみなして課税されます。法定通貨との交換だけでなく、暗号資産同士の交換でも利益が生じていれば課税対象です。DeFiでのスワップも同様です。国税庁 暗号資産FAQで明記されています。
日本の税務では、暗号資産の取得価額計算に「総平均法」が原則適用されます(「移動平均法」を選ぶ場合は事前の届出が必要)。年間に複数回購入した場合、全取引の合計購入金額÷合計数量=平均単価で計算します。これを知らずに「最初に買った値段」で計算すると大きな誤差が生じ、過少申告につながります。クリプタクト等の専門ツールは総平均法で自動計算してくれるため、活用をおすすめします。
暗号資産取引の手数料や情報収集費用を「事業の必要経費」として計上してしまうケースがあります。しかし暗号資産取引は雑所得であるため、これらの費用は雑所得の必要経費として計上するのが正解です。事業所得の必要経費に混入させると、事業所得の金額や青色申告特別控除の適用に影響が出る可能性があります。マネーフォワードクラウド確定申告で入力する際は、費用の科目区分を必ず確認してください。
MFクラウド確定申告での暗号資産の申告方法(現行・総合課税)
2026年・2027年の確定申告では、暗号資産の利益は「雑所得(その他)」として申告します。マネーフォワードクラウド確定申告を使った具体的な入力手順を解説します。






利用している取引所(コインチェック・GMOコイン・bitFlyer等)にログインし、「取引履歴」または「税務用データ」のCSVをダウンロードします。複数の取引所を利用している場合はすべてエクスポートしてください。ステーキング報酬・エアドロップも含めます。
取引所によっては「クリプタクト」などの専用損益計算ツールでCSVを処理し、年間の損益合計を算出します。移動平均法・総平均法のどちらかを選択(毎年同じ方法を使うこと)して、年間利益額または損失額を確定させます。
マネーフォワードクラウド確定申告にログイン後、「収支入力」→「取引」→「収入区分:雑収入(その他雑所得)」を選択します。勘定科目「雑収入」、摘要「暗号資産売却益」として年間利益合計額を入力します。損失の場合は申告不要ですが記録は保管を。
すべての収支を入力後、MFクラウドの「確定申告書類」ボタンから申告書を出力します。e-Taxでの電子申告(推奨)またはPDF印刷での郵送・持参が可能です。青色申告の場合は「青色申告決算書」も合わせて提出します。
- 全取引所の取引履歴CSVをエクスポートした
- 暗号資産同士の交換取引も損益計算に含めた
- 損益計算の方法(移動平均法または総平均法)を毎年統一している
- 雑所得「その他雑所得」欄に記入した(事業所得とは別枠)
- 取引履歴・計算根拠データを7年間保管する準備をした
特定暗号資産の判定フロー(どの銘柄が2028年以降に分離課税の対象か)
2028年以降の申告分離課税は「特定暗号資産」にのみ適用されます。すべての暗号資産が対象になるわけではありません。銘柄ごとの対象・非対象を事前に把握しておきましょう。






✅ 分離課税対象(見込み)
ビットコイン(BTC)
イーサリアム(ETH)
※金商法改正後に正式決定
⚠️ 対象未確定・要確認
各種アルトコイン
ステーブルコイン
NFT関連トークン(個別判断)
どの銘柄が「特定暗号資産」に指定されるかは、金融商品取引法改正の政省令で正式決定されます。2027年末頃に確定する見込みのため、保有銘柄の対象可否は最新情報を継続確認すること。対象外の銘柄は2028年以降も総合課税が継続します。令和8年度税制改正大綱および金融庁の公式発表を随時確認しましょう。
2028年前にやるべき節税チェックリスト5選
2026〜2027年の「空白期間」に今すぐ取り組むべき節税準備をまとめました。これを実行しておくことで、2028年以降の分離課税移行をスムーズに活用できます。後回しにすると取り返しのつかない機会損失になるものもあります。






- 【①損失の早期確定】含み損のあるポジションを年内に売却して損失確定。同年内の利益と相殺し税負担を軽減する
- 【②MFクラウドでの記帳習慣化】全取引を月次でMFクラウドに記録。年末の大量作業を防ぐ
- 【③取引履歴7年間保管】税務調査に備え、全取引所のCSVデータをバックアップ保存する
- 【④保有銘柄の対象可否を随時確認】特定暗号資産の指定は2027年末頃に確定。金融庁・国税庁の情報を追う
- 【⑤2028年の申告変更を先読み準備】分離課税になったら申告方法が変わる。MFクラウドの更新情報をフォローしておく
現在保有している全ポジションの取得原価と現在時価を比較し、含み損のあるものをリストアップします。年末(12月31日)までに売却することで損失確定でき、同年の他の暗号資産利益と相殺できます。翌年への繰越は現行ルールでは不可のため、年内実行が絶対条件です。
マネーフォワードクラウド確定申告でAPI連携またはCSV定期インポートを設定します。一度設定すれば月次で自動更新されるため、確定申告時の作業が大幅に削減されます。年途中から始めても十分に効果があります。
暗号資産の含み益が数百万円を超える場合は、税理士に「今売るべきか・2028年以降に売るべきか」を相談することをおすすめします。年収・含み益額・リスク許容度によって最適解は異なります。相談は早めに行うほど選択肢が広がります。
一次情報ソースで確認しておくべき公式リンク
暗号資産の税務は制度改正が続いているため、必ず一次情報(国税庁・財務省)で最新情報を確認することが重要です。以下のリンクをブックマークしておきましょう。
- 国税庁「暗号資産に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」——現行の課税ルールを正確に確認できる公式ガイド
- 財務省「令和8年度税制改正大綱」——今回の分離課税改正の根拠となる大綱(PDF)
- マネーフォワード「暗号資産の申告サポートページ」——MFクラウド確定申告での暗号資産入力方法の公式ガイド






よくある質問(FAQ)
- 2026年の確定申告で暗号資産の利益はどう申告すればいいですか?
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2026年・2027年分は、引き続き雑所得(その他)として総合課税で申告します。申告分離課税20%の適用は2028年1月1日以降の譲渡益からです。確定申告書の「雑所得」欄に「暗号資産売買益」として記入し、計算根拠の取引履歴を保管してください。国税庁 暗号資産FAQもご参照ください。
- 個人事業主は暗号資産の利益が20万円以下でも確定申告が必要ですか?
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はい、必要です。「雑所得が20万円以下なら確定申告不要」というルールは給与所得者(会社員)に限定されます。個人事業主・フリーランスはすでに確定申告義務があるため、暗号資産の利益が少額でも申告が必要です。申告漏れは無申告加算税(15〜20%)・延滞税の対象になりますのでご注意ください。
- ビットコインをイーサリアムに交換した場合も課税されますか?
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はい、課税されます。日本の税制では、暗号資産同士の交換はビットコインを時価で売却したとみなされます。交換時のビットコインの時価が取得価額を上回っていれば、その差額が雑所得として課税対象になります。DeFiやスワップでの交換も同様です。現物取引だけでなくすべての交換を記録してください。
- 暗号資産の損失は事業所得と相殺できますか?
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現行ルール(〜2027年)では相殺できません。暗号資産の利益は雑所得に分類されるため、事業所得の赤字と通算することも翌年への繰越もできません。ただし同年内に複数の暗号資産取引がある場合は相互に損益通算できます(例:ビットコインの利益とリップルの損失を相殺)。2028年の分離課税移行後は3年間の損失繰越が可能になります。
- マネーフォワードクラウド確定申告で暗号資産の損益計算はできますか?
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はい、対応しています。主要取引所(コインチェック、GMOコイン、bitFlyer等)のCSVデータをインポートして損益計算できます。ただしDeFi・ステーキング・NFT等の複雑な取引は専用ツール(クリプタクト等)で事前計算した上でMFクラウドに合計額を入力する方法が確実です。最新の対応状況はマネーフォワード公式サイトをご確認ください。
- 暗号資産の申告分離課税(20%)はいつから始まりますか?
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令和8年度税制改正大綱では「金融商品取引法(金商法)の改正施行の翌年から」とされています。金商法の改正施行が2027年中に行われた場合、申告分離課税の適用は早くて2028年1月1日以降の取引からになる見込みです。法令の詳細はまだ確定していない部分があり、引き続き財務省・国税庁の発表に注目が必要です。2026〜2027年の取引は現行の総合課税(最大55%)が引き続き適用されます。
- 個人事業主は2028年以降、事業所得と暗号資産の利益は合算されますか?
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2028年以降の申告分離課税移行後は、対象となる特定暗号資産の利益は事業所得とは別に20.315%で分離課税されるため、事業所得との合算はなくなります。ただし現在(2026〜2027年)は従来通り雑所得(総合課税)として事業所得と合算されます。年収が高い個人事業主ほど、2028年以降の節税効果が大きくなります。
暗号資産 分離課税 2026まとめ:個人事業主が今すぐやるべきこと
「分離課税になった」という誤解を解消し、2026年・2027年の暗号資産利益は従来どおり雑所得として総合課税で申告することを再確認してください。申告を怠ると無申告加算税の対象になります。
年収(事業所得)が400万円以上の場合、現行の総合課税より2028年以降の分離課税20%のほうが税負担が10%以上低くなります。ただし2年間の保有リスクも十分考慮した上で判断してください。
MFクラウド確定申告で取引所連携を設定して月次記帳を習慣化。含み損があれば年内に損失確定して同年の利益と相殺。これが2028年の分離課税移行を最大限活かす準備になります。
どの銘柄が「特定暗号資産」になるかは2027年末頃に正式決定されます。保有銘柄が対象かどうかを確認してから2028年以降の売却戦略を最終決定しましょう。国税庁・金融庁の公式発表を随時確認してください。



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この記事の監修
公認会計士試験合格者が在籍。税務・会計の実務経験に基づき、正確な情報提供を心がけています。
公認会計士試験合格者在籍、Big4監査法人・税理士法人での実務経験、財務省勤務経験
免責事項
本記事の内容は情報提供を目的としたものであり、特定の税務判断を推奨するものではありません。具体的な税務・会計の判断については、必ず税理士・公認会計士等の専門家にご相談ください。記事の内容は執筆時点の法令・制度に基づいています。令和8年度税制改正に関する情報は大綱段階のものを含んでおり、法令確定後に内容が変更される場合があります。本記事にはアフィリエイトリンクが含まれています。


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