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【2027年確定申告】個人事業主の経費一覧|認められる経費・認められない経費を勘定科目別に完全解説

個人事業主やフリーランスにとって、「何が経費として認められるのか」は確定申告の最重要テーマの一つです。経費を正しく計上すれば節税につながりますが、認められない支出を経費にしてしまうと税務調査で指摘を受けるリスクがあります。

この記事では、2027年(令和9年)分の確定申告に対応し、個人事業主が経費にできるもの・できないものを勘定科目別に完全解説します。家事按分の計算方法やレシートがない場合の対処法など、実務に役立つ情報も網羅しています。

目次

経費の基本ルール:必要経費とは

所得税法上、必要経費とは「事業の遂行に直接必要な支出」のことです。経費として認められるには、以下の3つの条件を満たす必要があります。

  • 事業との関連性:事業の売上を得るために必要な支出であること
  • 通常性・必要性:その事業を営む上で通常必要と認められる支出であること
  • 証拠書類の保存:領収書・レシート・請求書などの証拠書類を保存していること

逆に言えば、「事業と関係のない個人的な支出」は経費として認められません。この線引きを正しく理解することが、適正な確定申告の第一歩です。

勘定科目別|認められる経費の完全一覧

確定申告で使用する主な勘定科目と、各科目に該当する経費の具体例を一覧にまとめました。

1. 租税公課

事業に関連する税金や公的な負担金です。

  • 個人事業税
  • 固定資産税(事業用資産分)
  • 自動車税・軽自動車税(事業用車両分)
  • 不動産取得税(事業用不動産)
  • 登録免許税
  • 印紙税(収入印紙代)
  • 消費税(税込経理の場合の納付額)
  • 商工会議所の会費

注意:所得税、住民税、延滞税、加算税、罰金は経費になりません。

2. 荷造運賃

  • 商品の梱包資材(段ボール、緩衝材、テープ)
  • 宅配便・郵便の送料
  • 商品の配送料

3. 水道光熱費

  • 電気代(事業使用分)
  • ガス代(事業使用分)
  • 水道代(事業使用分)
  • 灯油代(事務所の暖房用)

自宅兼事務所の場合は家事按分が必要です(後述)。

4. 旅費交通費

  • 電車・バスの運賃(ICカード明細で代用可)
  • タクシー代(領収書必須)
  • 飛行機代(出張の場合)
  • 高速道路料金・有料道路代
  • 駐車場代(コインパーキング含む)
  • 出張時の宿泊費
  • 出張日当(規程がある場合)

ポイント:通勤費は個人事業主の場合は「旅費交通費」に含めます。ただし自宅兼事務所の場合は通勤自体が発生しないため注意が必要です。

5. 通信費

  • 携帯電話料金(事業使用分)
  • 固定電話料金
  • インターネット回線料金
  • プロバイダ料金
  • 切手・はがき代
  • レンタルサーバー代
  • ドメイン取得・更新費用
  • FAX送信料

6. 広告宣伝費

  • Google広告・SNS広告などのWeb広告費
  • チラシ・パンフレットの印刷費
  • 名刺の作成費用
  • 看板・のぼりの製作費
  • ウェブサイト制作費(外注の場合)
  • ノベルティグッズの製作費
  • 求人広告費

7. 接待交際費

  • 取引先との飲食代
  • お中元・お歳暮などの贈答品
  • 慶弔費(取引先への香典・祝儀)
  • 取引先とのゴルフ代
  • 接待目的のイベント・会食費用

注意:個人事業主の接待交際費には法人のような損金算入限度額はありませんが、事業との関連性を説明できることが重要です。私的な飲食を経費にすると税務調査で否認されます。

8. 損害保険料

  • 事務所・店舗の火災保険料
  • 事業用車両の自動車保険料
  • 賠償責任保険料(PL保険など)
  • 労災保険料(事業主負担分)

9. 修繕費

  • 事務所・店舗の修理代
  • 事業用機器の修理・メンテナンス費
  • 事業用車両の修理代
  • ソフトウェアのアップデート費用

注意:修繕が資産価値を高める「資本的支出」に該当する場合は、修繕費ではなく固定資産として減価償却する必要があります。

10. 消耗品費

  • 文房具(ペン、ノート、付箋など)
  • コピー用紙、プリンターインク
  • USBメモリ、SDカード
  • 事務用品(ファイル、クリアホルダーなど)
  • 10万円未満のPC周辺機器(マウス、キーボード、モニターなど)
  • 10万円未満の家具(デスク、椅子など)
  • ソフトウェア(10万円未満 or サブスク型)
  • 書籍・参考書(事業に関連するもの)

11. 減価償却費

  • パソコン(10万円以上)
  • プリンター・複合機(10万円以上)
  • 事業用自動車
  • 事務所の内装工事
  • 高額なソフトウェア
  • カメラ・映像機器

青色申告者は30万円未満の資産を一括経費にできる特例があります(少額減価償却資産の特例、年間300万円まで)。

12. 外注工賃

  • 業務委託費(デザイン、ライティング、プログラミングなど)
  • 税理士・社労士への報酬
  • 弁護士への相談料・報酬
  • 清掃業者への支払い
  • 運送業者への委託費

13. 地代家賃

  • 事務所・店舗の賃料
  • 月極駐車場代
  • 倉庫・トランクルームの賃料
  • コワーキングスペースの月額会費
  • バーチャルオフィスの利用料

14. 給料賃金

  • 従業員への給与・賞与
  • パート・アルバイトへの給与
  • 通勤手当
  • 残業手当

15. その他の経費

  • 新聞図書費:事業関連の新聞・雑誌・書籍・電子書籍
  • 研修費:セミナー参加費、オンライン講座受講料
  • 諸会費:業界団体の会費、同業者組合費
  • 支払手数料:振込手数料、クレジットカード決済手数料
  • 車両費:ガソリン代、車検代、オイル交換代
  • リース料:コピー機・複合機のリース代
  • クラウドサービス利用料:会計ソフト、プロジェクト管理ツール、ストレージなど

認められない経費の一覧

以下の支出は、いかなる場合も経費として認められません。

税金関連

  • 所得税・復興特別所得税
  • 住民税(都道府県民税・市区町村民税)
  • 延滞税・加算税・重加算税
  • 罰金・科料・過料

個人的な支出

  • 個人の生活費(食費、日用品、衣服など)
  • 個人の医療費(医療費控除で別途申告可能)
  • 個人の趣味・娯楽費用
  • 個人の保険料(生命保険料控除で別途申告可能)
  • 住宅ローンの返済元本
  • 事業主自身への給与

社会保険料等

  • 国民健康保険料(社会保険料控除で別途申告)
  • 国民年金保険料(社会保険料控除で別途申告)
  • 小規模企業共済掛金(小規模企業共済等掛金控除で別途申告)
  • iDeCo掛金(小規模企業共済等掛金控除で別途申告)

ポイント:上記の社会保険料等は経費にはなりませんが、「所得控除」として別途申告することで節税効果を得られます。経費と所得控除は計算の段階が異なるだけで、どちらも最終的な税額を減らす効果があります。

家事按分の計算方法

自宅兼事務所で事業を行っている場合、家賃や水道光熱費などは「事業使用分」と「私的使用分」に按分する必要があります。これを家事按分(かじあんぶん)と呼びます。

家事按分の主な基準

  • 面積基準:事業用スペースの面積 ÷ 住居全体の面積(家賃、固定資産税に適用)
  • 時間基準:事業に使用する時間 ÷ 1日の総時間(水道光熱費、通信費に適用)
  • 使用量基準:事業での使用量 ÷ 全体の使用量(ガソリン代、通信費に適用)

家事按分の具体例

例1:家賃の按分

  • 住居全体の面積:60平方メートル
  • 事業用スペース:15平方メートル(書斎兼仕事部屋)
  • 按分割合:15 ÷ 60 = 25%
  • 月額家賃10万円の場合の経費:10万円 × 25% = 2.5万円/月

例2:電気代の按分

  • 1日の作業時間:8時間
  • 按分割合:8 ÷ 24 = 約33%
  • 月額電気代1.5万円の場合の経費:1.5万円 × 33% = 約5,000円/月

例3:携帯電話料金の按分

  • 通話明細から事業用通話を集計するか、使用時間で按分
  • 事業使用割合:50%(仕事とプライベート半々の場合)
  • 月額8,000円の場合の経費:8,000円 × 50% = 4,000円/月

重要:按分割合は合理的な根拠に基づいて決定し、計算の根拠を書面で記録しておくことが大切です。税務調査の際に説明を求められることがあります。

領収書・レシートがない場合の対処法

経費の証拠として最も重要なのは領収書やレシートですが、紛失したり受け取れなかったりするケースもあります。その場合の対処法を紹介します。

代替手段

  • クレジットカードの利用明細:支払いの証拠として有効
  • 銀行口座の取引明細:振込による支払いの証拠
  • 出金伝票:領収書がない場合に自分で作成。日付・支払先・金額・用途を記入
  • メール・チャットの記録:取引の事実を裏付ける補助的な証拠
  • ICカードの利用履歴:交通費の証拠として有効(Suica/PASMO等)

ベストプラクティス:クラウド会計ソフトのレシート撮影機能を活用すれば、スマホで撮影するだけでデジタル保存が完了します。電子帳簿保存法にも対応しているため、紙の領収書を紛失するリスクを大幅に軽減できます。

税務調査で指摘されやすいポイント

経費の計上で税務調査時に指摘されやすいポイントを把握しておきましょう。

1. 接待交際費の私的利用

友人や家族との飲食を接待交際費として計上するケースは、最も指摘されやすい項目の一つです。領収書の裏面に「相手先名・人数・目的」をメモしておくことが有効です。

2. 家事按分の割合が不合理

自宅兼事務所の経費で、事業使用割合を過大に設定しているケースです。合理的な基準と計算根拠を説明できるようにしておきましょう。

3. 売上の計上漏れ

12月の売上で翌年1月に入金されるもの(売掛金)の計上漏れは頻繁に指摘されます。発生主義に基づき、仕事を完了した時点で売上を計上してください。

4. 個人的な支出の混入

事業用と個人用を明確に分けていない口座やクレジットカードの場合、個人的な支出が経費に混入するリスクがあります。事業用口座・カードを分けることをおすすめします。

経費管理を効率化するクラウド会計ソフト

経費の記帳・管理には、クラウド会計ソフトの活用が非常に効果的です。銀行口座やクレジットカードとの自動連携により、経費の入力作業を大幅に削減できます。

  • 自動仕訳:AIが取引内容から勘定科目を自動判定
  • レシート撮影:スマホカメラで撮影するだけで経費を記録
  • 家事按分の自動計算:按分割合を一度設定すれば自動計算
  • 確定申告書類の自動作成:経費データから決算書・申告書を生成

よくある質問(FAQ)

Q1. スーツや洋服は経費にできますか?

原則として、通常のスーツや洋服は経費にできません。プライベートでも着用できるため「事業専用」と認められにくいためです。ただし、作業着・制服・コスチュームなど、事業でしか使用しない特殊な衣服は経費として認められる場合があります。

Q2. 自宅の住宅ローンは経費にできますか?

住宅ローンの返済額のうち、利息部分のみが事業使用割合に応じて経費にできます。元本返済部分は経費にはなりません。例えば、住宅ローンの月々の利息が3万円、事業使用割合が30%の場合、月9,000円が経費になります。なお、住宅ローン控除との併用には注意が必要で、事業使用割合が50%を超えると住宅ローン控除が適用されなくなります。

Q3. 開業前にかかった費用は経費にできますか?

はい、開業前にかかった費用は「開業費」として計上できます。具体的には、事業の準備のために支出した研修費、調査費、打合せの交通費、名刺・チラシの作成費などが該当します。開業費は「繰延資産」として計上し、開業後に任意のタイミングで経費化(任意償却)できます。赤字の年は温存し、黒字の年に一括で経費にするなど、節税に活用できる柔軟な仕組みです。

Q4. 食事代はどこまで経費にできますか?

事業主一人での食事は原則経費にできません。ただし、以下のケースは経費として認められます。

  • 取引先との会食・接待(接待交際費)
  • 出張時の食事代(旅費交通費の一部として、社内規程がある場合)
  • 従業員との会議時の弁当代(会議費・福利厚生費)
  • 深夜残業時の食事代(福利厚生費、従業員がいる場合)

Q5. クラウド会計ソフトの利用料は経費にできますか?

はい、クラウド会計ソフトの利用料は「通信費」または「消耗品費」として経費にできます。freeeやマネーフォワードなどのサブスクリプション料金はもちろん、税理士への相談料も「外注工賃」や「支払手数料」として経費になります。

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まとめ

個人事業主の確定申告における経費は、「事業の遂行に直接必要な支出」が原則です。勘定科目ごとに認められる経費を正しく理解し、適切に計上することで、合法的な節税が実現できます。

特に重要なポイントは以下の3つです。

  • 事業との関連性を常に意識し、私的な支出と明確に分ける
  • 家事按分は合理的な基準で計算し、根拠を記録しておく
  • 領収書・レシートを確実に保存する(電子保存も活用)

クラウド会計ソフトを活用すれば、経費の記帳から確定申告書類の作成まで効率的に行えます。正確な経費管理で、適正かつ最大限の節税を実現しましょう。

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免責事項

本記事は2027年の確定申告に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の税務アドバイスを提供するものではありません。経費として認められるかどうかは個々の状況により異なります。個別の税務判断については、税理士等の専門家にご相談ください。税制は毎年改正される可能性があるため、最新の情報は国税庁のウェブサイトまたは最寄りの税務署でご確認ください。

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