目次
この記事で分かること
- 個人事業主から法人化すると税金は本当に安くなる?
- 法人税と所得税の関係:実際の手取り額はどう変わる?
- 個人事業主のまま続けるべき人と法人化すべき人の判断基準

個人事業主から法人にすれば税金が安くなるって本当ですか?フリーランスですが、法人化を考えています。



それは多くの人が持つ大きな誤解やで!手取りを増やすだけが目的なら、個人事業主から法人化してもほぼ節税メリットはないねん。なぜそうなるか理由を見てみよう!
1. 個人事業主vs法人:税金の落とし穴



法人税率は約33.58%で一定なのに対し、個人事業主の所得税は最大45%と高くなります。なぜ法人化すると節税にならないんですか?



ここに法人化の落とし穴があるねん!法人の利益から自分がお金を受け取る時に役員報酬として支払うと、そこにまた個人の所得税・住民税がかかるんや!これが多くの個人事業主が見落とす二重課税の仕組みや!
二重課税の仕組み
- 会社の利益には法人税(約33.58%)がかかる
- 役員報酬を受け取ると所得税(5~45%)と住民税(約10%)がかかる
2. 個人事業主と法人:収入別の手取り比較
年間収入 | 個人事業主の手取り | 法人(全額役員報酬)の手取り | 差額 |
---|---|---|---|
500万円 | 約385万円 | 約380万円 | 個人事業主が有利 |
1,000万円 | 約700万円 | 約705万円 | ほぼ同じ |
2,000万円 | 約1,250万円 | 約1,300万円 | 法人が有利 |



個人事業主と法人の税金を比較すると、年収900万円を超えると法人が有利になってくるけど、その差は少ないねん。法人設立費用や維持費を考えると、単に手取りを増やすだけなら個人事業主から法人化するメリットは限られるわ。



じゃあ、どんな場合に個人事業主から法人化するメリットがあるんですか?
3. 個人事業主と法人化:メリット・デメリット比較
- 内部留保できる(個人事業主はできない)
- 家族への所得分散が可能
- 社会的信用度が上がる
- 法人名義で資産運用ができる



個人事業主と比べて法人にはメリットもデメリットもあるんですね。税金以外の面も考慮すべきなんですね。



そうや!個人事業主から法人化が本当に意味を持つケースを見てみよう!
4. 個人事業主より法人化が有利になる3つのケース
①親族への所得分散



個人事業主では難しいけど、法人なら家族を役員や従業員にして給与を払えるから、家族全体の税負担を減らせるんや!これは個人事業主にはない法人の強みやね。
注意
役員報酬は実際の業務内容に見合った「相当な金額」である必要があります。個人事業主から法人化する際は税務署の目も厳しくなりますので注意が必要です。
②内部留保による資金蓄積



個人事業主と違って、法人なら会社の利益を全部使わずに会社内に残せるんや。高所得なら法人税率の方が個人事業主が払う所得税率より低いから、長期的な資金蓄積に有利やねん!
③資産運用のための器



個人事業主より法人で不動産投資や株式投資するとこんなメリットがあるで!
- 投資関連の経費を個人事業主より広く法人の経費に計上可能
- 損失の繰越期間:個人事業主3年→法人10年
- 法人税率が個人事業主の最高税率より低い
5. 個人事業主と法人:どちらが自分に合っている?
法人化が向いている人
- 所得が900万円を超えており、かつ長期的な視点で資産形成を考えている個人事業主
- 配偶者や子どもなど、家族に所得分散を図りたい人
- 個人事業主の利益をすぐに使わず、内部留保として蓄積し将来の投資に備えたい人
- 不動産投資や株式投資など、法人としての資産運用に取り組みたい人
- 個人事業主より社会的信用度を高め、融資を受けやすくしたい人
個人事業主のままでいい人
- 所得が900万円未満で、税率面でのメリットがあまり見込めない人
- 個人事業主の毎年の利益をすべて生活費に充てており、内部留保の必要性がない人
- 家族に役員報酬を支払う予定がない個人事業主
- 個人事業主から法人化して会計処理や事務手続きの負担を増やしたくない人
- 事業規模の拡大や長期的な資産形成よりも、今の収入を最大化したい人
- 個人事業主が法人化するタイミングはいつがベスト?
-
①年間所得が900万円を超えたとき、②事業が安定して継続見込みがあるとき、③事業拡大のための資金調達が必要なとき、が個人事業主から法人化する適切なタイミングです。
- 個人事業主から法人化する費用はいくら?
-
初期費用:約20~50万円(自分で手続き/専門家依頼)
年間維持費:約20~50万円(税理士報酬、決算費用など)がかかります。個人事業主より2~3倍の費用負担になると考えておきましょう。 - 個人事業主と法人、節税するならどっちがいい?
-
年収900万円未満なら個人事業主のまま青色申告特別控除(65万円)を活用する方が節税効果は高いでしょう。年収900万円以上で、特に2,000万円を超える場合は法人化して役員報酬を調整したり内部留保を活用する方が節税効果が期待できます。
まとめ:個人事業主と法人化の判断ステップ
STEP
年収の確認
個人事業主の年間所得が900万円を超えているか
STEP
目的の明確化
内部留保・所得分散・資産運用のいずれかが必要か
STEP
専門家に相談
税理士に個人事業主と法人の税金シミュレーションを依頼
重要ポイント
単に手取りを増やすだけなら個人事業主から法人化するメリットは限定的です。長期的な事業戦略や資産形成の視点で個人事業主と法人のどちらが有利か判断しましょう。



今日の個人事業主と法人の税金講座は終わり!またきてな!
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