固定資産税は、土地や建物を所有している方に毎年課される地方税です。個人事業主にとっては、事業用資産にかかる固定資産税は経費として計上できるため、正しい理解が節税につながります。
本記事では、2026年時点の最新情報に基づき、固定資産税の基本的な仕組みから計算方法、事業用資産の経費計上方法、償却資産税の申告、そして固定資産税の負担を軽減する方法まで詳しく解説します。
固定資産税の基本|課税対象と納税義務者
固定資産税は、市区町村が課す地方税で、毎年1月1日時点の固定資産の所有者に課税されます。
課税対象となる固定資産
- 土地:宅地、田畑、山林、雑種地など
- 家屋:住宅、店舗、事務所、倉庫、工場など
- 償却資産:事業用の機械・器具・備品・構築物など
1月1日時点の所有者が納税義務者です。年の途中で売却しても、その年の固定資産税は1月1日時点の所有者に課税されます。
固定資産税の計算方法
固定資産税額 = 課税標準額 × 税率(標準税率1.4%)
課税標準額とは
課税標準額は、原則として市区町村が定める「固定資産税評価額」です。3年ごとに見直される「評価替え」によって更新されます。
- 土地:公示地価の約70%を目安に評価。住宅用地には軽減措置あり
- 家屋:再建築価格を基準に経年減価を加味して評価
- 償却資産:取得価額を基準に減価率を適用して評価
住宅用地の軽減措置
- 小規模住宅用地(200平米以下):課税標準額が評価額の6分の1
- 一般住宅用地(200平米超):課税標準額が評価額の3分の1
計算の具体例
土地:固定資産税評価額2,000万円(150平米・小規模住宅用地)、建物:評価額1,000万円の場合:
- 土地の課税標準額:2,000万円 × 1/6 = 約333万円
- 土地の固定資産税:333万円 × 1.4% = 46,620円
- 建物の固定資産税:1,000万円 × 1.4% = 140,000円
- 固定資産税合計:186,620円
※都市計画税(税率0.3%)が別途かかる場合もあります。
固定資産税の経費計上方法(個人事業主向け)
事業用資産の固定資産税は全額経費
事業専用で使用する土地・建物・償却資産にかかる固定資産税は、「租税公課」として全額を経費に計上できます。
自宅兼事務所の場合は家事按分
自宅の一部を事務所として使用している場合、固定資産税は事業使用割合に応じて経費計上します。按分方法は面積按分(事務所面積 ÷ 全体面積)または時間按分が一般的です。
固定資産税186,620円のうち事業使用割合30%の場合の仕訳:借方:租税公課 55,986円 / 貸方:普通預金 55,986円
経費計上のタイミング
- 賦課決定日に全額計上
- 各納期の開始日に各期分を計上
- 実際の納付日に支払った分を計上
いずれの方法でも認められますが、一度選択した方法は継続適用が必要です。
償却資産税の申告
事業用の機械、器具、備品などの償却資産にも固定資産税がかかります。土地や家屋と異なり、所有者が毎年1月31日までに市区町村に申告する必要があります。
申告対象となる償却資産
- 事業用のパソコン(取得価額10万円以上)
- 事業用の机・椅子・書棚などの什器備品
- 事業用のエアコン・照明などの設備
- 看板、舗装路面、フェンスなどの構築物
免税点
償却資産の課税標準額の合計が150万円未満の場合は、償却資産税は課税されません。ただし、申告義務は原則として必要です。
固定資産税の納付時期と方法
固定資産税の納期は市区町村によって異なりますが、一般的には年4回(4〜6月、7〜9月、12〜翌1月、翌2〜3月)です。一括納付も可能で、口座振替・コンビニ払い・クレジットカード払い・スマホ決済に対応する自治体も増えています。
固定資産税の節税対策4選
1. 住宅用地の軽減措置を確実に適用する
住宅が建っている土地は固定資産税が最大6分の1に軽減されます。空き家を取り壊すと軽減措置がなくなるため注意が必要です。ただし、特定空家等に認定された場合は軽減措置が適用除外となります。
2. 新築住宅の減額措置を活用する
新築住宅は一定の要件を満たせば3年間(マンションは5年間)、建物の固定資産税が2分の1に減額されます。長期優良住宅は5年間(マンションは7年間)に延長されます。
3. 少額減価償却資産の特例を活用する
取得価額30万円未満の減価償却資産は一括経費計上が可能です(年間300万円まで)。一方、取得価額20万円未満の資産を「一括償却資産」として3年均等償却すれば、償却資産税の申告対象外となります。
4. 固定資産税評価額の見直しを請求する
固定資産税評価額に疑問がある場合は、固定資産課税台帳を閲覧して確認できます。評価額に不服がある場合は、評価替えの年度に「固定資産評価審査委員会」に審査の申出を行うことも可能です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 固定資産税は所得税の確定申告で経費にできますか?
はい。事業用資産にかかる固定資産税は「租税公課」として必要経費に算入できます。自宅兼事務所の場合は、事業使用割合に応じて按分した金額が経費となります。純粋に個人の住居用の固定資産税は経費にはできません。
Q2. マンションの固定資産税はどのように計算されますか?
マンションの場合、土地は敷地全体の評価額を持分割合で按分して各区分所有者に課税されます。建物は各区分所有者の専有部分の評価額に課税されます。マンションは土地の持分が小さいため一戸建てに比べて土地分の固定資産税は低くなりますが、RC造のため建物の経年減価が緩やかです。
Q3. 固定資産税を滞納するとどうなりますか?
納期限を過ぎると延滞金が発生します。長期間滞納すると、督促状→催告→差押予告→財産差押えの流れで滞納処分が行われます。納付が困難な場合は、早めに市区町村の納税窓口に相談しましょう。分割納付や猶予制度が利用できる場合があります。
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本記事は2026年3月時点の税制・法令に基づいて作成しています。税制は毎年改正される可能性があるため、最新の情報は国税庁のホームページや税務署、税理士にご確認ください。本記事の内容に基づく判断・行動により生じた損害について、当サイトは一切の責任を負いません。個別の税務相談については、必ず税理士等の専門家にご相談ください。
