- マネーフォワードクラウドを導入すべきか判断したい
- クラウド会計ソフトのメリット・デメリットが知りたい
- マネーフォワードと他の会計ソフトとの違いは?
「マネーフォワードクラウド会計って便利そうだけど、本当に導入する価値があるのかな?」「うちの会社の規模でも合うのかな?」
そんな疑問をお持ちの経営者や経理担当者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、現役の会計士として多くの企業の導入支援をしてきた経験から、マネーフォワードクラウド会計のメリットとデメリットを包み隠さず解説します。




マネーフォワードクラウド導入の5大メリット
1. 入力・仕訳作業の大幅な自動化
マネーフォワードクラウド会計の最大の魅力は、入力・仕訳作業の自動化にあります。ネットバンキングやクレジットカードなどのデータを自動で取得して、仕訳の形に反映させる機能により、膨大な取引の大部分を自動化できるため、かなりの効率化につながります。
具体的には、以下の機能により入力作業が大幅に削減されます。
- AI仕訳提案機能 – 明細の内容をもとにAIが自動で勘定科目を提案します。経理知識が少ない方でも適切な勘定科目を選択できます。
- 自動仕訳ルール機能 – 過去の取引データを学習し、「摘要」に記載されるワードと勘定科目をセットで記憶させ、同様のデータが取り込まれると自動提案します。
- 部分一致機能 – 「4月分水道料金」「5月分水道料金」など、表記が少し違う同種の取引も自動で認識します。








この自動化により、経理担当者の作業時間は大幅に削減され、本来の経営分析などの付加価値の高い業務に時間を割くことができるようになります。
2. リアルタイムな財務状況の把握
マネーフォワードクラウド会計のもう一つの大きなメリットは、リアルタイムで財務状況を把握できることです。日々の仕訳データをもとに、決算書が自動で作成されます。他にも、キャッシュフローレポートや収益レポートなど、経営に役立つ幅広い帳票やレポートの作成に対応しているので、リアルタイムで経営情報を把握することが可能です。
こうしたリアルタイム性には具体的に以下のようなメリットがあります。
- 経営判断の迅速化 – 問題の早期発見やそれに対する迅速な対応が可能になります。資金繰りの予測や月次の利益率の変動をすぐに確認できます。
- キャッシュフロー管理の強化 – 入出金の推移を日・週・月・年などの単位で棒グラフで比較でき、資金繰りの見通しが立てやすくなります。
- 財務指標の可視化 – 「財務指標(β)」にて経済産業省の「ローカルベンチマーク」の6つの指標を一目で確認可能です。


3. データバックアップの不要性とセキュリティ強化
従来のインストール型会計ソフトでは、データ消失を防ぐために定期的なバックアップ作業が必須でした。クラウド型のマネーフォワードなら、データは常にクラウド上に保存され、自動的にバックアップされるため、この作業から解放されます。
- PCの故障・紛失時も安心 – 急なトラブルで電源が落ちたり、PCが故障しても会計データが失われません。
- 場所を選ばない利用 – WindowsやMac、タブレットでも利用可能。インターネット環境があれば、出張先やリモートワーク時でも同じデータにアクセスできます。
セキュリティ面でも高い信頼性があります。
- 金融機関レベルの暗号化 – 金融機関と同じ水準でデータを保護し、全ての情報は暗号化して保存されています。
- プライバシーマーク取得 – 個人情報保護の運用や体制が十分と認められた証です。
- 不正アクセス対策 – ファイアウォールの設置や定期的な監視で外部からの不正アクセスを防いでいます。






4. 税理士との連携強化・情報共有の迅速化
マネーフォワードクラウド会計の大きなメリットは、税理士との情報共有が容易になり、連携が強化される点です。
- リアルタイムでの情報共有 – 最新のデータを事業者と税理士が同時進行で確認できます。
- 書類のやり取りが不要 – 税理士とデータを共有するので、通帳のコピーやレシートなどを郵送したり持参したりする手間が省けます。
- 迅速な月次決算・年次決算 – クラウド上でのデータ共有により、迅速な決算処理が可能になります。
ります。


5. コスト削減と業務効率化
マネーフォワードクラウド会計の導入によるコスト削減と業務効率化も重要なメリットです。
取引入力と仕訳の自動化で作業時間を大幅削減し、これまで時間がかかっていた会計業務を効率化します。これにより、以下のような効果が期待できます:
- 経理担当者の作業時間削減 – データ入力や仕訳作業が自動化されることで、経理担当者の作業時間が大幅に削減されます。
- 複数人での同時作業が可能 – 複数人で同時に作業もできることから、業務の分担や確認作業がスムーズになります。
- サービス連携による業務効率化 – クレジットカードやインターネットバンク、POSレジなど2,300以上の金融関連サービスとの連携が可能です。
- 人件費削減 – 自動化によって業務時間が短縮され、人件費の削減につながります。
特に、API連携によるデータの自動取得・仕訳機能はかなりの時短になります。







昔みたいに仕訳の日付や金額を手動で入れる作業は、カードと通帳に関しては一切なくなるから、大分コスト削減になるで!!
マネーフォワードクラウド導入における留意点(デメリット)
ここまでマネーフォワードクラウド会計の様々なメリットを紹介してきましたが、導入を検討する際には以下のようなデメリットや注意点も考慮する必要があります。
1. ランニングコストの発生
従来のインストール型会計ソフトは一度購入すれば基本的に追加費用がかかりませんでしたが、クラウド型は月額または年額の利用料が継続的に発生します。
- 料金プランの確認が必要 – スモールビジネスプランとビジネスプランの違いや、月額と年額の差など、料金体系をしっかり理解しておく必要があります。
- ユーザー数に応じた追加費用 – ビジネスプランは4名以上で利用する場合は月 300円/名が発生します。
投資対効果を考えることが重要です。確かに月額費用がかかりますが、業務効率化による時間削減効果や人件費削減効果を考えれば、十分に投資価値があります。月額3,000円程度からの少額プランも用意されており、年額契約にすることで割引も適用されます。
また、キャンペーン期間中に申し込むと1年間実質無料で利用できるプランもあります。IT導入補助金の対象にもなっているので、導入コストを抑えることが可能です。



通帳を時給1,500円の人が手動で入力して2時間かかるとしたら、月額3,000円なんてすぐ回収できるとワイは思うで。
2. インターネット環境への依存
クラウド型の特性上、インターネット環境が必須となります。インターネット回線が切れてしまうと、一時的に業務ができなくなります。
- 通信障害時のリスク – インターネット接続が不安定な環境では、業務に支障をきたす可能性があります。
- システムメンテナンス時の利用制限 – 確定申告期限近くになると、アクティブユーザーの増加から動作が重くなることがあります。
安定したインターネット環境を確保することが重要です。また、重要な処理を行う前には、マネーフォワードの定期メンテナンス情報(毎週火曜・金曜の午前2:00~4:00に実施される場合があります)を確認しておくとよいでしょう。
確定申告期限前などの繁忙期には、余裕を持ったスケジュールで作業を進めることをおすすめします。



3. 自動仕訳精度の問題
AIによる自動仕訳機能は便利ですが、完璧ではありません。特に導入初期は思ったような精度が出ないことがあります。
- 初期段階での精度不足 – 使い始めの頃は、自分で修正することが多くなる可能性があります。
- 学習に時間がかかる – AIが学習するまでに時間がかかるため、すぐに効果を実感できない場合もあります。
マネーフォワードクラウド会計のAIは使えば使うほど賢くなり、仕訳の精度が向上します。最初は手動で修正する作業が発生することを想定し、徐々に自動化していく心構えが必要です。
また、自動仕訳ルールを活用することで、特定の取引パターンを登録し、AIの精度を高めることができます。部分一致機能を活用すれば、表記が少し違う同種の取引も自動で処理できるようになります。
4. 導入・移行の手間
既存の会計ソフトからの乗り換えや、新規導入には一定の手間がかかります。
- 初期設定の複雑さ – 従業員や税理士がツールを使いこなせるようになるまで時間がかかる場合があります。
- データ移行の手間 – 他の会計ソフトからの移行時には、データの互換性の問題が生じることがあります。
マネーフォワードでは「データ移行の代行サービス」を提供しているため、他の会計ソフトからの移行もスムーズに行うことができます。対象となる移行元ソフトは、ExcelやJDL、弥生、勘定奉行、freee、PCAなど多岐にわたります。
また、操作方法の習得には、チャットやメールサポートを活用することをおすすめします。マネーフォワードの公式サイトには使い方ガイドも充実しています。
「面倒なのは最初の導入だけ」なのが基本です。



このあたりは、ワイらみたいなクラウド会計導入支援をしている会社や、税理士に任せたらええと思うで。
マネーフォワードと他社会計ソフトとの比較
マネーフォワードクラウド会計と主要な競合ソフトである「freee」や「弥生会計」との違いについても簡単に触れておきます。
マネーフォワードとfreeeの違い
項目 | マネーフォワード | freee |
連携サービス数 | 2,300以上 | 約2,000 |
対象ユーザー | 会計知識を持つ人向け | 会計初心者向け |
料金(税込) | スモールビジネス:3,980円/月 ビジネス:5,980円/月 | ミニマム:2,178円/月 ベーシック:4,378円/月 |



マネーフォワードは2025年6月から値上げやから値上げ後の料金を書いとるで!!
マネーフォワードと弥生会計の違い
項目 | マネーフォワード | 弥生会計 |
形態 | 完全クラウド型 | インストール型 |
自動化の程度 | AIによる自動仕訳が強み | 従来型の会計ソフトに近い操作感 |
他サービス連携 | 請求書や経費、給与などと連携 | 弥生シリーズ内での連携が中心 |






導入事例:作業時間が半分以下に
当事務所のクライアント企業Aでは、マネーフォワードクラウド会計を導入した結果、以下のような効果がありました。
項目 | 項目 | 項目 | 削減率 |
---|---|---|---|
月次仕訳入力時間 | 20時間/月 | 8時間/月 | 60%減 |
決算準備期間 | 2週間 | 5日 | 64%減 |
税理士とのやり取り | 書類郵送・訪問 | オンライン共有 | – |
経理担当者の負担感 | 高い | 低い | – |
特に効果が大きかったのは、銀行取引やクレジットカード取引の自動取得機能です。以前は入出金明細を一つ一つ手入力していましたが、マネーフォワードクラウド導入後は自動で取り込まれるようになり、単純入力作業から解放されました。
また、税理士とのデータ共有がスムーズになり、決算準備の期間も大幅に短縮されました。経理担当者からは「もっと早く導入すればよかった」という声が聞かれています。
よくある質問
- マネーフォワードクラウド会計の無料お試し期間はありますか?
-
はい、1ヶ月間の無料トライアル期間があります。クレジットカード登録なしでお試しいただけるので、実際の使い勝手を確かめてから導入を決めることができます。トライアル期間中に自社の銀行口座やクレジットカードと連携させて、実際の取引データでテストすることをおすすめします。
- 既存の会計ソフトからデータを移行できますか?
-
可能です。Excel、弥生会計、勘定奉行、freee、JDL(IBEX会計)、PCAなど、多くの会計ソフトからのデータ移行に対応しています。また、マネーフォワードでは「データ移行の代行サービス」も提供しているので、移行作業にかかる負担を軽減できます。詳細は公式サイトの「移行おまかせ」サービスをご確認ください。
- どのような規模の企業に向いていますか?
-
マネーフォワードクラウド会計は、個人事業主から中小企業まで幅広く対応しています。スモールビジネスプランは小規模事業者向け、ビジネスプランは中規模以上の企業向けとなっています。
会計士からの総評:マネーフォワード導入すべき理由
メリットとデメリットを総合的に考慮すると、マネーフォワードクラウド会計は中小企業の経理DXに最適なツールだと言えます。確かにデメリットはありますが、それを上回るメリットが得られます。
会計士として多くの導入支援を行ってきた経験から言えることは、ほとんどの企業が「もっと早く導入すれば良かった」と感じているということです。特に以下のような企業には、マネーフォワードクラウド会計の導入をおすすめします。
- 経理業務の効率化を図りたい企業
- リモートワークを推進している企業
- 複数拠点での経理業務が発生する企業
- 税理士とのスムーズな連携を望む企業
- バックオフィス全体の業務効率化を目指す企業
ランニングコストは確かに発生しますが、税理士への資料提供がワンクリックになる利便性や、自動仕訳による作業時間の大幅削減を考えれば、十分に元が取れる投資だと言えるでしょう。また、複数の銀行口座やクレジットカードを持つ企業ほど、自動データ取得のメリットを強く実感できます。
まとめ:導入を決断する前に
経理業務の課題や非効率な点をリストアップしましょう。たとえば「データ入力に時間がかかる」「税理士とのやり取りが大変」「財務状況がリアルタイムで把握できない」など。
1ヶ月の無料トライアル期間を利用して、実際に使ってみましょう。自社の銀行口座やクレジットカードと連携させ、実データでテストすることをおすすめします。
顧問税理士がいる場合は、マネーフォワードクラウド会計の導入について相談しましょう。税理士がマネーフォワードに対応していない場合は、マネーフォワード公認税理士の紹介サービスも検討してみてください。
企業規模や利用人数、必要な機能に応じて、適切なプランを選びましょう。スモールビジネスプランとビジネスプランで迷う場合は、将来的な拡張性も考慮して選択することをおすすめします。
マネーフォワードクラウド会計は、入力・仕訳の自動化、リアルタイムな財務状況の把握、データバックアップの不要性、高いセキュリティ、税理士との連携強化、業務効率化によるコスト削減など、多くのメリットがあります。
一方で、月額料金がかかる点、インターネット環境に依存する点、自動仕訳の精度に課題がある点、導入・移行に手間がかかる点など、導入前に考慮すべきデメリットもあります。
これらのメリット・デメリットを理解した上で、自社にとってプラスが大きいと判断できれば、導入する価値は十分にあります。迷われている方は、1ヶ月の無料トライアル期間を利用して、実際に使ってみることをおすすめします。
会計ソフトの導入は、単なるツールの変更ではなく、業務プロセス全体の見直しの機会にもなります。マネーフォワードクラウド会計を上手に活用して、より効率的で戦略的な経営を実現しましょう。





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