- マネーフォワードで家事按分の記帳をどう進めればよいかわからない
- 家事按分の仕訳をマネーフォワードで効率的に記帳したい
- 家事按分の記帳方法で税務調査対策も考慮したい
- マネーフォワードでの家事按分記帳の具体的手順を知りたい




個人事業主にとって家事按分のマネーフォワード記帳は節税効果の高い重要な処理です。自宅兼事務所での家賃や光熱費、プライベートでも使用する車両の維持費など、事業とプライベートで共用している経費の家事按分記帳を適切に行うことで、合法的に税負担を軽減できます。
マネーフォワードを使った家事按分記帳の具体的方法から、実務家として推奨する記帳の実務ポイントまで、税務調査にも対応できる安全な記帳テクニックをお伝えします。
家事按分記帳とは?マネーフォワードで対応すべきケース
事業とプライベートで共用する支出
合理的基準で事業分を決定
プライベート分は事業主貸
家事按分記帳とは、事業とプライベートの両方で使用している支出を合理的な基準で分割し、事業分のみを経費として記帳する処理のことです。
個人事業主の場合、完全に事業専用の経費ばかりではありません。自宅を事務所として使ったり、プライベートの車を営業にも使ったりするケースが多く、これらの支出をすべて経費として記帳することは税務上認められていません。マネーフォワードでの適切な家事按分記帳が必要となります。
マネーフォワード記帳で家事按分が必要な経費の具体例
マネーフォワードでの家事按分記帳が必要となる主な経費は以下の通りです
住居関連費の家事按分記帳(マネーフォワード対応)
自宅の一部を事務所として使用している場合の記帳対象
- 家賃(賃貸の場合)・固定資産税(持ち家の場合)
- 電気代・ガス代・水道代の家事按分記帳
- 火災保険料・地震保険料
- 住宅ローンの利息(事業用部分のみ)
車両関連費の家事按分記帳(マネーフォワード活用法)
プライベートでも使用する車の事業按分記帳対象
- ガソリン代・高速道路料金の家事按分
- 自動車税・自動車重量税の記帳処理
- 自動車保険料・車検費用
- 駐車場代(月極駐車場など)
通信・IT関連費の家事按分記帳(マネーフォワード仕訳例)
プライベートでも利用する通信手段の記帳対象
- 携帯電話・スマートフォンの利用料金
- インターネット回線料金(光回線・Wi-Fi等)
- パソコン・タブレット購入費の家事按分
- 各種ソフトウェア・アプリ料金
家事按分記帳の税務上の根拠(マネーフォワード記帳での留意点)
マネーフォワードでの家事按分記帳は税務上、所得税基本通達45-2に基づいて行われます。この通達では「家事関連費のうち事業に直接必要な部分を明らかに区分できる場合には、その部分に相当する金額」のみを必要経費として記帳できるとされています。
45-2 令第96条第1号に規定する「主たる部分が不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務の遂行上必要」であるかどうかは、その支出する金額のうち当該業務の遂行上必要な部分が50%を超えるかどうかにより判定するものとする。ただし、当該必要な部分の金額が50%以下であっても、その必要である部分を明らかに区分することができる場合には、当該必要である部分に相当する金額を必要経費に算入して差し支えない。
マネーフォワード記帳での按分割合の決め方(合理的基準)
マネーフォワードでの家事按分記帳で税務調査で問題にならないためには、客観的で合理的な基準で按分割合を決めることが重要です。
按分基準 | 適用例 | マネーフォワード記帳での計算方法 |
面積按分 | 家賃・光熱費・保険料 | 事業使用面積 ÷ 総面積 |
時間按分 | 車両費・通信費 | 事業使用時間 ÷ 総使用時間 |
使用日数按分 | 車両費・パソコン代 | 事業使用日数 ÷ 年間使用日数 |
使用頻度按分 | 通信費・交通費 | 事業での使用回数 ÷ 総使用回数 |
実務経験上、自宅事務所の家事按分記帳の場合は 20%〜30%程度 の按分が一般的です。過度に高い按分率(70%を超えるような)はマネーフォワード記帳でも税務調査で指摘される可能性があります。



このような合理的な計算を行えない場合にはどうすればいいですか?



ええ質問やね!実務やと、問題がない割合(60%くらいならば半分)でざっくり家事按分することが多いで!
マネーフォワードでの家事按分記帳の具体的方法
マネーフォワードで家事按分記帳を処理する方法は主に2つあります。それぞれメリット・デメリットがあるので、あなたの事業規模や記帳スタイルに合わせて選択しましょう。
方法1. マネーフォワード記帳で事業主貸を使った振替仕訳
この方法は、一度全額を経費として記帳してから、プライベート使用分を「事業主貸」勘定で振り替えるマネーフォワード記帳方法です。証跡が残りやすく、税務調査の際に説明しやすいメリットがあります。
手動で仕訳を切らない方法もありますが、まずは概要の説明のため、手動で仕訳を切る方法から解説します。手動で計上しない方法は下記をご覧ください。
マネーフォワード記帳での具体的手順(初心者向け解説)
電気代30,000円の家事按分記帳の場合(事業使用割合30%と仮定)
- まず全額をマネーフォワードで経費として記帳
- 家事使用分(70%)を事業主貸で振替記帳
- 結果として事業分(30%)のみが経費記帳される
マネーフォワード記帳例:電気代30,000円の家事按分(事業30%、家事70%)
マネーフォワードでの家事使用分振替記帳(月末などに実施)




このマネーフォワード記帳方法のメリットは、支出の全体像が見えやすく、家事按分計算の根拠も明確に残ることです。
方法2. マネーフォワード記帳で按分額のみ計上する方法
こちらは 事前に家事按分計算を行い、事業分のみをマネーフォワードで記帳する 方法です。シンプルですが、計算根拠をメモなどで残しておく必要があります。
マネーフォワード記帳例:電気代30,000円のうち事業分30%のみ記帳


この家事按分記帳方法を使う場合は、マネーフォワードの「メモ」機能に按分計算の根拠を残しましょう。例:「電気代30,000円×30%(事務所面積按分)=9,000円」
マネーフォワード記帳でどちらの家事按分方法がよいか?
実務でよく使われるのは 方法1(事業主貸での振替記帳方式) です。マネーフォワード記帳での理由は以下の通りです。
比較項目 | 方法1(振替記帳方式) | 方法2(按分額記帳) |
証跡の明確さ | ◎ 全体の支出が見える | △ 計算根拠の記録が必要 |
税務調査対応 | ◎ 説明しやすい | ○ メモがあれば問題なし |
マネーフォワード入力の手間 | △ 仕訳が2回必要 | ◎ 1回の記帳で完了 |
家事按分の管理しやすさ | ◎ 家計簿的に把握可能 | △ 支出総額が見えにくい |
規模の小さい個人事業主ならマネーフォワードでの方法2でも十分ですが、将来の税務調査リスクを考えると方法1の家事按分記帳の方が安心です。






マネーフォワードのシステムを利用した家事按分の計上方法



マネーフォワードには、直接自分で仕訳を切らなくても家事按分を計上できると聞きましたが、どうやるんですか?



基本は変わらんのやけど、以下の手順でも家事按分を計上できるで!








マネーフォワード記帳での家事按分仕訳の具体例集
実際のマネーフォワードでの家事按分記帳例を、よくあるケース別に紹介します。これらの記帳例を参考に、あなたの事業に合わせて応用してください。
自宅家賃の家事按分記帳例(マネーフォワードでの地代家賃処理)
設定条件:家賃120,000円、自宅面積60㎡のうち事務所として12㎡使用(按分割合20%)
①マネーフォワードでの家賃支払記帳


②マネーフォワードでの月末家事按分振替記帳
結果として、事業分24,000円(120,000円×20%)のみがマネーフォワード記帳で経費に残ります。


水道光熱費の家事按分記帳例(マネーフォワードでの事業利用50%の場合)
設定条件:電気代25,000円、事業利用50%(在宅ワークで1日の半分を事業に使用)
①マネーフォワードでの電気代支払記帳


②マネーフォワードでの家事按分振替記帳








自家用車関連費用の家事按分記帳例(マネーフォワードでのガソリン代・自動車税等)
設定条件:ガソリン代15,000円、事業使用30%(走行距離ベース)
①マネーフォワードでのガソリン代支払記帳


②マネーフォワードでの家事按分振替記帳


マネーフォワード記帳での自動車税・保険料の家事按分処理
自動車税39,500円(事業使用30%)のマネーフォワード記帳例
- 全額支払記帳:(借方)租税公課 39,500円 (貸方)現金 39,500円
- 家事按分振替記帳:(借方)事業主貸 27,650円 (貸方)租税公課 27,650円
- 結果:事業分11,850円のみがマネーフォワード記帳で経費計上
マネーフォワード記帳での家事按分における実務家からのアドバイス
マネーフォワードでの家事按分記帳は適切に行えば大きな節税効果がありますが、やりすぎると税務調査で痛い目に遭います。実務経験を踏まえたマネーフォワード記帳での安全な家事按分のコツをお伝えします。
マネーフォワード記帳での按分割合の根拠保管の重要性






マネーフォワード記帳での税務調査で最も重要なのは 按分割合の合理性を説明できること です。単に「だいたい30%くらい」では通用しません。
マネーフォワード記帳で保管すべき証明資料(税務調査対策)
家事按分記帳の根拠として保管しておくべき資料一覧
- 自宅の間取り図(面積按分の根拠)
- 業務日誌や勤怠記録(時間按分の根拠)
- 走行記録簿(車両費按分の根拠)
- 通話明細書(通信費按分の根拠)
- 按分計算書(按分率と計算過程を記載)
例:家賃の家事按分記帳計算書
・自宅総面積:60㎡
・事務所使用面積:12㎡
・按分割合:12㎡÷60㎡=20%
・月額家賃:120,000円
・マネーフォワード記帳での経費計上額:120,000円×20%=24,000円
マネーフォワード記帳で税務調査で問題にならないために(過度な家事按分はNG)
私が税務調査に立ち会った経験では、按分割合が50%を超えるとマネーフォワード記帳でも詳しくチェックされる傾向があります。
経費種類 | 安全圏の按分率 | 要注意の按分率 | 指摘されやすい按分率 |
家賃・光熱費 | 10-30% | 30-50% | 50%超 |
車両関連費 | 20-40% | 40-60% | 60%超 |
通信費 | 30-50% | 50-70% | 70%超 |
特に家賃の家事按分で50%を超える場合は、事務所部分が明確に独立していることが必要です。リビングや寝室の一角を使っている程度では、マネーフォワード記帳でも認められません。



家賃はMAX50%って覚えておいた方がええで。ワイも昔50%で申告したことがあるけど、特段お咎めなかったから50%が最大ラインやと思うで。
マネーフォワード記帳でプライベート経費を混在させない管理工夫
マネーフォワードでの家事按分記帳をスムーズに行うためには、事業用とプライベート用の支出を可能な限り分離することが重要です。
マネーフォワード記帳での効率的な経費管理の仕組み作り
家事按分記帳の手間を減らす管理方法
- 事業用銀行口座の開設(可能な限り事業用支出はここから)
- 事業用クレジットカードの作成(経費専用)
- 公共料金の口座振替を事業用口座に変更
- 携帯電話の法人契約(完全に事業専用化)
- 家事按分が必要な支出は年間スケジュールで管理
完全分離が難しい場合でも、支出の記録をしっかり残し、家事按分の根拠を明確にしておけばマネーフォワード記帳でも税務調査で安心です。
- マネーフォワードで家事按分記帳を自動化することはできますか?
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マネーフォワードには「仕訳テンプレート」機能があるので、毎月同じ家事按分記帳をする場合は活用できます。例えば「電気代の家事按分記帳」というテンプレートを作成しておけば、金額を変更するだけで仕訳が完成します。ただし、按分割合は定期的な見直しが必要です。
- マネーフォワード記帳での家事按分振替仕訳はいつ行うべきですか?
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月末または支払いと同時に行うのが理想的です。年末にまとめて家事按分記帳を行うと計算ミスや根拠の記録漏れが発生しやすくなります。また、確定申告期限直前に慌ててマネーフォワードで処理すると、按分割合の検討が不十分になる恐れがあります。
- 青色申告と白色申告でマネーフォワード記帳での家事按分ルールに違いはありますか?
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大きな違いがあります。青色申告者は「事業に必要な部分が50%を超える」場合にマネーフォワードでの家事按分記帳が認められますが、白色申告者は「事業専用部分」のみしか記帳できません。そのため、白色申告者の場合、マネーフォワードで家事按分記帳できる経費は非常に限られます。
まとめ:マネーフォワード記帳で安全な家事按分を実現する実務ポイント
マネーフォワードを使った家事按分記帳は、正しい方法で行えば大きな節税効果が期待できます。重要なのは適切な按分割合の設定と、その根拠をマネーフォワード記帳で明確に残すことです。
家賃・光熱費・車両費・通信費など、事業とプライベートで共用している支出を整理し、マネーフォワード記帳での家事按分対象を明確にする
面積按分・時間按分など客観的な基準で按分割合を算出し、マネーフォワード記帳で使用する按分計算書を作成する
全額経費計上→事業主貸振替の方法でマネーフォワードでの家事按分記帳を実施し、メモ機能で根拠を記録する
間取り図・業務日誌・走行記録簿などマネーフォワード記帳での家事按分根拠となる資料を整理・保管する



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