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個人事業主の経費一覧2026年版|計上できる経費・できない経費を完全解説

個人事業主・フリーランスにとって、経費の正確な計上は節税の基本です。経費として計上できるものを見逃せば税金を余分に支払うことになり、計上できないものを経費にすれば税務調査で否認されるリスクがあります。本記事では、2026年版として個人事業主が計上できる経費と計上できない経費を完全網羅し、勘定科目の使い分けや家事按分の方法まで詳しく解説します。

目次

経費の基本ルール

所得税法では、事業所得の計算において「総収入金額 – 必要経費 = 事業所得」と定められています。必要経費として認められるのは、事業を行ううえで直接必要な支出です。

経費として認められる条件

  • 事業に関連する支出であること:プライベートな支出は経費にできません
  • 支出の事実が証明できること:領収書、レシート、請求書などの証拠書類が必要
  • 金額が合理的であること:社会通念上、事業に必要な範囲の金額であること

証拠書類の保存期間

経費の証拠書類(領収書・請求書・帳簿など)は、確定申告の提出後も保存が必要です。

  • 青色申告の場合:帳簿書類は7年間、その他の書類は5年間保存
  • 白色申告の場合:帳簿は7年間、領収書等は5年間保存

経費として計上できる主な費用【勘定科目別】

1. 租税公課

事業に関連する税金や公的な負担金です。

  • 個人事業税
  • 固定資産税(事業用部分)
  • 自動車税・軽自動車税(事業用部分)
  • 印紙税(収入印紙)
  • 登録免許税
  • 不動産取得税(事業用)
  • 消費税(税込経理の場合)

注意:所得税、住民税、国民健康保険料、国民年金保険料は経費にはなりません(所得控除で対応)。延滞税や加算税も経費にできません。

2. 荷造運賃

  • 宅配便・郵便の送料
  • 梱包材料費(段ボール、緩衝材など)
  • 商品発送にかかる配送料

3. 水道光熱費

  • 電気代(事業用部分)
  • ガス代(事業用部分)
  • 水道代(事業用部分)

自宅兼事務所の場合は、家事按分により事業使用割合を計算して経費にします(詳細は後述)。

4. 旅費交通費

  • 電車・バスの交通費
  • タクシー代(業務上必要な場合)
  • 出張時の宿泊費
  • 高速道路料金(事業用)
  • 駐車場代(出先の一時利用)
  • 飛行機代(出張)

交通系ICカードの履歴を出力して保存するか、出金伝票を作成して記録を残しましょう。

5. 通信費

  • 携帯電話料金(事業用部分)
  • インターネット回線料金(事業用部分)
  • 固定電話料金
  • 切手代・はがき代
  • ドメイン取得・更新費用
  • レンタルサーバー代

6. 広告宣伝費

  • Web広告費(Google広告、SNS広告など)
  • チラシ・パンフレットの印刷費
  • 名刺の印刷費
  • 看板・のぼりの製作費
  • ホームページ制作費(10万円未満)
  • 試供品・サンプルの配布費用

7. 接待交際費

  • 取引先との飲食代
  • 取引先への贈答品(お中元・お歳暮など)
  • 取引先との慶弔費(ご祝儀・香典など)
  • 取引先とのゴルフ代

注意:個人事業主の接待交際費は全額経費にできますが、誰と・何の目的で・いくら使ったかを記録しておく必要があります。友人との食事など、事業に関係のない飲食は経費にできません。

8. 損害保険料

  • 事業用の火災保険料
  • 事業用の自動車保険料
  • 賠償責任保険料
  • 店舗総合保険料

9. 減価償却費

10万円以上の固定資産は、購入年に一括で経費にすることができず、耐用年数に応じて分割して経費計上します。

  • パソコン(耐用年数4年)
  • 事業用自動車(普通車6年、軽自動車4年)
  • 事務用機器(コピー機、プリンターなど5年)
  • 事業用建物

特例:青色申告者は30万円未満の固定資産を「少額減価償却資産の特例」により一括で経費計上できます(年間合計300万円まで)。白色申告者は10万円未満のみ一括経費計上可能です。

10. 地代家賃

  • 事務所・店舗の家賃
  • 月極駐車場代(事業用)
  • 倉庫・トランクルームの賃料
  • コワーキングスペースの利用料
  • 自宅の家賃(事業使用部分・家事按分)

11. 消耗品費

  • 文房具(ペン、ノート、ファイルなど)
  • コピー用紙・インク・トナー
  • 10万円未満のパソコン周辺機器(マウス、キーボード等)
  • 10万円未満の事務用品・備品
  • USBメモリ・SDカード

12. 外注工賃(外注費)

  • フリーランスへの業務委託費
  • デザイン制作の外注費
  • Webサイト制作の外注費
  • 翻訳・ライティングの外注費
  • システム開発の外注費

13. 給料賃金

  • 従業員・アルバイトの給与
  • 賞与(ボーナス)

注意:個人事業主本人の給与は経費にできません。生計を一にする家族への給与は、青色事業専従者給与の届出をしている場合のみ経費にできます。

14. その他の経費

  • 研修費・セミナー参加費:事業に関連するスキルアップのための費用
  • 新聞図書費:事業に関連する書籍、新聞、専門誌の購入費
  • 支払手数料:振込手数料、仲介手数料など
  • リース料:事業用機器のリース費用
  • 諸会費:業界団体や商工会の会費
  • クラウドサービス利用料:会計ソフト、プロジェクト管理ツールなどのSaaS利用料

経費として計上できないもの

以下の支出は経費として認められません。

税金・社会保険料関連

  • 所得税・復興特別所得税:事業経費ではなく、所得に対する税金
  • 住民税:同上
  • 国民健康保険料:社会保険料控除で対応
  • 国民年金保険料:社会保険料控除で対応
  • 延滞税・加算税:ペナルティの性質を持つため
  • 交通反則金(罰金):違法行為に対する制裁

プライベートな支出

  • 事業主本人の生活費
  • 家族の食費・衣服費
  • プライベートの旅行費
  • 趣味に関する支出
  • 個人的な医療費:医療費控除で対応
  • 事業に関係のない飲食代

その他

  • 事業主本人への給与:個人事業主の報酬は事業所得として計算
  • 生計を一にする家族への給与(青色事業専従者以外)
  • 借入金の元本返済:利息部分のみ経費、元本は経費にならない
  • 敷金・保証金:返還される部分は経費にならない(償却される部分は経費可)

家事按分の方法

自宅を事務所としても使用している場合、家賃や光熱費などの経費を「家事按分」により事業使用割合分だけ経費に計上できます。

按分の基準

経費の種類按分の基準具体例
家賃面積比作業部屋10畳 / 全体40畳 = 25%
電気代使用時間比または面積比1日8時間使用 / 24時間 = 33%
通信費使用時間比事業使用50% / 全体 = 50%
自動車関連費走行距離比事業走行5,000km / 全体10,000km = 50%

按分割合は合理的な根拠が必要です。税務調査で質問された場合に説明できるよう、按分の計算根拠を記録しておきましょう。

家事按分の具体的な計算例

例:家賃10万円のマンション(50平米)で、仕事部屋(10平米)を事業に使用している場合

  • 按分割合:10平米 / 50平米 = 20%
  • 経費計上額:10万円 × 20% = 2万円/月(年間24万円)

経費計上の実務テクニック

レシートがない場合の対処法

自動販売機での購入やICカードでの交通費など、レシートが発行されない支出は「出金伝票」を作成することで経費として計上できます。出金伝票には、日付、支払先、金額、内容を記載します。

クレジットカード明細の活用

事業用のクレジットカードを用意し、事業経費はすべてそのカードで支払うことで、明細が自動的に経費の記録となります。クラウド会計ソフトと連携すれば、仕訳も自動化できます。

少額減価償却資産の特例を活用する

青色申告者は、30万円未満の固定資産を購入年に一括で経費にできます。パソコンやスマートフォンなどの購入時期を工夫することで、利益が出た年に経費を集中させて節税できます。

よくある質問(FAQ)

Q1. スーツの購入費は経費にできますか?

A1. 原則として、スーツはプライベートでも着用できるため経費にできません。ただし、特定の業務でのみ使用する制服や作業着は経費として認められます。取引先との打ち合わせ用のスーツを経費にしたい場合は、事業専用であることを明確にする必要がありますが、税務署に否認されるリスクが高いです。

Q2. 自宅の住宅ローンの返済は経費にできますか?

A2. 住宅ローンの元本返済部分は経費にできません。ただし、利息部分は家事按分により事業使用割合分を経費にできます。また、自宅の減価償却費も事業使用割合分を経費として計上可能です。なお、住宅ローン控除を受けている場合、事業使用割合が50%を超えると住宅ローン控除が受けられなくなるため注意が必要です。

Q3. 飲食代はどこまで経費にできますか?

A3. 取引先との打ち合わせや会食の飲食代は「接待交際費」として経費にできます。一人での食事は原則として経費にできませんが、出張先での食事は「旅費交通費」として認められる場合があります。誰と・何の目的で利用したかを必ず記録しておきましょう。

Q4. 開業前の経費は確定申告で計上できますか?

A4. はい、開業前に事業準備のために支出した費用は「開業費」として計上できます。開業費は繰延資産として任意の年に任意の額を経費にできる(任意償却)ため、利益が出た年にまとめて経費計上するなど、柔軟な節税が可能です。ただし、開業前の期間が長すぎると認められない場合もあるため、開業届と合わせて整理しましょう。

Q5. 領収書をもらい忘れた場合、経費にできませんか?

A5. 領収書がなくても、出金伝票を作成するか、クレジットカード明細や銀行振込の記録があれば経費として認められる場合があります。ただし、金額や支出内容が正確に記録されていることが条件です。日頃から領収書やレシートを受け取る習慣をつけ、クラウド会計ソフトのレシート撮影機能を活用しましょう。

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免責事項

本記事の内容は、2026年3月時点の税法・制度に基づいて作成しています。税制は毎年改正される可能性があるため、最新の情報は国税庁の公式サイトや税務署にてご確認ください。また、個別の税務判断については、税理士等の専門家にご相談されることをおすすめします。本記事の情報に基づいて行った申告・手続きについて、筆者および当サイトは一切の責任を負いかねます。

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