「医療費がちょうど20万円…セルフメディケーション税制と医療費控除、どっちを使えばお得なの?」給与所得者の方から毎年必ず寄せられる質問です。名前だけは知っているけれど、どちらが自分に有利なのか判断できない。その不安、今日で完全に解消します。
ぜいむたん


この記事では、給与所得者が医療費20万円前後の「微妙なゾーン」でどちらを選ぶべきかを、年収400万・500万・600万円×医療費18万・20万・22万円の6パターンシミュレーションと具体的なMFクラウド確定申告の入力手順で解説します。
セルフメディケーション税制と医療費控除:2つの違いを整理しよう
まず2つの制度の根本的な違いを把握しましょう。混同しがちですが、対象費用・控除額の計算・適用条件がまったく異なります。最大のポイントは同一年度内はどちらか一方しか使えない「選択制」という点です。






セルフメディケーション税制 vs 医療費控除 徹底比較
対象費用:病院・歯科・薬局・介護など広範囲
控除額:(医療費合計 − 10万円)
上限:200万円
閾値:年間10万円超(所得200万円以上)
前提条件:なし(誰でも申請可)
対象費用:スイッチOTC医薬品・要指導医薬品のみ
控除額:(OTC購入費 − 1万2,000円)
上限:8万8,000円
閾値:年間1万2,000円超
前提条件:健康増進取組の証明が必要
同一年度(1月〜12月)に両方を同時に使うことは法律で禁止されています。必ずどちらか一方を選択。給与所得者で病院等の医療費が10万円を超えているなら、ほぼ確実に医療費控除が有利です。
- 病院・歯科など広範な医療費が年間10万円超 → 医療費控除が有利なケースがほとんど
- OTC医薬品を多く購入し、病院等の費用が10万円未満 → セルフメディケーション税制が有利なケースも
- 同一費用への両制度の同時適用は不可・年度内でいずれか1つを選択
セルフメディケーション税制(OTC特例)の適用条件【2026年現行】
セルフメディケーション税制を利用するには、2つの条件を同時に満たす必要があります。どちらか一つでも欠けると申告できませんので、事前に必ず確認しましょう。






条件1:スイッチOTC医薬品等の購入費が年間1万2,000円超
セルフメディケーション税制の対象になるのは、厚生労働省が指定した「スイッチOTC医薬品」や「要指導医薬品」の購入費のみです。すべての市販薬が対象になるわけではありません。
確認方法:パッケージに「★(セルフメディケーション税制対象)」マークがある製品か、厚生労働省のセルフメディケーション税制対象品目リストで確認できます。主な対象品目にはロキソニンS・パブロン・アレグラFX・ガスター10・リアップなど、医療用から市販薬に転用(スイッチ)された製品が多く含まれます。
条件2:健康増進取組の証明が必要
申告する方が、その年に以下のいずれかの健康増進取組を行っていることを証明する書類が必要です。申告書への添付は不要ですが、5年間の保存義務があります。
- 会社の定期健康診断(結果通知書を保管)
- 特定健診(メタボ健診)・後期高齢者健診
- がん検診(市区町村・事業者等の実施分)
- インフルエンザ等の予防接種(接種証明書が必要)
- 市区町村の骨粗しょう症検診・歯周疾患検診
会社の定期健診の結果通知書は、セルフメディケーション税制の「健康増進取組の証明」として使えます。別途書類を取得する必要はありません。ただし結果通知書は5年間保管する義務がありますので、捨てずに必ず保管してください。
医療費控除の適用条件と計算方法
医療費控除は日本の確定申告制度の中でも利用者が多い控除です。給与所得者の場合、医療費が年間10万円を超えると適用できます。対象範囲が意外と広く、見落としている費用も少なくありません。






給与所得者の控除閾値と計算式
医療費控除の閾値は「10万円または総所得金額等の5%の低い方」です。給与年収400〜600万円の方は総所得が200万円を超えるため、閾値は10万円(10万円の方が5%より小さい)となります。控除額の計算式は以下のとおりです。
控除額 = (年間医療費合計 − 10万円) ※上限200万円
医療費控除の対象・対象外費用
病院・クリニック・歯科の診療費
処方薬・薬局での市販薬(治療目的)
公共交通機関での通院費(バス・電車)
入院費(食事療養費含む)
出産費用(正常分娩)
介護保険サービスの一部
美容整形・審美目的の歯列矯正
ビタミン剤等の健康補助食品
人間ドック(異常なし・治療なしの場合)
インフルエンザ等の予防接種費用
マイカー通院のガソリン代・駐車場代
任意選択の差額ベッド代
給与所得者向け判定フロー〜医療費20万円前後で選ぶべき控除
それでは実際に、給与所得者がどちらの制度を選べばよいか、判定フローで確認しましょう。年収400万・500万・600万円×医療費18万・20万・22万円の6パターンのシミュレーション結果も合わせて解説します。






1.2万円以下
→ セルフメディケーション税制は利用不可。医療費控除のみを検討
1.2万円超
→ 条件1クリア。STEP2へ進む
10万円超
→ 医療費控除が有利な可能性が極めて高い。STEP3でシミュレーション確認
10万円以下
→ セルフメディケーション税制が有利な可能性。OTC購入費が多いほど有利
年収と医療費の組み合わせで、実際にどちらがいくら還付されるかを確認してから選択しましょう。
年収別・医療費別シミュレーション(6パターン)
以下のシミュレーションは、OTC医薬品購入費が年間2万円(うちスイッチOTC対象分:2万円、控除対象:0.8万円)の場合を想定しています。所得税率+住民税率の合計は、年収400〜500万円で約20%、年収600万円で約30%として計算しています。保険補填ゼロのケースです。
年収別・医療費別 還付額シミュレーション(OTC医薬品2万円購入の場合)
医療費18万円の場合
・医療費控除:(18万−10万)×20%=約1.6万円還付
・OTC特例:0.8万×20%=約0.16万円還付
→ 医療費控除が10倍有利
医療費20万円の場合
・医療費控除:(20万−10万)×20%=約2万円還付
・OTC特例:約0.16万円還付
→ 医療費控除が圧倒的有利
医療費22万円の場合
・医療費控除:(22万−10万)×20%=約2.4万円還付
・OTC特例:約0.16万円還付
→ 医療費控除が圧倒的有利
医療費18万円の場合
・医療費控除:8万×20%=約1.6万円還付
・OTC特例:0.8万×20%=約0.16万円還付
→ 医療費控除が10倍有利
医療費20万円の場合
・医療費控除:10万×20%=約2万円還付
・OTC特例:約0.16万円還付
→ 医療費控除が圧倒的有利
医療費22万円の場合
・医療費控除:12万×20%=約2.4万円還付
・OTC特例:約0.16万円還付
→ 医療費控除が圧倒的有利
医療費18万円の場合
・医療費控除:8万×30%=約2.4万円還付
・OTC特例:0.8万×30%=約0.24万円還付
→ 医療費控除が10倍有利
医療費20万円の場合
・医療費控除:10万×30%=約3万円還付
・OTC特例:約0.24万円還付
→ 医療費控除が圧倒的有利
医療費22万円の場合
・医療費控除:12万×30%=約3.6万円還付
・OTC特例:約0.24万円還付
→ 医療費控除が圧倒的有利
※OTC医薬品購入2万円(控除対象0.8万円)・健康増進取組あり・保険補填なしの概算です。実際の税額は個人の状況により異なります。
- 病院等の医療費が10万円以下で、OTC医薬品を年間5万円以上購入している場合
- 例:OTC5万円購入 → 控除額(5万−1.2万)=3.8万円。年収400万なら約0.76万円還付
- 医療費控除の閾値(10万円)に届かない方にのみ、セルフメディケーション税制の検討価値がある
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医療費控除とOTC特例、どちらが有利か実際の数字で比較しながら正確に申告できます。マイナポータル連携で医療費データを自動取込み。
無料で始める →MFクラウド確定申告での申告手順
どちらの控除を選ぶか決まったら、次はMFクラウド確定申告(マネーフォワードクラウド確定申告)で申告書を作成しましょう。医療費控除・セルフメディケーション税制それぞれの入力手順を解説します。






医療費控除の申告手順(MFクラウド確定申告)
MFクラウド確定申告の「設定」→「マイナポータル連携」から連携を行うと、健保や医療機関からの医療費データが自動取込みされます。連携できない場合は、手元の領収書を手入力するか、国税庁フォーマットのCSVをアップロードする方法もあります。
申告書作成画面の「所得控除の入力」タブをクリックし、「医療費控除」を選びます。「通常の医療費控除」と「セルフメディケーション税制(特例)」の選択画面が表示されますので、「通常の医療費控除」を選択してください。一度選択した後も変更可能です。
取り込んだ医療費データを一覧で確認し、対象外費用(美容整形・健康補助食品等)は削除します。入力が完了すると、控除額と還付見込み税額が自動計算されます。「医療費控除の明細書」も自動生成されるため、紙での作成は不要です。
申告書が完成したら、マイナンバーカードを使ってe-Taxで電子申告するか、PDFを印刷して税務署に郵送します。e-Taxなら添付書類の提出も不要で、還付が早く(通常3週間程度)処理されます。スマートフォンからもマイナンバーカードで申告可能です。
セルフメディケーション税制の申告手順(MFクラウド確定申告)
ドラッグストアでの購入レシートを1月から12月分まとめます。対象商品(スイッチOTC医薬品・★マーク)とそれ以外が混在しているレシートは、対象品目の金額だけを集計してください。合計が1万2,000円を超えることを確認してから申告に進みます。
「所得控除の入力」→「医療費控除」の選択画面で「セルフメディケーション税制(特例)」を選択します。OTC医薬品の合計購入費を入力すると、1万2,000円を差し引いた控除額が自動計算されます。健康増進取組の種別も選択して入力してください。
OTC医薬品の領収書・レシートおよび健康増進取組の証明書類(健診結果通知書等)は、申告書への添付は不要ですが、申告日から5年間自宅で保管する義務があります。税務調査等で提出を求められることがあります。スマートフォンで撮影してクラウド保存しておくと安心です。
MFクラウド確定申告では、医療費控除とセルフメディケーション税制のいずれか一方しか選択できません。申告書を完成させる前に両方の控除額を実際に入力して比較し、有利な方を選択することをお勧めします。選択後も申告書提出前であれば変更可能です。
よくある誤解・失敗3選【これだけは絶対避けて!】
セルフメディケーション税制と医療費控除に関して、毎年多くの給与所得者がやってしまう失敗があります。知らずにやってしまうと修正申告や過少申告加算税のリスクも生じますので、事前にしっかり確認しましょう。






「病院の医療費で医療費控除、ドラッグストアのOTC薬でセルフメディケーション税制を両方申告すれば二重でお得!」と考えるのは大きな間違いです。同一年度(1月1日〜12月31日)内に両方の制度を同時に適用することは租税特別措置法で禁止されています。間違えて両方申告した場合、税務署から修正を求められ、修正申告が必要になります。「病院費用は医療費控除、薬代はOTC特例」という分け方も同一年度であれば不可です。
セルフメディケーション税制を申告するためには、OTC医薬品の領収書・レシートが必須です。「どうせ小額だから」と毎月捨ててしまうと、年間合計が1.2万円を超えていても申告できません。特に1〜3月に大きな出費がある方は、年初からレシート保管を習慣にしましょう。ドラッグストアのアプリやスマートフォンのカメラでデジタル保存するのがおすすめです。5年間の保管義務があることも忘れずに。
「ドラッグストアで買った薬なら全部セルフメディケーション税制の対象」と思い込むのは大きな誤りです。対象になるのは厚生労働省が指定した「スイッチOTC医薬品」のみで、一般的な栄養ドリンク・ビタミン剤・サプリメント・湿布(一部)・日用品は対象外です。パッケージの「★」マークで確認するか、厚生労働省のWebサイトで品目を調べるようにしてください。対象外品目を混入させると、過大申告として修正申告を求められることがあります。
よくある質問(FAQ)






- セルフメディケーション税制と医療費控除は同じ年に両方使えますか?
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いいえ、同一年度(1月1日〜12月31日)において両方を同時に適用することはできません。どちらか一方を選択する必要があります。選択は確定申告書を作成する段階で行います。医療費が年間10万円を超えている給与所得者の場合は、ほぼすべてのケースで医療費控除の方が有利です。MFクラウド確定申告では両方の控除額を入力して比較してから選択できるので、実際の数字で確認してから決めるのが確実です。
- 家族の医療費もセルフメディケーション税制の対象になりますか?
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はい、生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払ったOTC医薬品の購入費も合算して申告できます。ただし、健康増進取組の証明(健診等)は申告者本人のものが必要です。家族全員のOTC医薬品購入費を合算できますが、同時に家族全員分の医療費控除と比較してどちらが有利か確認しましょう。家族の医療費が多い場合は医療費控除の方が有利になるケースが大半です。
- MFクラウド確定申告でセルフメディケーション税制と医療費控除を比較できますか?
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はい、MFクラウド確定申告では両方の控除額を入力して比較することができます。「所得控除の入力」→「医療費控除」の画面で「通常の医療費控除」と「セルフメディケーション税制(特例)」を切り替えて、それぞれの還付見込み額を確認できます。実際の医療費データを入力して両方の数字を比較してから、有利な方を選択することをお勧めします。マイナポータル連携を使えば医療費データの自動取込みも可能です。
- OTC医薬品のレシートと健診結果はどのくらいの期間保管する必要がありますか?
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セルフメディケーション税制を申告した場合、OTC医薬品の領収書・レシートおよび健康増進取組の証明書類(健診結果通知書・予防接種証明等)はいずれも申告日から5年間自宅で保管する義務があります(申告書への添付は不要)。税務調査等で提出を求められることがありますので、紙のレシートはファイリングするか、スマートフォンで撮影してクラウドに保存しておくことをおすすめします。5年を過ぎた書類は適切に処分して構いません。
セルフメディケーション税制vs医療費控除まとめ:正しい選択で還付金を最大化しよう






まず1年間の病院・歯科・薬局での医療費合計を計算します。10万円を超えているかを確認しましょう。健康保険組合からの「医療費のお知らせ」やマイナポータルのデータが役立ちます。通院の公共交通費も忘れずに集計してください。
ドラッグストアでのスイッチOTC医薬品の購入費を合計します。1万2,000円を超えているか、また対象品目(★マーク)かどうかを確認してください。対象品目は厚生労働省のWebサイトで一覧確認できます。健診結果通知書等の証明書類も手元に準備します。
病院等の医療費が10万円を超えているなら、ほぼ確実に医療費控除が有利です。10万円以下の場合のみ、セルフメディケーション税制との比較検討が必要です。本記事の6パターンシミュレーション表を参考に、自分の年収・医療費の組み合わせで還付額を確認しましょう。
MFクラウド確定申告では医療費控除とセルフメディケーション税制の両方を入力して比較できます。マイナポータル連携で医療費データを自動取込みし、実際の還付額を確認してから有利な方を選択して申告書を完成させましょう。
申告に必要な証明書類(領収書・健診結果等)を5年間保管します。申告書が完成したらe-Taxで電子申告すると添付書類の郵送が不要で、還付も早く処理されます。マイナンバーカードを使えばスマートフォンだけで申告完了まで手続きできます。



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医療費控除・セルフメディケーション税制の両方を比較してベストな選択が可能。マイナポータル連携で医療費データを自動取込みし、申告書を自動生成します。
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この記事の監修
公認会計士試験合格者が在籍。税務・会計の実務経験に基づき、正確な情報提供を心がけています。
公認会計士試験合格者在籍、Big4監査法人・税理士法人での実務経験、財務省勤務経験
免責事項
本記事の内容は情報提供を目的としたものであり、特定の税務判断を推奨するものではありません。具体的な税務・会計の判断については、必ず税理士・公認会計士等の専門家にご相談ください。記事の内容は執筆時点の法令・制度に基づいています。

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