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「どこまで経費にできるのか、毎年迷う……」フリーランス・個人事業主なら誰もが感じる悩みですよね。経費を正しく計上すれば税負担を減らせますが、認められない支出を計上すると税務調査で指摘を受けるリスクもあります。ポイントは、「事業との関連性」「証拠書類の保存」「金額の合理性」の3条件を満たし、家事関連費は面積・時間などの合理的な基準で按分することです。本記事では2026年最新の情報をもとに、個人事業主が計上できる経費・できない経費を勘定科目別に完全解説します。
📌 この記事でわかること
対象読者:個人事業主・フリーランス/確定申告で経費計上に迷っている方/読了の目安:約10分
- 個人事業主が計上できる経費の勘定科目別一覧と、計上の条件・注意点
- 経費として認められない支出(税金・個人的支出・給与など)の線引き
- 自宅兼事務所の家事按分の計算方法(面積・時間・使用量の3基準)
- 少額減価償却資産の特例(2026年4月から40万円未満に拡大)と減価償却の判定基準
- 領収書がない場合の対処法と、税務調査で指摘されやすいNG事例
ぜいむたん


経費の基本ルール(必要経費として認められる3条件)






所得税法上、個人事業主の必要経費とは「その年において収入金額を得るために直接要した費用」(所得税法第37条)です。経費として認められるには、次の3条件を満たす必要があります。
必要経費として認められる3条件
収入を得るために必要な支出であること。プライベートな支出は原則対象外。
領収書・レシート・請求書など、支出の事実を示す書類を保存していること。
社会通念上、事業に必要な範囲の金額であること。過大な支出は否認リスクがある。
出典:国税庁 No.2210 やさしい必要経費の知識をもとに作成
国税庁の公式情報でも確認できます:国税庁「No.2210 やさしい必要経費の知識」
勘定科目別|計上できる経費一覧






個人事業主が計上できる主な経費を、勘定科目別に一覧でまとめました。具体例と計上時の注意点をあわせて確認しましょう。
| 経費の具体例 | 勘定科目 | 計上の条件・注意点 |
|---|---|---|
| 個人事業税・固定資産税(事業用資産分) | 租税公課 | 事業用部分のみ。所得税・住民税は対象外 |
| 収入印紙・登録免許税(事業用) | 租税公課 | 契約書・領収書に貼付した印紙代など |
| 電車・バス・新幹線(出張・打合せ) | 旅費交通費 | 事業目的であること。ICカード明細で代替可 |
| タクシー代 | 旅費交通費 | 深夜・遠距離など合理的理由があれば可 |
| ガソリン代・高速料金 | 旅費交通費 | 事業使用分のみ。自家用車は按分必要 |
| 宿泊費(出張) | 旅費交通費 | 業務上の出張であること |
| 携帯電話料金 | 通信費 | 業務専用なら全額。兼用は按分(目安50〜80%) |
| インターネット回線費用 | 通信費 | 自宅兼用は按分。業務専用回線は全額可 |
| 郵便代・切手代(書類送付) | 通信費 | 業務上の送付物に限る |
| 宅配便送料・梱包資材(商品発送) | 荷造運賃 | 段ボール・緩衝材・配送料が対象 |
| PCソフト・SaaS(月額) | 通信費または消耗品費 | 業務用ツール(会計ソフト・デザインツール等) |
| 文房具・印刷用紙・PC周辺機器 | 消耗品費 | 取得価額10万円未満の物品が対象 |
| 事業用機器・PCの修理代 | 修繕費 | 資産価値を高める支出は減価償却の対象(資本的支出) |
| 飲食代(取引先との接待) | 接待交際費 | 参加者・目的をメモしておくこと |
| 贈答品・手土産 | 接待交際費 | 取引先への贈答。私的な飲食は対象外 |
| 名刺・チラシ制作費、Web広告費 | 広告宣伝費 | 集客・PR目的の支出 |
| フリーランサーへの外注費・業務委託費 | 外注費 | 個人への支払は源泉徴収(10.21%)が必要な場合あり |
| 事務所家賃・コワーキング利用料 | 地代家賃 | 事業専用スペースなら全額。自宅兼用は按分 |
| 自宅家賃(事業使用部分) | 地代家賃 | 使用面積の割合で按分(後述) |
| 業務関連の書籍・セミナー参加費 | 新聞図書費・研修費 | 事業に直接関連するものに限る |
| PC・カメラ等(取得価額10万円以上) | 減価償却費 | 耐用年数で按分。特例の適用条件は後述の表を参照 |
| 国民健康保険料(事業主分) | ―(経費対象外) | 所得控除(社会保険料控除)として申告 |
| 事業用の損害保険料 | 保険料 | 事業リスクに対応した保険のみ |
経費として計上できないもの






以下の支出は原則として経費(必要経費)にはなりません。「これは経費にできる?」と迷ったときの判断基準にしてください。
| 区分 | 具体例 | 理由・対応方法 |
|---|---|---|
| 税金 | 所得税・住民税・復興特別所得税 | 所得に対する税金そのもののため経費NG |
| ペナルティ | 延滞税・加算税・交通反則金(罰金) | 制裁的な性質のため経費NG |
| 社会保険料等 | 国民健康保険料・国民年金保険料・小規模企業共済掛金 | 経費ではなく所得控除(社会保険料控除等)で対応 |
| 個人的な支出 | 生活費・食費・スーツ等の私服・趣味の支出 | プライベートでも使えるものは原則経費NG |
| 住宅ローン | 元本返済部分 | 元本は経費NG。利息部分のみ事業按分後に経費可 |
| 敷金・保証金 | 返還される部分 | 返還分は経費NG。償却(返還されない)部分は経費可 |
| 事業主本人の給与 | 自分自身への給与・報酬 | 個人事業主の利益は事業所得として計算するため対象外 |






自宅兼事務所の家事按分ルール(計算例あり)






自宅の家賃・光熱費・通信費などを「業務用」と「プライベート」に分けて、業務用の割合のみ経費として計上するルールを家事按分といいます。按分の基準は主に3つです。
家事按分の3つの基準
事業用スペース ÷ 住居全体の面積。家賃・固定資産税に適用。
業務に使用する時間 ÷ 1日の総時間。電気代・通信費に適用。
事業での使用量 ÷ 全体の使用量。ガソリン代(走行距離)等に適用。
出典:国税庁 No.2210 をもとに作成
| 経費の種類 | 按分の基準 | 一般的な認容範囲の目安 |
|---|---|---|
| 家賃 | 面積基準 | 20〜30% |
| 電気代・水道代 | 時間基準または面積基準 | 実態に応じて算定 |
| 通信費(携帯・回線) | 時間基準 | 50〜80% |
| 自動車関連費 | 使用量基準(走行距離) | 業務での走行距離 ÷ 全走行距離 |
家賃の按分計算(具体例)
家賃の按分は「業務使用面積 ÷ 総面積」で計算します。月額家賃12万円のマンション(50㎡)で、仕事専用スペース(10㎡)を使用している場合の例です。
- 按分割合:10㎡ ÷ 50㎡ = 20%
- 月間経費計上額:12万円 × 20% = 2万4,000円
- 年間経費計上額:2万4,000円 × 12か月 = 28万8,000円
電気代の按分計算(具体例)
電気代は面積割合のほか「使用時間」での按分も認められています。月額電気代8,000円、1日の業務時間8時間/在宅時間16時間の場合の例です。
- 時間按分割合:8時間 ÷ 16時間 = 50%
- 面積按分(20%)とあわせた場合の月間経費:8,000円 × 50% × 20% = 800円
注意:按分割合は合理的な根拠が必要です。税務調査で質問された場合に説明できるよう、面積・使用時間など計算の根拠を記録し、毎年同じ方法で継続することが重要です。
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PC・カメラなどの資産は、取得価額に応じて経費計上のルールが変わります。特に少額減価償却資産の特例は、2026年4月1日以後の取得分から上限が拡大されました。
| 取得価額 | 経費計上の方法 | 備考 |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 消耗品費として一括経費 | 青色・白色を問わず全額その年の経費にできる |
| 10万円以上20万円未満 | 通常の減価償却、または一括償却資産(3年均等償却)を選択可 | 一括償却資産は青色・白色どちらでも利用可 |
| 20万円以上40万円未満 (2026年4月1日以後取得) | 少額減価償却資産の特例により一括経費可 | 青色申告者のみ。年間合計300万円が上限 |
| 40万円以上 | 通常の減価償却(耐用年数で按分) | 青色・白色共通 |
例:ノートPC(30万円、耐用年数4年)を通常の減価償却で計上する場合、毎年75,000円ずつ経費化します。青色申告者が2026年4月1日以後に取得した場合は、少額減価償却資産の特例により購入年に一括で30万円を経費化することも可能です(40万円未満の要件を満たすため)。
領収書・レシートがない場合の対処法






経費の証拠として最も重要なのは領収書やレシートですが、紛失したり受け取れなかったりするケースもあります。以下の代替手段で補うことができます。
| 代替手段 | 有効性 | 注意点 |
|---|---|---|
| クレジットカードの利用明細 | 有効 | 金額・日付・支払先が確認できること |
| 銀行口座の取引明細 | 有効 | 振込による支払いの証拠として利用可 |
| ICカード(Suica等)の利用履歴 | 交通費の証拠として有効 | 旅費交通費の代替に利用しやすい |
| 出金伝票(自分で作成) | 補完的に有効 | 日付・支払先・金額・用途を記入 |
| メール・チャットの記録 | 補助的な証拠 | 取引の事実を裏付ける材料として保管 |
おすすめの習慣:freeeやマネーフォワードのスマホアプリで、支払い直後に領収書を撮影・保存する習慣をつけましょう。電子帳簿保存法の要件を満たせば紙の保管は不要です。
freeeで経費を入力・仕訳する方法






左メニュー「取引」→「取引の一覧・登録」に進み、「支出」タブを選択して「取引を登録」をクリックします。
領収書の日付・勘定科目(「通信費」「旅費交通費」など)・金額を入力。摘要欄に「○○社との打ち合わせのための交通費」など目的を記入します。
「家事按分」スライダーをオンにして事業用割合(例:20%)を入力。freeeが自動で事業用分と家事用分に仕訳を生成します。領収書をスキャン・撮影してアップロードして完了です。
マネーフォワード クラウドでも同様の操作が可能です。「手動で仕訳を追加」から勘定科目・金額・摘要を入力し、家事按分の割合を設定します。銀行口座やクレジットカードを連携すれば、ほとんどの経費が自動取り込みされます。
経費のグレーゾーンQ&A(よくある疑問6つ)






Q1. スーツや仕事着は経費になりますか?
A:基本的には認められません。スーツや洋服は「プライベートでも着られる」と判断されるため、原則として経費計上は難しいです。ただし、仕事専用のユニフォーム・作業着(ロゴ入りで私服として着られないもの)は経費として認められます。
Q2. 自動車は経費にできますか?
A:事業での使用割合に応じた按分が必要です。営業・配達・出張など業務で車を使う場合、ガソリン代・車検代・任意保険料・駐車場代などを使用割合で按分して経費計上できます。走行距離ログや業務記録を残すことが重要です。
Q3. 一人での食事・在宅ランチは経費になりますか?
A:プライベートの食事は経費になりません。取引先との打ち合わせを兼ねた飲食は接待交際費として計上できますが、一人での作業中の食事は経費にはなりません。出張先での食事は旅費交通費の一部として認められる場合があります。
Q4. 家族へ支払った給与は経費になりますか?
A:青色申告者なら「青色事業専従者給与」として経費計上できます。白色申告では最大86万円の「専従者控除」のみ適用可能です。青色の場合は事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出する必要があります。
Q5. 住宅ローンの利息は経費にできますか?
A:事業使用割合に応じた部分のみ経費にできます。元本返済部分は経費になりませんが、利息部分は家事按分の対象です。例えば月々の利息が3万円、事業使用割合が30%なら、月9,000円が経費になります。
Q6. 開業前にかかった費用は経費にできますか?
A:「開業費」として計上できます。事業の準備のために支出した研修費・調査費・打合せの交通費・名刺やチラシの作成費などが該当します。開業費は繰延資産として計上し、開業後に任意のタイミングで経費化(任意償却)できるため、黒字の年にまとめて経費化するなど柔軟に活用できます。






税務調査で指摘されやすい経費NG事例4選






税務調査で狙われやすい3つの視点
領収書・レシートなど、金額と支払先を裏付ける書類が保存されているか。
家事按分の割合が実態に見合っているか、根拠を説明できるか。
「誰と・どこで・何の目的で」を当日中に記録できているか。
出典:国税庁の税務調査に関する一般的な考え方をもとに作成
NG事例1:領収書のない経費計上
領収書・レシートがない支出を経費として計上すると、税務調査で否認されるリスクが高いです。電子マネーやクレジットカードの明細でも代替できますが、金額・日付・支払先が確認できるものを必ず保管してください。
解決策:freeeやマネーフォワードのスマホアプリで、支払い直後に領収書を撮影・保存する習慣をつけましょう。
NG事例2:家事費と事業費の混在(按分なし)
自宅の家賃・電気代・通信費を按分せずに全額経費計上しているケースは、税務調査で真っ先に指摘されます。「自宅兼事務所なのに家賃100%計上」は明らかに不自然で、追徴課税の対象になります。
解決策:使用面積・使用時間を記録し、合理的な割合で按分した根拠をメモとして残しておきましょう。
NG事例3:プライベートな旅行・食事を「出張費」「接待費」として計上
家族旅行を「取材旅行」として全額経費計上するケースは、税務調査で強く疑われます。目的・相手・業務との関連性を説明できない支出は、たとえ領収書があっても否認されます。
解決策:出張・接待の際は「誰と・どこで・何の目的で」を当日中にメモしておく。業務日誌を残しておくと税務調査でも説明しやすくなります。
NG事例4:事業用口座とプライベート口座の混在
事業用と個人用を明確に分けていない口座やクレジットカードを使っていると、個人的な支出が経費に混入しやすくなり、税務調査で「どこまでが事業用か説明できない」状態に陥りがちです。
解決策:事業用の口座・クレジットカードを個人用と分けて、会計ソフトと連携しておくと記帳と説明の両方がスムーズになります。






まとめ:経費計上の3原則を守れば怖くない
個人事業主の経費計上は、以下の3原則を守ることが基本です。
「なぜこの支出が事業に必要か」を説明できる状態を維持しましょう。
青色申告者は原則7年間の保管義務があります。freeeアプリで支払い直後に撮影・保存するのが最も確実です。
根拠となる計算方法(面積・時間・使用量)を記録し、毎年同じ方法で継続することが重要です。



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- 個人事業主が経費として認められる基準は何ですか?
-
「事業に直接関連しており、収入を得るために必要だった支出」であることが基本条件です。所得税法第37条に規定されており、①事業との関連性、②証拠書類の保存、③金額の合理性の3要件を満たす必要があります。
- 家事按分の割合はどのくらいが適切ですか?
-
一般的に家賃は20〜30%、通信費は50〜80%が実態に合った範囲として認められやすいです。ただし、実際の使用実態に合った割合を設定することが最も重要で、面積・時間などの合理的な根拠を記録しておく必要があります。
- 10万円以上のPCを購入しました。全額経費にできますか?
-
白色申告の場合は取得価額10万円以上の資産は減価償却が必要です(PCの耐用年数は4年)。青色申告者であれば2026年4月1日以後に取得した40万円未満の資産を購入年に一括経費化できる「少額減価償却資産の特例」が利用できます(年間合計300万円まで)。
- 領収書をなくしてしまいました。経費計上できませんか?
-
クレジットカードの明細・銀行の振込記録・ICカードの利用履歴などでも代替できる場合があります。金額・日付・支払先が確認できることが条件です。現金払いで領収書がない場合は出金伝票を作成する方法もあります。
- 経費の領収書はいつまで保管する必要がありますか?
-
所得税法上、帳簿・書類の保存期間は原則7年間です(青色申告者)。白色申告者でも5年間の保存が義務付けられています。電子帳簿保存法の要件を満たした電子保存でも代替可能です。
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