「どこまで経費にできるのか、毎年迷う……」フリーランス・個人事業主なら誰もが感じる悩みですよね。経費を正しく計上すれば税負担を大きく減らせますが、間違えると税務調査で指摘を受けるリスクもあります。
この記事では、2026年最新の情報をもとに個人事業主が計上できる経費の種類・勘定科目一覧から、自宅兼事務所の家事按分計算、freeeでの入力方法、よくある疑問のQ&A、税務調査で狙われやすいNG事例まで徹底解説します。
経費ってどこまで認められるんですか?なんか怖くて全然計上できていないんですが……
そのまま放置してたら、払わんでええ税金を払い続けることになるで!基本ルールさえ押さえたら、びっくりするくらい節税できるから、一緒にちゃんと整理しよか。
個人事業主が計上できる経費の基本ルール(「事業関連性」の原則)
個人事業主が経費として計上できる費用には、明確なルールがあります。所得税法では、経費(必要経費)を次のように定義しています。
「その年において収入金額を得るために直接要した費用」(所得税法第37条)
つまり、経費として認められるためには以下の条件を満たす必要があります。
- 事業に直接関連している:プライベートの支出は原則NG
- 収入を得るために必要だった:支出と売上の因果関係が説明できる
- 実際に支払っている:証拠書類(領収書・レシート)が存在する
「事業に関係していること」が大事なんですね。でも、プライベートと仕事が混じることもあるんですが、それはどうしたらいいですか?
ええ質問やな!それが「家事按分」っていうやつや。後でしっかり説明するから、まずは経費の種類から把握しよか。
国税庁の公式情報でも確認できます:国税庁「No.2210 やさしい必要経費の知識」
経費の種類一覧(カテゴリ別)
まず、個人事業主が計上できる主な経費を勘定科目別に一覧で確認しましょう。下の表は、よく使う経費の種類・勘定科目・計上条件をまとめたものです。
| 経費の具体例 | 勘定科目 | 計上の条件・注意点 |
|---|---|---|
| 電車・バス・新幹線(出張・打合せ) | 旅費交通費 | 事業目的であること。ICカード明細で代替可 |
| タクシー代 | 旅費交通費 | 深夜・遠距離など合理的理由があれば可 |
| ガソリン代・高速料金 | 旅費交通費 | 事業使用分のみ。自家用車は按分必要 |
| 宿泊費(出張) | 旅費交通費 | 業務上の出張であること。豪華すぎる宿は要注意 |
| 携帯電話料金 | 通信費 | 業務専用なら全額。兼用は按分(例:80%) |
| インターネット回線費用 | 通信費 | 自宅兼用は按分。業務専用回線は全額可 |
| 郵便代・宅配便 | 通信費 | 業務上の送付物に限る |
| PCソフト・SaaS(月額) | 通信費または消耗品費 | 業務用ツール(会計ソフト・デザインツール等) |
| 文房具・印刷用紙 | 消耗品費 | 単価10万円未満の物品 |
| PCマウス・キーボード等の周辺機器 | 消耗品費 | 10万円未満なら一括経費化可 |
| プリンターインク・トナー | 消耗品費 | 業務使用分のみ |
| 飲食代(取引先との接待) | 接待交際費 | 参加者・目的をメモしておくこと |
| 贈答品・手土産 | 接待交際費 | 取引先への贈答。1回あたりの額に注意 |
| 名刺・チラシ制作費 | 広告宣伝費 | 集客・PR目的の支出 |
| Web広告費(Google・SNS広告) | 広告宣伝費 | 事業のPRを目的とするもの |
| フリーランサーへの外注費 | 外注費 | 支払い額が年間50万円超の場合は支払調書が必要 |
| 業務委託費(コンサルタント等) | 外注費 | 契約書・請求書の保管必須 |
| 事務所家賃 | 地代家賃 | 事業専用スペースなら全額。自宅兼用は按分 |
| 業務関連の書籍・セミナー | 研修費・新聞図書費 | 事業に直接関連するもの。資格取得費は要確認 |
| PC・カメラ(10万円以上) | 減価償却費 | 耐用年数で按分。30万円未満は特例で一括可(青色のみ) |
| 国民健康保険料(事業主分) | 社会保険料 | 所得控除として申告。経費ではなく控除扱い |
| 事業用の損害保険料 | 保険料 | 事業リスクに対応した保険のみ |
こんなにたくさんあるんですね!一覧で見るとわかりやすいです。勘定科目って間違えてもいいんですか?
勘定科目は多少違ても、経費の金額が合ってたら税務上の影響はほぼないで。ただ、継続して同じ科目を使うことが大事やな。コロコロ変えると税務調査で不自然に見えるで。
では、各カテゴリをもう少し詳しく見ていきましょう。
交通費・旅費交通費
取引先への訪問、打ち合わせへの移動、出張などにかかる費用は旅費交通費として計上できます。電車・バス・新幹線・タクシー・飛行機・宿泊費が対象です。
ポイント:ICカード(Suica等)の利用明細は領収書代わりになります。また、自家用車を業務で使う場合はガソリン代・駐車場代・高速料金の按分が必要です。「距離ログ」などでメモを残しておくと税務調査でも説明しやすくなります。
通信費・インターネット費用
スマートフォン代・固定電話代・インターネット回線費用・クラウドサービス(Slack・Zoom・Adobe等)の月額費用などが含まれます。
自宅で仕事をしている場合は業務使用割合に応じた按分が必要です。一般的には60〜80%を業務用として計上するケースが多いですが、実態に合った割合を設定することが重要です。
消耗品費・備品
業務で使う文房具・用紙・PC周辺機器などで取得価額が10万円未満のものは消耗品費として一括で経費計上できます。10万円以上の場合は固定資産として減価償却が必要ですが、青色申告者は30万円未満まで一括経費化の特例(少額減価償却資産の特例)があります。
接待交際費
取引先との飲食代・贈答品・手土産代などが該当します。個人事業主には法人のような上限規制はありませんが、「事業との関連性」を証明できるかどうかが重要です。
必ず記録しておくこと:①日時、②場所(店名)、③参加者名と人数、④目的・議題。レシートの裏や会計ソフトのメモ欄に記載する習慣をつけましょう。
友達とのランチは経費にできませんか……?
残念やけど、純粋なプライベートはアウトやな。ただ、その友達が将来の顧客や紹介者になりうるなら、「営業目的の情報交換」として計上できるケースもある。でも度を超えたら税務調査でアウトになるから、ほどほどにな!
広告宣伝費
事業のPRや集客を目的とした支出です。Google広告・SNS広告・名刺・チラシ・ポスター・Webサイト制作費・SEO対策費などが含まれます。ランディングページ制作費やポートフォリオサイトの費用も該当します。
外注費・業務委託費
デザイン・ライティング・システム開発など、他のフリーランサーや企業に外注した費用は外注費として計上できます。
注意点:同一人物への年間支払額が50万円を超える場合、確定申告時に「支払調書」の提出が必要です(源泉徴収の義務も発生します)。請求書・契約書は必ず保管しましょう。
賃借料・地代家賃
事業専用の事務所を借りている場合は家賃全額が経費になります。コワーキングスペースの月額利用料や時間課金も同様です。
自宅を事務所として使っている場合は、使用面積の割合で按分します(詳しくは後述の家事按分セクションで解説)。
研修費・書籍代
業務に直接関係する知識・スキルを習得するための費用です。新聞図書費(業務関連書籍・専門誌)と研修費(セミナー・講座受講料)に分けて計上するのが一般的です。
なお、資格取得費用は「業務との直接的な関係」が問われます。現在の事業に直結する資格(例:ITエンジニアの技術資格)は認められやすいですが、まったく関係ない分野は難しいです。
保険料・社会保険料
事務所や仕事用機材の損害保険料は保険料として経費計上できます。一方、国民健康保険料・国民年金保険料は「経費」ではなく所得控除(社会保険料控除)として申告する点に注意してください。控除の効果は同等ですが、記入場所が違います。
減価償却費
取得価額10万円以上の資産(PC・カメラ・車・機械など)は、耐用年数に応じて毎年少しずつ経費化する「減価償却」が必要です。
例:ノートPC(30万円、耐用年数4年)→ 毎年75,000円を減価償却費として計上
青色申告者の特例:取得価額30万円未満の資産は、購入年に一括で全額経費化できます(少額減価償却資産の特例、年間300万円上限)。これは青色申告の大きなメリットのひとつです。
青色申告にするとお得なんですね!まだ白色申告なんですが、切り替えた方がいいですか?
絶対に青色にしいや!65万円控除もあるし、特例もある。freeeとかマネフォ使えば複式簿記も自動でできるから、白色とほぼ手間変わらんで。詳しくはこの記事を参考にしてな。
青色申告65万円控除については「青色申告65万円控除の申請方法【完全ガイド】」で詳しく解説しています。
自宅兼事務所の家事按分ルール(計算例あり)
自宅で仕事をしているフリーランスの多くが悩む「家事按分」。自宅の家賃・電気代・通信費などを「業務用」と「プライベート」に分けて、業務用の割合のみ経費として計上するルールです。
家賃の按分計算
家賃の按分は「業務使用面積 ÷ 総面積」で計算します。
具体例:
- 月額家賃:120,000円
- 部屋の総面積:50㎡
- 仕事専用スペース(書斎コーナー):10㎡
- 按分割合:10 ÷ 50 = 20%
- 月間経費計上額:120,000円 × 20% = 24,000円
- 年間経費計上額:24,000円 × 12か月 = 288,000円
仕事に使う部屋が明確に区分されている場合はその面積で計算します。リビングなど兼用スペースは「実際に仕事で使う時間の割合」を組み合わせて計算する方法もあります。
電気代・水道代の按分
電気代も同様に面積割合で按分するのが基本ですが、「使用時間」での按分も認められています。
具体例(時間割合で按分):
- 月額電気代:8,000円
- 1日の業務時間:8時間 / 在宅時間:16時間
- 按分割合:8 ÷ 16 = 50%(さらに面積割合との掛け合わせも可)
- 月間経費計上額:8,000円 × 50% × 20%(面積) = 800円
計算方法が複数あるんですね。どれで計算すればいいんですか?
一番大事なのは「合理的な根拠があること」と「毎年同じ方法で計算すること」やで。税務調査で聞かれたときにきちんと説明できる計算方法を選んで、それを継続することが大事やな。
注意:按分割合が高すぎると税務調査で指摘されるリスクがあります。家賃なら20〜30%、通信費は50〜80%が実態に合った範囲として一般的です。根拠となる計算メモは毎年保存しておきましょう。
freeeで経費を入力・仕訳する方法
日々の経費は、会計ソフトで正確に記録することが確定申告をスムーズに行うカギです。ここではfreeeでの入力方法を解説します。
freeeで経費を登録する基本手順
- freeeにログイン → 左メニュー「取引」→「取引の一覧・登録」をクリック
- 「支出」タブを選択し「取引を登録」をクリック
- 日付:領収書の日付を入力
- 勘定科目:「通信費」「旅費交通費」などを選択(検索で絞り込める)
- 金額:支払金額を入力
- 摘要:「○○株式会社との打ち合わせのための交通費」など目的を記入
- 証憑(領収書)をスキャン・撮影してアップロード
家事按分の設定方法
freeeでは経費を登録する際に「家事按分」の設定ができます。
- 取引登録画面で「家事按分」スライダーをオン
- 事業用の割合(%)を入力(例:20%)
- freeeが自動で事業用分と家事用分に分けて仕訳を生成してくれます
freeeを使った確定申告の全体的な流れは「【2026年版】freeeで確定申告する方法・完全ガイド」をご覧ください。
マネーフォワード クラウドでの入力方法
マネーフォワード クラウドでも同様の操作が可能です。「手動で仕訳を追加」から勘定科目・金額・摘要を入力し、家事按分の割合を設定します。
マネーフォワードを使った確定申告の方法は「【2026年版】マネーフォワード クラウドで確定申告する完全ガイド」で詳しく解説しています。
freeeもマネフォも、家事按分を自動でやってくれるんですね。これなら難しくなさそうです!
そやで!銀行口座やクレカを連携すれば、ほとんどの経費が自動取り込みされるからめちゃくちゃ楽やで。確定申告前に慌てなくて済むから、早めに設定しておくのが正解やな。
経費のグレーゾーンQ&A(よくある疑問5つ)
「これって経費になる?」という疑問を5つのQ&A形式で解説します。
Q1. スーツや仕事着は経費になる?
A:基本的には認められません。スーツや洋服は「プライベートでも着られる」と判断されるため、原則として経費計上は難しいです。ただし、仕事専用のユニフォーム・作業着(ロゴ入りで私服として着られないもの)は経費として認められます。
Q2. 自動車は経費にできる?
A:事業での使用割合に応じた按分が必要です。営業・配達・出張など業務で車を使う場合、ガソリン代・車検代・任意保険料・駐車場代などを使用割合で按分して経費計上できます。走行距離ログや業務記録を残すことが重要です。
Q3. 自宅の食費・外食代は経費になる?
A:プライベートの食事は経費になりません。取引先との打ち合わせを兼ねた飲食は接待交際費として計上できますが、一人での作業中の食事(在宅ランチなど)は経費にはなりません。
Q4. 家族へ支払った給与は経費になる?
A:青色申告者なら「青色事業専従者給与」として経費計上できます。白色申告では最大86万円の「専従者控除」のみ適用可能です。青色の場合は事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出する必要があります。
Q5. 趣味のカメラや機材は経費になる?
A:業務に実際に使っている場合は計上可能ですが、グレーゾーンです。フォトグラファーや動画クリエイターなど、カメラが本業の道具であれば問題ありません。ただし「趣味も兼ねている」場合は使用割合の按分が必要で、100%経費計上すると税務調査で指摘されるリスクがあります。
スーツが経費にならないのは残念ですね……。確定申告って青色と白色でそんなに違うんですね。
青色と白色の違いは経費以外にもたくさんあるから、ぜひこっちも読んでみて!
青色申告と白色申告の詳しい違いは「青色申告と白色申告の違いを完全比較【2026年版】どちらを選ぶべきか」で解説しています。
税務調査で指摘されやすい経費NG事例3選
経費の計上は「正しく」行うことが大切です。以下のケースは税務調査で問題になりやすいので注意しましょう。
NG事例1:領収書のない経費計上
領収書・レシートがない支出を経費として計上すると、税務調査で否認されるリスクが高いです。電子マネーやクレジットカードの明細でも代替できますが、金額・日付・支払先が確認できるものを必ず保管してください。
解決策:freeeやマネーフォワードのスマホアプリで、支払い直後に領収書を撮影・保存する習慣をつけましょう。法律上、電子保存の要件(電子帳簿保存法)を満たせば紙の保管は不要です。
NG事例2:家事費と事業費の混在(按分なし)
自宅の家賃・電気代・通信費を按分せずに全額経費計上しているケースは、税務調査で真っ先に指摘されます。「自宅兼事務所なのに家賃100%計上」は明らかに不自然で、追徴課税の対象になります。
解決策:使用面積・使用時間を記録し、合理的な割合で按分した根拠をメモとして残しておきましょう。
NG事例3:プライベートな旅行・食事を「出張費」「接待費」として計上
家族旅行を「社員旅行(家族が従業員の場合)」や「取材旅行」として全額経費計上するケースは、税務調査で強く疑われます。目的・相手・業務との関連性を説明できない支出は、たとえ領収書があっても否認されます。
解決策:出張・接待の際は「誰と・どこで・何の目的で」を当日中にメモしておく。業務日誌を残しておくと税務調査でも説明しやすくなります。
税務調査って怖いですね……。普段からきちんと記録していれば大丈夫なんですか?
そや!「正直に・合理的に・証拠つきで」計上していたら、税務調査が来ても怖くないで。後ろめたいことなければ堂々とできる。日頃の記録管理が一番大事な節税やと思ってや。
まとめ:経費計上の3原則を守れば怖くない
個人事業主の経費計上は、以下の3原則を守ることが基本です。
- 事業との関連性が明確であること:「なぜこの支出が事業に必要か」を説明できる
- 証拠書類(領収書等)を保管すること:最低7年間の保管義務あり
- 家事費との按分を合理的に行うこと:根拠となる計算方法を記録しておく
freeeやマネーフォワードを使えば、これらの管理が格段に楽になります。まだ会計ソフトを使っていない方は、ぜひこの機会に導入を検討してみてください。
確定申告全体の流れや青色申告のメリットについては以下の関連記事もご覧ください。
よくある質問(FAQ)
- 個人事業主が経費として認められる基準は何ですか?
- 「事業に直接関連しており、収入を得るために必要だった支出」であることが基本条件です。所得税法第37条に規定されており、国税庁のWebサイト(nta.go.jp)でも確認できます。領収書など証拠書類の保管も必須です。
- 家事按分の割合はどのくらいが適切ですか?
- 一般的に家賃は20〜30%、通信費は50〜80%が実態に合った範囲として認められやすいです。ただし、実際の使用実態に合った割合を設定することが最も重要で、合理的な根拠(面積・時間等)を計算して記録しておく必要があります。
- 10万円以上のPCを購入しました。全額経費にできますか?
- 白色申告の場合は取得価額10万円以上の資産は減価償却が必要です(PCの耐用年数は4年)。青色申告者であれば30万円未満の資産を購入年に一括経費化できる「少額減価償却資産の特例」が利用できます(年間合計300万円まで)。
- 領収書をなくしてしまいました。経費計上できませんか?
- クレジットカードの明細・銀行の振込記録・ICカードの利用履歴などでも代替できる場合があります。ただし、金額・日付・支払先が確認できることが条件です。現金払いで領収書がない場合は出金伝票を作成する方法もあります。なお、今後はfreee等の会計アプリで領収書を都度撮影する習慣をつけることをおすすめします。
- 経費の領収書はいつまで保管する必要がありますか?
- 所得税法上、帳簿・書類の保存期間は原則7年間です(青色申告者)。白色申告者でも5年間の保存が義務付けられています。電子帳簿保存法の要件を満たした電子保存でも代替可能です。紙の領収書は劣化・紛失のリスクがあるため、スキャン保存しておくことをおすすめします。
【免責事項】本記事は2026年2月時点の法令・税制に基づく一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断については、お近くの税理士または税務署にご相談ください。税法は改正されることがあるため、最新情報は国税庁公式サイト(nta.go.jp)でご確認ください。


コメント