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「領収書、いつまで保管すればいいの?」「スキャンして原本を捨てても大丈夫?」「経費の計上漏れが心配……」——確定申告が近づくと、こうした疑問や不安を抱える個人事業主・フリーランスの方は少なくありません。2026年は電子帳簿保存法の「優良な電子帳簿」制度が実務フェーズに入り、対応次第で青色申告特別控除の拡大も見込める重要な年です。
この記事では、領収書・帳簿書類の正しい保存期間(青色申告・白色申告・法人別)から、紙の領収書の整理方法、電子帳簿保存法に基づくスキャナ保存・電子取引データ保存の要件、経費として認められる支出の考え方、減価償却費の取り扱い、領収書を紛失した場合の対応まで、国税庁の一次情報に基づき公認会計士試験合格者が完全解説します。
この記事のポイント(先に結論)
- 領収書等の保存期間は青色申告者が原則5年(帳簿・決算関係書類は7年)、白色申告者は5年、法人は原則7年(欠損金の繰越控除がある場合等は10年)と、区分ごとに異なる
- 電子取引データ(メールやクラウドサービスで受け取った領収書・請求書等)は2024年1月から電子保存が完全義務化され、紙への印刷保存は原則認められない
- 紙の領収書はスキャナ保存の要件(タイムスタンプ付与等)を満たせば原本を廃棄可能だが、要件を満たせない「相当の理由」がある場合は無期限の猶予措置もある
- 経費として認められるには事業関連性・必要性・証拠書類の保存の3要件が基本で、少額減価償却資産(2026年4月以降取得分は40万円未満に拡大)の特例など見落としやすい規定も多い
ぜいむたん


領収書の保存期間一覧(2026年版)
個人事業主の場合
- 青色申告者:帳簿(仕訳帳・総勘定元帳等)・決算関係書類、および現金預金取引等関係書類(領収書・預金通帳・小切手控など)は7年間(現金預金取引等関係書類は前々年分の所得が300万円以下なら5年)、請求書・見積書・契約書等その他の書類は5年間保存(国税庁「記帳や帳簿等保存・青色申告」)。ただし消費税の課税事業者が仕入税額控除の要件として保存する請求書等・適格請求書(インボイス)の写しは7年間保存が必要
- 白色申告者:収入金額・必要経費を記載した法定帳簿は7年間、それ以外の任意帳簿と領収書等の書類は5年間保存(国税庁 No.2080「白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」)
法人の場合
法人は、帳簿・書類ともに原則7年間の保存が必要です。青色申告書を提出した事業年度に生じた欠損金の繰越控除を受ける場合は10年間(平成30年4月1日前に開始した事業年度は9年間)の保存が必要になります(国税庁 No.5930「帳簿書類等の保存期間」)。
図1:領収書・帳簿書類の保存期間早見表
青色申告者
帳簿・決算・現金預金取引等関係書類(領収書等):7年(領収書等は前々年所得300万円以下で5年)
その他の書類(請求書等):5年(インボイス関係は7年)
白色申告者
法定帳簿:7年
任意帳簿・書類:5年
法人
原則7年
欠損金繰越控除あり:10年
保存期間の起算日
保存期間は、その書類に関連する確定申告の期限日の翌日から起算します。例えば2026年分の確定申告期限は2027年3月15日なので、2026年中に受け取った領収書(現金預金取引等関係書類)の保存期限は、青色申告者なら原則7年で2034年3月15日(前々年分の所得が300万円以下の場合は5年で2032年3月15日)、請求書等その他の書類(5年)は2032年3月15日となります。






紙の領収書の保管方法
基本的な整理方法
- 日付順に整理:受け取った日付順にまとめる
- 月別にファイリング:月ごとに封筒やクリアファイルに分けて保管
- 勘定科目別に分類:「交通費」「消耗品費」「接待交際費」など科目別に分ける方法もあるが、月別の方が管理しやすいケースが多い
- ノートに貼り付ける:小さなレシートはA4ノートに日付順に貼り付けて保管
クラウド会計ソフトを併用する場合は、月別に分けた領収書を科目別にさらに分類しながら入力していくと、銀行口座・クレジットカードの明細との突合もスムーズに進みます。
感熱紙レシートの劣化対策
コンビニやスーパーのレシートに使われる感熱紙は、時間が経つと文字が薄くなり判読できなくなる場合があります。対策として、受け取った時点でコピーを取るか、スマホで撮影して電子データとしても保存しておくことをおすすめします。
電子帳簿保存法に基づく電子保存
スキャナ保存(紙→電子)
紙の領収書をスキャナやスマホで読み取り、電子データとして保存する方式です。電子帳簿保存法の要件を満たせば、紙の原本を廃棄することも可能になります。主な要件は次の通りです。
- 解像度200dpi以上でスキャン(重要書類はカラー画像での保存が必要)
- タイムスタンプの付与、または訂正削除の記録が残るシステムの利用のいずれかが必須(国税庁「電子帳簿保存法一問一答Ⅱ適用要件【基本的事項】」)
- 入力期間内(最長約2か月+7営業日以内)にスキャンすること
クラウド会計ソフトのスマホアプリを使えば、撮影するだけでこれらの要件を自動的に満たすことができます。ただし、スキャナ保存の運用を始めたばかりの頃は、しばらく紙の原本も手元に残しておくと安心です。
電子取引データ保存(2024年1月〜義務化)
メールやクラウドサービスで受け取った領収書・請求書等の電子取引データは、2024年1月1日から電子データのまま保存することが完全義務化されています(2023年12月31日で宥恕措置は終了)。印刷して紙で保存することは、原則として認められません(国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」)。対象となる電子取引データの具体例は次の通りです。
- メールで受け取った請求書・領収書のPDF
- ECサイトの購入履歴・電子レシート
- クラウドサービスの利用明細
- 電子決済サービスの取引履歴
保存の要件は、真実性の確保(タイムスタンプ付与、または訂正削除の記録が残るシステムの利用)と検索機能の確保です。最も簡単な対応は、ファイル名に「日付_金額_取引先名」を入れてフォルダに保存し、事務処理規程を備え付けることです(国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」)。なお、要件どおりに保存できなかったことについて所轄税務署長が「相当の理由」があると認める場合は、電子データをダウンロードの求めに応じられるようにし、書面に出力して提示・提出できるようにしておけば、改ざん防止・検索要件を満たさなくてもよい猶予措置があります。この猶予措置に期限はなく、事前の申請手続きも不要です。
図2:電子帳簿保存法の3つの保存要件
真実性の確保
タイムスタンプ付与、または訂正削除の記録が残るシステムの利用のいずれかが必須。
検索機能の確保
日付・金額・取引先の3項目で検索できる状態にしておく。
「相当の理由」による猶予措置
ダウンロードの求め・書面提示に応じられれば、期限なし・事前申請不要で要件を緩和。






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領収書の電子保存も確定申告ソフトで一気に効率化
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マネーフォワード クラウド確定申告を見る →経費管理を効率化するコツ
事業用とプライベートを分ける
経費管理の基本は、事業用の銀行口座とクレジットカードを分けることです。プライベートの支出と混在すると、仕分けに時間がかかり、経費の漏れや計上ミスが発生しやすくなります。
クラウド会計ソフトで自動化
クラウド会計ソフトを使えば、銀行口座やクレジットカードの明細が自動で取り込まれ、AIが勘定科目を推定して仕訳を提案してくれます。レシート撮影による経費入力も可能で、手入力の手間を大幅に削減できます。
こまめな記帳が節税に直結
経費を漏れなく計上するためには、日々のこまめな記帳が重要です。「後でまとめてやろう」と溜め込むと、レシートを紛失したり、何の支出だったか思い出せなくなったりします。スマホアプリを活用して、支出が発生したらすぐに記録する習慣をつけましょう。






領収書を紛失した場合の対応
再発行を依頼する
まず、支払先に領収書の再発行を依頼しましょう。多くの店舗やサービスでは再発行に応じてもらえます。再発行された領収書には「再発行」と記載されるのが一般的です。
代替書類で証明する
領収書の再発行ができない場合でも、以下の代替書類があれば経費として認められる可能性があります。
- クレジットカードの利用明細
- 銀行の振込明細
- メールの注文確認書・受領書
- 出金伝票(自分で作成。日付・金額・支払先・内容を記載)
出金伝票は自分で作成できますが、他の証拠書類と合わせて使用することで信頼性が高まります。出金伝票だけで高額な経費を計上するのはリスクが高いため、注意してください。
交通費など領収書が出ない経費
電車やバスの交通費など、領収書が発行されない経費は、交通費精算書(出金伝票)を作成して記録します。日付・利用区間・金額・目的を記載し、ICカードの利用履歴を印刷して添付するとより確実です。
経費として認められる支出の基本
経費(必要経費)として認められるためには、①事業との関連性(事業の遂行に直接関係する支出であること)、②必要性(事業の売上を得るために必要な支出であること)、③証拠書類の保存(領収書・レシート・請求書等で支出を証明できること)の3要件を満たす必要があります。「事業に関連するかどうか」が曖昧な場合は、事業使用割合に応じた家事按分で対応します。主な経費項目を紹介します。
- 地代家賃:事務所・店舗の家賃(自宅兼事務所の場合は家事按分)
- 通信費:インターネット、電話、サーバー代
- 旅費交通費:電車、タクシー、出張費
- 消耗品費:文房具、10万円未満のPC周辺機器
- 接待交際費:取引先との飲食費(参加者・目的をメモ)
- 水道光熱費:事務所の電気・ガス・水道(自宅兼用は家事按分)
- 広告宣伝費:名刺、チラシ、Web広告
- 外注費:業務委託先・税理士等への支払い
- 新聞図書費:業務関連の書籍・新聞・有料メルマガ
- 研修費:業務関連セミナー・オンライン講座・資格取得費用(業務に直接関連する場合)
減価償却費の取り扱い(少額資産の特例に注意)
10万円以上のパソコンや車両、オフィス家具などは、取得時に全額を経費にできず、耐用年数に応じて減価償却費として複数年にわたり経費計上します。主な資産の耐用年数の目安は、パソコン4年、普通車6年(軽自動車4年)、ソフトウェアは自社利用3年・購入(市販)5年です。
見落とされがちなのが、少額資産の特例です。10万円以上20万円未満の資産は「一括償却資産」として3年間で均等償却できます。さらに青色申告者(中小企業者等)は取得価額40万円未満の資産を、年間合計300万円まで取得年に全額経費計上できる「少額減価償却資産の特例」が使えます。この特例は令和8年度税制改正により、対象となる取得価額の上限が30万円未満から40万円未満へ拡大され、2026年(令和8年)4月1日以降に取得した資産から適用されています(適用期限も令和11年3月31日まで延長)。この特例を活用すれば、資産の分割償却の手間を省きつつ、その年の節税効果も得られます。
図3:資産の取得価額別・経費計上ルール早見表
10万円未満
取得年に全額を経費計上(消耗品費等)。
10万円以上20万円未満
一括償却資産として3年均等償却が可能。
40万円未満(青色申告者・2026年4月以降取得分)
少額減価償却資産の特例で取得年に全額経費化(年間300万円まで/令和8年度税制改正で30万円未満から拡大)。
見落としやすい経費10選
- 銀行の振込手数料(支払手数料として経費計上可能)
- クレジットカードの年会費(事業用カードの場合)
- 自宅の固定資産税(自宅兼事務所の場合、面積按分で一部経費化)
- 自動車税・車検代(事業使用分を按分)
- 引越し費用(事業用スペースの移転に伴う場合)
- 名刺・ショップカード印刷代
- 会計ソフトの利用料
- 業界団体の年会費・組合費
- 打ち合わせ時のカフェ代(会議費として計上)
- 事業用の損害保険料
これらは「事業に関連する支出」であることの説明さえできれば経費として計上可能ですが、按分割合の根拠や利用目的のメモを残しておくことが重要です。
2026年最新:電帳法改正と領収書管理の変更点
2026年は電子帳簿保存法の優良な電子帳簿制度が実務フェーズに入る重要な年です。対応することで、令和8年度税制改正により青色申告特別控除が65万円→75万円に拡大されます(適用開始は令和9年分=2027年分の申告から)。
優良な電子帳簿と75万円控除の条件
- 訂正・削除の履歴が自動記録される会計システムで帳簿を作成・保存
- 帳簿間の相互関連性が確認できる(仕訳帳と総勘定元帳が連動)
- 日付・金額・取引先で検索できる(検索要件の確保)
- 「国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等の届出書」を税務署に提出(2026年中に完了推奨)
- e-Taxによる電子申告
クラウド会計ソフトでの設定手順
- ソフトの設定画面から「電子帳簿保存法設定」を有効化
- 「国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等の届出書」を税務署に提出
- 2026年12月31日までに完了することで、2027年分申告(2028年3月提出分)から75万円控除が適用
2026年版 領収書・電帳法対応チェックリスト
- ☑ 電子取引データ(メールPDF等)は会計ソフトにアップロードして電子保存済み
- ☑ 紙の領収書はスキャナ保存に移行(任意だが原本廃棄が可能に)
- ☑ 感熱紙レシートはスマホ撮影でバックアップ済み
- ☑ 優良な電子帳簿の設定有効化+届出書を2026年中に提出






マネーフォワード クラウド確定申告の領収書管理機能
2026年の電帳法対応をするなら、スキャナ保存・電子取引データ保存・優良な電子帳簿の3つを一括でカバーできるクラウド会計ソフトの導入が効率的です。マネーフォワード クラウド確定申告は、2,400以上のサービス連携で銀行口座・クレジットカードの明細を自動取得でき、スマホでのレシート撮影によるスキャナ保存対応、電帳法・優良な電子帳簿・75万円控除にも対応しています。
よくある質問(FAQ)
- レシートと領収書はどちらが有効ですか?
-
税務上、レシートも領収書と同等に有効です。むしろ、品名・数量が印字されるレシートの方が、「品代」とだけ記載された領収書よりも証拠能力が高いケースがあります。ただし、感熱紙のレシートは経年劣化で文字が消えるリスクがあるため、コピーや撮影での電子保存を併用しましょう。
- 領収書の宛名は「上様」でも大丈夫ですか?
-
税務上は、宛名が「上様」でも経費として認められないわけではありません。ただし、税務調査で質問される可能性が高まるため、正式な氏名・屋号での領収書を受け取ることをおすすめします。なお、インボイス制度のもとでは、適格請求書に受領者の氏名記載が必要ですが、適格簡易請求書(小売業等が発行)は受領者名が不要です。
- 電子保存した後の紙の領収書は捨ててもいいですか?
-
電子帳簿保存法のスキャナ保存の要件(タイムスタンプ付与等)を満たしていれば、紙の原本は廃棄可能です。ただし、初めてスキャナ保存を始める際は、しばらく紙の原本も併せて保管し、運用が安定してから廃棄することをおすすめします。
- 領収書をなくしてしまった場合、経費計上できませんか?
-
領収書がなくても、出金伝票を作成すれば経費計上が可能です。日付・金額・支払先・内容を記載した出金伝票を保管しましょう。クレジットカードの利用明細や銀行の振込明細、メールの注文確認書も代替書類として有効です。ただし、出金伝票のみの経費が多いと税務調査で指摘を受ける可能性があるため、領収書の管理を徹底することが重要です。
- 優良な電子帳簿の届出をすると青色申告特別控除はいくらになりますか?
-
令和8年度税制改正により、2027年分申告(2028年3月提出)から青色申告特別控除が65万円→75万円に拡大されます。条件は①優良な電子帳簿での保存②届出書を税務署に提出③e-Tax申告の3点です。クラウド会計ソフトの多くは優良な電子帳簿の要件を満たしており、設定有効化と届出書提出で準備できます。
- プライベートと事業の両方で使っているものは全額経費にできますか?
-
全額ではなく、事業使用割合に応じた家事按分が必要です。例えば、スマートフォン料金を70%事業使用している場合は70%のみ経費計上できます。按分割合は、使用時間・面積・走行距離等の合理的な根拠に基づいて算出し、その根拠をメモとして残しておきましょう。
まとめ:領収書・経費管理は「保存期間」と「電子保存」の両輪で対応する
領収書・帳簿書類の保存は、青色申告・白色申告・法人で保存期間が異なるうえ、2024年からの電子取引データ保存義務化、2026年からの優良な電子帳簿制度と、対応すべきルールが増えています。次のステップで自分の状況を確認しましょう。
青色申告者は帳簿・決算関係書類7年/書類は原則5年、白色申告者は法定帳簿7年/その他5年、法人は原則7年(欠損金繰越控除がある場合は10年)です。
メールやクラウドサービスで受け取った領収書・請求書は、2024年1月から電子保存が完全義務化されています。真実性の確保・検索要件を満たしましょう。
タイムスタンプ付与等の要件を満たせば紙の原本は廃棄可能です。まずは運用が安定するまで原本も保管しておきましょう。
事業関連性・必要性・証拠書類の保存を基本に、2026年4月以降は40万円未満に拡大された少額減価償却資産の特例など見落としやすい規定も活用しましょう。
本記事は執筆時点の一般的な解説です。帳簿書類の保存期間、電子帳簿保存法の要件・猶予措置は国税庁が公表済みの確定内容ですが、個別の適用可否は状況により異なります。最新情報は国税庁「記帳や帳簿等保存・青色申告」・国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」でご確認のうえ、個別の判断は税理士等の専門家にご相談ください。



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経費管理も確定申告ソフトで効率化
マネーフォワード クラウド確定申告なら、銀行口座・カードと連携して仕訳を自動作成。レシート撮影でスキャナ保存にも対応し、e-Taxで65万円控除・優良な電子帳簿で75万円控除まで見据えた経費管理ができます。
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