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【結論】106万円の壁は2026年10月に撤廃へ
ぜいむたん


2025年6月に改正年金関連法が公布され、社会保険の加入要件が大幅に見直されます。パートで働く人にとっては「手取りが減るかも」と心配な改正ですが、正確な内容を把握しておくことが重要です。ここでは3つのポイントを押さえましょう。
この記事の3大ポイント
- 「月8.8万円以上」の賃金要件は2026年10月に撤廃(施行は政令で確定)
- 「週20時間以上」の要件は撤廃されない(最大の誤解ポイント)
- 中小企業向けに3年間の経過措置とキャリアアップ助成金(最大75万円)あり
そもそも「106万円の壁」とは?現行の社会保険 加入5要件






現行(2026年9月まで)の社会保険加入には、以下5つの要件をすべて満たす必要があります。
| 要件 | 内容 | 2026年10月以降 |
|---|---|---|
| ① 労働時間 | 週所定労働時間 20時間以上 | 維持 |
| ② 賃金 | 月額賃金 8.8万円以上(所定内) | 撤廃 |
| ③ 雇用期間 | 2か月超の雇用見込み | 維持 |
| ④ 学生除外 | 学生でない(夜間・定時制等は除く) | 維持 |
| ⑤ 企業規模 | 従業員51人以上の企業 | 段階撤廃 |
出典: 厚労省「社会保険の加入対象の拡大について」(②⑤が撤廃対象)
何がいつ変わる?賃金要件の撤廃と企業規模要件の段階スケジュール






2025年6月に公布された改正法は、「公布から3年以内かつ全国最低賃金1,016円以上」を確認したうえで政令で施行日を確定する仕組みです。現時点での予定は以下の通りです。出典: 厚労省「年収の壁への対応」
| 時期 | 変更内容 | 対象企業規模 |
|---|---|---|
| 2026年10月(予定) | 賃金要件(月8.8万円)撤廃 | 現行:51人以上の企業 |
| 2027年10月 | 企業規模要件の段階撤廃 開始 | 36人以上の企業に拡大 |
| 2029年10月 | 企業規模要件のさらなる撤廃 | 21人以上の企業に拡大 |
| 2032年10月 | 企業規模要件の撤廃継続 | 11人以上の企業に拡大 |
| 2035年10月 | 企業規模要件 完全撤廃 | 10人以下を含む全企業 |
施行日の確定について(公認会計士試験合格者による補足)
改正法は「公布日(2025年6月)から3年以内に、全国加重平均最低賃金が1,016円以上となった時点で政令で施行日を確定」という仕組みです。現時点では2026年10月が有力視されていますが、最低賃金の動向によっては前後する可能性があります。最新情報は厚労省サイトをご確認ください。
手取りはいくら減る?年収別シミュレーション(独自試算・前提明示)






年収別・手取り減少額の概算(2026年度保険料率)
| 年収 | 月収(概算) | 社保料(月・本人負担概算) | 年間手取り減少額(概算) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 年収100万円 | 約8.3万円 | 約1.2万円 | 約14万円 | 週20h以上なら2026年10月から加入対象に |
| 年収120万円 | 約10万円 | 約1.4万円 | 約17万円 | 標準報酬月額10万円で計算 |
| 年収150万円 | 約12.5万円 | 約1.8万円 | 約21万円 | 標準報酬月額12.6万円で計算 |
上記はあくまで概算です。ただし、社会保険に加入することで将来の年金受給額が増える・傷病手当金や出産手当金が受給できるなどのメリットもあります。手取りの減少だけでなく、将来の給付も含めた総合的な判断が重要です。
社会保険加入のメリット
- 傷病手当金(最長1年半)
- 出産手当金
- 厚生年金で将来の年金↑
- 健保の高額療養費適用
社会保険加入のデメリット
- 手取り減少(月1〜2万円規模)
- 配偶者の扶養から外れる
- 確定申告が必要になる場合も
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よくある誤解
「106万円の壁がなくなったら、どんなパートでも社会保険に入らないといけない」
正確な理解
「週20時間以上かつ2か月超の雇用見込みかつ学生でない」の条件は引き続き必要。賃金月額8.8万円の条件だけが撤廃される。
ケース別:新ルール適用前後の比較
| ケース | 2026年9月まで | 2026年10月以降 |
|---|---|---|
| 週25時間・月7万円のパート(51人以上企業) | 対象外 | 加入対象 |
| 週15時間・月12万円のパート | 対象外 | 対象外(週20h未満) |
| 週30時間・月15万円のパート(51人以上企業) | 加入対象 | 加入対象(変わらず) |
| 週20時間・月6万円のパート(20人以下企業) | 対象外 | 対象外(2035年まで) |
新たに加入する人・中小企業の負担軽減(経過措置・キャリアアップ助成金)






経過措置とキャリアアップ助成金の概要
経過措置(3年間)
対象: 従業員50人以下の企業で新規加入する、標準報酬月額12.6万円以下の短時間労働者
内容: 3年間、事業主の負担割合を増やし本人負担を軽減(具体的な軽減率は厚労省の今後の発表を要確認)
キャリアアップ助成金
対象: 短時間労働者を社会保険に加入させた事業主
内容: 労働者1人あたり最大75万円の助成(要件・申請手続きの詳細は厚労省・都道府県労働局へ確認)
キャリアアップ助成金の具体的な要件・申請手続きは制度改正に合わせて随時更新されます。最新情報は所轄の都道府県労働局またはハローワークにご確認ください。
いま準備すべきこと(パート本人の対応/企業 経理・総務の対応ステップ)






パート・アルバイト本人が確認すること
週20時間以上なら2026年10月から加入対象になる可能性がある。シフト表や雇用契約書で確認しよう。
51人以上なら2026年10月、それ以下なら段階的に対象となる。会社の総務や経理に確認しよう。
配偶者の扶養に入っている場合、年収・保険加入の変化が103万・130万の壁にも影響する。マネーフォワード クラウド確定申告のシミュレーション機能が便利。
社会保険加入後の将来年金・給付と手取り減を総合的に判断する。不明点は社会保険労務士や会社の担当部署に相談しよう。
企業(経理・総務)が対応すること
- パート・アルバイトの労働条件(週時間・月額・雇用期間)を一覧化する — 新たに加入対象となる人を特定
- 社会保険システム・給与ソフトのアップデートを確認する — 賃金要件の除外ロジック変更が必要
- 対象者への説明・同意取得を早期に行う — 加入直前の周知では混乱が生じやすい
- キャリアアップ助成金の申請要件を確認・準備する — 事前の計画書提出が必要なケースあり
- 従業員50人以下の場合は経過措置の活用を検討する
確認期限の目安(企業向け)
- 2026年春頃: 対象者のリストアップ完了
- 2026年夏頃: 対象者への説明・同意
- 2026年9月末: システム対応・書類準備
- 2026年10月: 新ルール適用
参照すべき窓口・制度
- 日本年金機構(加入手続き)
- 都道府県労働局(助成金)
- ハローワーク(キャリアアップ助成金)
- 社会保険労務士(個別相談)
よくある質問(FAQ)






- 106万円の壁撤廃で「130万円の壁」も変わりますか?
- 130万円の壁(配偶者の被扶養者として健康保険に加入できる上限)は今回の改正では直接変わりません。ただし、社会保険に新たに加入することになった場合、配偶者の扶養から外れる判定が変わる可能性があります。配偶者の扶養や税控除への影響は個人の状況によって異なりますので、社会保険労務士や会社の担当者にご相談ください。
- 施行日は本当に2026年10月で確定ですか?
- 法律上は「公布(2025年6月)から3年以内に、全国加重平均最低賃金が1,016円以上となった時点で政令で確定」という仕組みです。2026年10月は現時点での予定であり、最低賃金の動向次第で前後する可能性があります。厚労省の最新情報をご確認ください。
- 複数の会社でパートをしている場合はどうなりますか?
- 複数の事業所に勤務している場合、各事業所での労働時間・賃金を合算して加入要件を判定するルール(二以上事業所勤務者の特例)があります。個々の状況によって判定が異なりますので、日本年金機構または社会保険労務士に相談されることをお勧めします。
- 企業が社会保険加入手続きを怠った場合のリスクは?
- 社会保険の加入義務を怠ると、行政指導・立入調査の対象となり、追徴金・延滞金が課される場合があります。また労働者からのトラブルにつながるリスクもあります。早めに対象者を洗い出し、適切に手続きを進めることが重要です。
- 社会保険に加入すると手取りが減るだけですか?メリットはないのでしょうか?
- 手取り減少は事実ですが、将来的なメリットも大きいです。厚生年金に加入することで将来の年金受給額が増え、傷病手当金(最長1年半)・出産手当金・高額療養費の適用も受けられます。長期的な視点で、手取り減少と将来給付のトレードオフを総合的に判断することをおすすめします。
まとめ:2026年10月に備えて今から動こう
政令で施行日確定。週20時間以上かつ2か月超見込みのパートが新たに加入対象に。施行日は最低賃金の動向次第で前後する可能性あり。
週19時間以下のパートは加入対象外のまま。「どんなパートでも加入必須」という誤解を広めないよう、正確な情報を確認しておこう。
36人以上→21人以上→11人以上→全企業と4段階で拡大。自社の規模に応じた対応スケジュールを今から逆算して準備する。
従業員50人以下企業は3年間の経過措置あり。キャリアアップ助成金は労働者1人最大75万円。都道府県労働局・ハローワークで要件を確認しておこう。
2026年春には対象者リストアップ完了が目安。手取り減少だけでなく将来給付も含めた総合判断を。不明点は社労士・年金事務所へ相談しよう。



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