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欠損金の繰戻し還付と繰越控除はどっちが得?計算式・判定フローと地方税の扱い【2026年版】

「今期は赤字になってしまったけれど、この欠損金はどう扱うのが一番得なんだろう…」法人の決算で欠損金が出ると、経理担当者や経営者はこの悩みに直面します。選択肢は大きく2つ、翌期以降の黒字と相殺する「繰越控除」と、前期に納めた法人税を取り戻す「繰戻し還付」です。

どちらを選ぶかで、手元に戻る資金のタイミングも、将来の税負担も変わってきます。しかも繰戻し還付には適用できる法人の範囲や時限措置といった制約もあり、「知らずに損をしていた」というケースも少なくありません。

この記事では、国税庁の一次情報(No.5762・No.5763)をもとに、繰越控除と繰戻し還付の違い、還付金額の計算式、そして自社にとってどちらが得かを判定するフローを、計算例つきで整理します。

この記事のポイント

  • 法人の欠損金は「繰越控除(翌期以降の黒字と相殺)」と「繰戻し還付(前期の法人税を取り戻す)」の2択
  • 青色欠損金は10年繰越可能・中小法人等は所得の100%まで控除できる(大法人は50%)
  • 繰戻し還付の計算式(前期の法人税額×欠損金額÷前期の所得金額)と計算例
  • 資金繰り・前期の納税実績・翌期の黒字見込みから「どちらが得か」を判定フローで選ぶ
  • 繰戻し還付は法人税だけの制度で、法人住民税は「控除対象還付法人税額」として繰り越すこと

対象読者:赤字(欠損金)が出た中小企業の経理担当者・経営者/読了の目安:約7分

目次
ぜいむたん
あの…今期赤字になった欠損金なんですけど、そのままにしておいても大丈夫なんですか?
イザーク
放置したらもったいないで!青色申告してたら、欠損金は翌期以降の黒字と相殺する「繰越控除」か、前期の法人税を取り戻す「繰戻し還付」のどっちかを選べるんやで。この記事で順番に整理していこか。

法人の欠損金とは

欠損金とは、その事業年度の損金の額が益金の額を上回った場合の、その超える部分の金額をいいます。いわゆる税務上の赤字のことで、会計上の当期純損失とは、税務調整(減価償却の償却限度超過額や交際費の損金不算入額など)の分だけ金額がずれることがあります。決算書の赤字額と、確定申告書上の欠損金額は必ずしも一致しない点に注意しておきましょう。

欠損金=損金が益金を上回った金額

法人税は「益金の額-損金の額=所得金額」に対して課税されます。この所得金額がマイナスになった場合、そのマイナス分が欠損金です。欠損金が生じた事業年度は法人税額がゼロになりますが、その欠損金を将来にどう活かすかで、その後の税負担が変わってきます。

青色申告なら2つの救済がある

欠損金が生じた事業年度に青色申告書である確定申告書を提出していれば、「繰越控除」と「繰戻し還付」という2つの救済制度を利用できます。白色申告の場合は原則としてこれらの制度を使えないため、まずは自社が青色申告を続けているかを確認しておく必要があります(国税庁 No.5762・No.5763)。

ぜいむたん
繰越控除と繰戻し還付って、同じ欠損金なら両方使えるんですか?
イザーク
それはあかんねん。同じ欠損金額を両方に二重に使うことはできひんから、どっちか選ばなあかんのや。次からそれぞれの中身を見ていこか。

繰越控除:10年間、翌期以降の黒字と相殺(No.5762)

繰越控除は、事業年度開始の日前10年以内に開始した事業年度で生じた欠損金額を、当年度の所得金額から控除できる制度です。翌期以降に黒字が出たときに、その黒字と欠損金を相殺して法人税の負担を軽くする仕組みで、最もオーソドックスに使われている救済策です。

繰越期間は10年(平成30年4月1日以後開始事業年度)

青色欠損金の繰越期間は、平成30年4月1日以後に開始する事業年度で生じた欠損金額について10年です。それより前に開始した事業年度で生じた欠損金額は9年となるため、決算期が古い法人は繰越期間を混同しないよう注意しましょう(国税庁 No.5762)。

控除限度額——中小法人等は所得の100%、大法人は50%

繰越控除には限度額があります。中小法人等はその事業年度の所得金額の100%(制限なし)まで控除できますが、中小法人等以外(大法人)は、平成30年4月1日以後開始事業年度について所得金額の50%までしか控除できません。「中小企業は全額控除できる」「大法人は半分まで」という区分を正確に押さえておくことが重要です。

繰越控除の適用要件(用語整理)
  • 欠損金が生じた事業年度に青色申告書である確定申告書を提出していること
  • その後の各事業年度について連続して確定申告書を提出していること
  • 帳簿書類を保存していること
  • 中小法人等=資本金の額または出資金の額が1億円以下の普通法人など(大法人の完全支配下にあるものなどを除く)

なお、税額控除の一種である中小企業向け賃上げ促進税制についても、控除しきれなかった金額を翌年度以降に繰り越せる制度があります。欠損金の繰越控除と混同しないよう、「所得金額に対する繰越控除(欠損金)」と「税額そのものに対する繰越控除(税額控除)」は別の制度である点を意識しておきましょう。

注意事項

「繰越期間は10年」と覚えている方も多いですが、これは平成30年4月1日以後に開始した事業年度で生じた欠損金に限られます。それより前の事業年度分は9年です。設立が古い法人や、決算期変更をした法人は、欠損金が生じた事業年度ごとに繰越期間を確認しましょう。

ぜいむたん
うちは資本金500万円の会社なんですけど、これなら欠損金を全額繰り越せるってことですよね?
イザーク
そうやで、資本金1億円以下の中小法人等やから、所得金額の100%まで控除できるんや。ただ翌期以降に黒字が出るまでは、その分の税負担軽減の効果は実感できひんから、そこは頭に入れとかなあかんで。

繰戻し還付:前期の法人税を取り戻す(No.5763)

繰戻し還付は、青色申告書を提出する法人が欠損金を生じた場合に、その欠損金額を欠損事業年度開始の日前1年以内に開始したいずれかの事業年度(還付所得事業年度)に繰り戻して、法人税額の還付を請求できる制度です。繰越控除が「未来の黒字と相殺する」のに対し、繰戻し還付は「過去に納めた税金を取り戻す」制度である点が大きな違いです。

前1年以内の事業年度に繰り戻して法人税額の還付を請求

繰戻し還付を利用できるのは、欠損事業年度開始の日前1年以内に開始した事業年度(前期)に法人税の納税実績がある場合です。前期が黒字で法人税を納めていなければ、そもそも還付を受ける税額がないため、この制度は使えません(国税庁 No.5763)。

あわせて見落とされやすいのが青色申告の要件です。繰戻し還付は「欠損金が出た年だけ青色」では足りず、還付所得事業年度(前期)から欠損事業年度の前事業年度まで、連続して青色申告書である確定申告書を提出していることが求められます。前期を白色で申告していた場合は、当期が青色でもこの制度は使えません。

還付額の計算式=前期の法人税額×欠損金額÷前期の所得金額(計算例)

還付金額は、次の式で計算します(国税庁 No.5763)。

還付金額=還付所得事業年度(前1年以内)の法人税額×(欠損事業年度の欠損金額÷還付所得事業年度の所得金額)

なお、この分数(欠損金額÷前期の所得金額)は1が上限です。欠損金額が前期の所得金額を超える場合でも、還付されるのは前期に納めた法人税額が上限となります。

たとえば、資本金500万円の中小企業者等で、前期の所得金額が500万円・法人税額が100万円(説明用のイメージ値)だったとします。当期に欠損金300万円が生じた場合、還付金額は「100万円×(300万円÷500万円)=60万円」となります。欠損金300万円は前期の所得500万円の範囲内なので、按分割合0.6がそのまま適用される計算です。

注意事項

上記の税額・税率はあくまで説明のためのイメージ(illustrative)です。中小法人の法人税率は所得800万円以下の部分と超える部分で軽減税率が異なるなど、実際の計算はより複雑になります。実際の還付額は、必ず自社の確定申告書の数値にもとづいて計算してください。

繰戻し還付を受けるための手続きは、次の流れで進めます。

STEP
欠損事業年度の確定申告書を作成する

欠損金額を確定させ、青色申告書として確定申告書を作成します。

STEP
「欠損金の繰戻しによる還付請求書」を作成する

還付所得事業年度の法人税額・所得金額をもとに、還付請求書を作成します(国税庁 C1-52)。

STEP
確定申告書と同時に納税地の所轄税務署へ提出する

還付請求書は、確定申告書の提出と同時に提出する必要があります。e-Taxでの提出も可能です。

STEP
税務署の調査を経て還付を受ける

提出後、税務署による調査を経て還付されます。申告から還付までは一定の期間を要する点も念頭に置いておきましょう。

この「調査」は繰戻し還付の手続きに組み込まれたもので、還付請求があった場合、税務署長はその請求の基礎となった事実について調査したうえで還付することとされています(法人税法80条)。実地の税務調査になるとは限らず、電話や書面で前期・当期の内容を確認されるケースもありますが、請求すれば必ず内容を確認される制度です。前期の申告内容や当期の欠損金の中身に説明しづらい点がある場合は、請求前に税理士に相談しておくと安全です。

注意事項(時限措置)

中小企業者等以外の法人(大法人)は、平成4年4月1日から令和10年3月31日までの間に終了する各事業年度に生じた欠損金額について、原則としてこの繰戻し還付制度を適用できません(令和8年度税制改正で適用期限が2年延長)。この不適用措置は延長が繰り返されてきた時限措置のため、最新の適用期限は国税庁・税制改正の情報で必ず確認してください。中小企業者等・清算中の事業年度・解散等の事実がある場合・災害損失欠損金等は例外として適用できます。

ぜいむたん
あの…うちの会社、前期けっこう法人税を納めたんですけど、繰戻し還付を使えばすぐに現金が戻ってくるってことですか?
イザーク
そうやで、中小企業者等やったら前期の法人税額を基準に還付を受けられるんや。ただし大法人は原則この制度が使えへんから、まず自社が中小企業者等に当てはまるかを確認するんが先やで。

どちらが得か——資金繰りと翌期の黒字見込みで選ぶ

繰越控除と繰戻し還付は、どちらも同じ欠損金額を活かす制度ですが、「いつ効果が出るか」がまったく違います。繰戻し還付は今すぐ現金として戻ってくるのに対し、繰越控除は翌期以降に黒字が出て初めて税負担の軽減という形で効果が出ます。次の判定フローで、自社がどちらに向いているかを確認してみましょう。

前期が黒字で今すぐ資金が必要なら繰戻し還付が向く

前期に法人税の納税実績があり、かつ資金繰りの改善を急いでいる場合は、繰戻し還付が有力な選択肢になります。申告と同時に還付請求ができるため、繰越控除より早く現金化できる可能性があります。

翌期以降に黒字化が見込めるなら繰越控除が向く

翌期以降の黒字化に自信があり、当面の資金繰りに余裕がある場合は、繰越控除で将来の税負担を軽くする方が有利になることもあります。ただし、同じ欠損金額を繰戻し還付と繰越控除の両方に使うことはできません。繰り戻した部分は繰越控除の対象から外れるため、どちらか一方を選ぶ前提で検討しましょう。

STEP 1 前期(前1年以内)に法人税の納税実績はあるか?

ある(前期が黒字)

→ 繰戻し還付が選択肢に入る

ない(前期も赤字)

→ 繰越控除のみ検討

STEP 2 自社は中小企業者等(資本金1億円以下等)か?

中小企業者等に該当すれば、繰戻し還付・繰越控除のどちらも選べます。今すぐ資金が必要なら繰戻し還付、翌期以降の黒字に自信があり資金に余裕があるなら繰越控除を検討しましょう。大法人(中小企業者等以外)は繰戻し還付が原則使えないため、繰越控除(所得の50%まで)を軸に検討します。

ぜいむたん
なるほど…うちは前期黒字で、資本金も1000万円だから、両方とも選べるんですね。
イザーク
そういうことやな!あとは「今すぐ現金が欲しいか」「翌期の黒字にどれだけ自信があるか」で決めたらええで。次の早見表でイメージつかんでいこか。

同じ欠損金でどちらが得か 早見表

先ほどの計算例(前期所得500万円・前期法人税額100万円・当期欠損金300万円)を使って、繰戻し還付を選んだ場合と繰越控除を選んだ場合を並べてみます。数値はいずれも説明用のイメージ(illustrative)です。

欠損金300万円のケース:繰戻し還付 vs 繰越控除

繰戻し還付を選んだ場合

前期法人税額100万円×(欠損金300万円÷前期所得500万円)=還付見込み額60万円。確定申告と同時に請求でき、比較的早く資金化できる。中小企業者等のみ利用可。

繰越控除を選んだ場合

欠損金300万円を10年以内の黒字と相殺。翌期に所得400万円が出れば全額控除でき、税負担軽減額はイメージで60万円相当。ただし黒字化のタイミング次第で効果は先送りになる。

選ぶときに見るポイント

今すぐ資金が欲しいか、前期に納税実績があるか、翌期以降の黒字化に自信があるか。同じ欠損金は両方に二重には使えない。

この例で両方とも60万円になるのは偶然ではありません。欠損金を「過去の黒字」にぶつけても「将来の黒字」にぶつけても、同じ税率が適用される限り最終的な金額はほぼ同じで、違うのは効果が出るタイミングと、その効果が確実かどうかだからです。繰戻し還付は申告と同時に請求でき、金額も前期の確定した数値で決まります。一方の繰越控除は、10年以内に黒字が出なければ欠損金がそのまま切り捨てられ、効果はゼロになります。

したがって「どちらが得か」は、翌期以降の黒字化にどれだけ確信があるかで決まります。黒字化の見通しが立たない、資金繰りを優先したいという場合は繰戻し還付、10年以内の黒字化に確信があり当面の資金に余裕があるなら繰越控除、というのが実務上の目安です。なお実額は前期の所得金額・法人税額(中小法人は所得800万円以下の部分に軽減税率15%)によって変わるため、必ず自社の申告数値で試算してください。

選ぶ前に押さえる制約:青色申告・大法人は繰戻し原則停止・均等割

「どちらが得か」を検討する前に、そもそも制度を使えるかどうかの制約を確認しておく必要があります。ここを見落とすと、想定していた節税・還付効果が得られないことがあります。

繰越控除・繰戻し還付とも青色申告書の提出が要件

繰越控除・繰戻し還付ともに、欠損金が生じた事業年度に青色申告書である確定申告書を提出していることが要件です。繰越控除はさらに、その後の各事業年度について連続して確定申告書を提出していることも求められます。繰戻し還付は前述のとおり、還付所得事業年度から欠損事業年度の前事業年度まで連続して青色申告書を提出していることが必要です。繰戻し還付は「欠損金の繰戻しによる還付請求書」を確定申告書と同時に提出する必要があります(国税庁 No.5762・No.5763・C1-52)。白色申告の場合は原則としてどちらも使えません。

大法人は繰戻し還付が原則停止/赤字でも均等割は課される

前述のとおり、大法人(中小企業者等以外)は繰戻し還付が原則として使えません(令和10年3月31日までの時限措置・延長される可能性あり)。また、繰越控除・繰戻し還付はいずれも法人税(国税)の話であり、法人住民税の均等割は所得が赤字(欠損)でも課される点に注意が必要です。「欠損金があれば税金がゼロになる」とは限りません。均等割の金額の目安は法人住民税の均等割の記事で確認しておきましょう。

地方税に繰戻し還付はない——「控除対象還付法人税額」として繰り越す

繰戻し還付は法人税(国税)だけの制度です。法人住民税・法人事業税には繰戻し還付の適用がなく、繰越控除で処理することになります(群馬県「法人税における欠損金の繰戻し還付に伴う法人の県民税・事業税の取扱いについて」)。

具体的には、繰戻し還付を受けた法人税額は法人住民税では「控除対象還付法人税額」として翌期以降に繰り越し、法人税割の課税標準となる法人税額から控除します(第6号様式別表2の5を添付)。法人事業税では、その事業年度の欠損金額を翌期以降に繰り越して控除します(第6号様式別表9を添付)。

つまり地方税では「今すぐ現金が戻る」のではなく「将来の税額から差し引く」形になります。繰戻し還付を選んでも、地方税の効果は繰越控除と同じくタイミングが先送りになる点は、資金繰りを試算するときに織り込んでおいてください。明細書の添付漏れがあると控除できないため、申告書の作成時にあわせて確認しましょう。

注意事項

同じ欠損金額を繰戻し還付と繰越控除の両方に使うことはできません。繰り戻した部分の欠損金額は、繰越控除の対象から外れます。「還付を受けつつ、残りは全額繰り越せる」と誤解しないよう注意しましょう(繰り戻した金額を除いた残額であれば繰越控除の対象にできます)。

ぜいむたん
赤字なら税金は何も払わなくていいと思ってました…均等割は別なんですね。
イザーク
そこ勘違いしやすいポイントやで!均等割は資本金と従業員数で決まる定額の税金やから、赤字でも払わなあかんのや。忘れず資金繰りに織り込んどこな。

よくある間違い

ぜいむたん
欠損金の処理で、実際によくある間違いってどんなものがあるんですか?
イザーク
代表的なんを5つまとめとくから、申告前に必ずチェックしてや。
  • 同じ欠損金を繰越控除と繰戻し還付の両方に使えると誤解する
    繰り戻した部分は繰越控除の対象から外れます。どちらか一方(または残額を分けて)を選ぶ前提で検討しましょう。
  • 白色申告でも使えると思い込む
    繰越控除・繰戻し還付とも、欠損金が生じた事業年度に青色申告書を提出していることが要件です。白色申告では原則使えません。
  • 「繰越10年」を平成30年3月以前開始事業年度の欠損金にも当てはめる
    10年繰越は平成30年4月1日以後開始事業年度で生じた欠損金が対象です。それ以前の分は9年です。
  • 大法人でも繰戻し還付が使えると思う
    中小企業者等以外の法人は、令和10年3月31日までに終了する事業年度の欠損金について原則この制度を使えません(延長される時限措置のため最新の期限を要確認)。
  • 欠損金があれば均等割もゼロになると誤解する
    法人住民税の均等割は、所得が赤字(欠損)でも課されます。資金繰りの見込みに必ず織り込んでおきましょう。
  • 繰戻し還付で地方税も戻ってくると思う
    繰戻し還付は法人税(国税)だけの制度です。法人住民税は「控除対象還付法人税額」として、法人事業税は欠損金として、いずれも翌期以降に繰り越して控除します。

参考・情報源

本記事は、以下の国税庁・財務省の一次情報をもとに作成しています。最新の適用期限・要件は必ず各リンク先の一次情報でご確認ください。

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よくある質問(FAQ)

繰越控除と繰戻し還付はどちらが得ですか?

一概にどちらが得とは言えず、前期の納税実績・今の資金繰りの状況・翌期以降の黒字見込みによって変わります。前期に法人税を納めていて今すぐ資金が必要なら繰戻し還付、翌期以降の黒字化に自信があり資金に余裕があるなら繰越控除が向いています。なお、同じ欠損金額を両方に二重に使うことはできない点に注意してください。

繰戻し還付は中小企業でないと使えませんか?

中小企業者等以外の法人(大法人)は、令和10年3月31日までに終了する事業年度に生じた欠損金について、原則としてこの制度を利用できません(延長を繰り返している時限措置のため、最新の適用期限は国税庁・税制改正の情報で確認してください)。中小企業者等(資本金の額または出資金の額が1億円以下の普通法人など、大法人の完全支配下にあるものなどを除く)は例外として適用できます。

繰戻し還付を請求すると税務調査が入りますか?

繰戻し還付の請求があった場合、税務署長はその請求の基礎となった事実について調査したうえで還付することとされています(法人税法80条)。必ず実地の税務調査になるわけではなく、電話や書面での確認にとどまることもありますが、内容を確認される前提の制度です。前期の申告内容や当期の欠損金の中身を説明できるよう、資料を整理してから請求しましょう。

繰戻し還付を受けると、法人住民税や事業税も還付されますか?

還付されません。繰戻し還付は法人税(国税)だけの制度です。法人住民税では、還付を受けた法人税額を「控除対象還付法人税額」として翌期以降に繰り越し、法人税割の課税標準となる法人税額から控除します。法人事業税では、その事業年度の欠損金額を翌期以降に繰り越して控除します。いずれも申告書に所定の明細書(第6号様式別表2の5・別表9)の添付が必要です。

赤字なら税金はゼロになりますか?

法人税は繰越控除や繰戻し還付によって負担を軽減・回収できますが、法人住民税の均等割は所得が赤字(欠損)であっても課されます。「欠損金があれば税金が一切かからない」わけではないため、均等割の負担は資金繰りの見込みに必ず織り込んでおきましょう。

まとめ:前期の納税・資金繰り・翌期の黒字見込みで2択を選ぶ

ぜいむたん
今日でだいぶ整理できました!うちの場合、まず何から確認すればいいですか?
イザーク
まずは自社が青色申告を続けてるか、中小企業者等に当てはまるかを確認するんが第一歩やで。そこから資金繰りと翌期の黒字見込みを見て、繰越控除と繰戻し還付のどっちを選ぶか決めていこか。
STEP
欠損金額を確定させ、青色申告書を提出する

繰越控除・繰戻し還付とも青色申告書の提出が要件です。欠損金額を確定させ、確定申告書を提出します。

STEP
前期(前1年以内)に法人税の納税実績があるか確認する

前期が黒字で法人税を納めていれば、繰戻し還付が選択肢に入ります。

STEP
自社が中小企業者等か確認する

資本金1億円以下等の中小企業者等であれば繰戻し還付も選べますが、大法人は原則不可です。

STEP
資金繰りと翌期以降の黒字見込みを検討する

今すぐ資金が必要か、翌期以降の黒字化に自信があるかで、繰戻し還付か繰越控除かを判断します。

STEP
必要書類を準備して提出する

繰戻し還付を選ぶ場合は「欠損金の繰戻しによる還付請求書」を確定申告書と同時に提出します。同じ欠損金を両方に二重には使えない点も忘れずに。

イザーク
今日の授業は終わり!また来てや!!

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この記事を書いた人

EZARK税務・会計 編集部

国税庁・財務省などの一次ソースに基づき、法人税・所得税の実務論点をわかりやすく解説しています。記事は公開前に有資格者を含む体制で内容を確認しています。

監修:イザークコンサルティング株式会社
本記事は執筆時点の情報提供を目的としたものです。個別の取扱いは税理士等の専門家にご相談ください。
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