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公認会計士試験の合格後に起業という選択肢|私が選んだ理由

※本記事にはアフィリエイトリンク(A8.net経由)が含まれます。

公認会計士試験に合格したら監査法人へ。私もそう思っていました。実際には監査法人に入らず、中小企業のITと人材の課題に取り組む会社を自分で始めています。この記事では、進路の選択肢を整理したうえで、私自身がなぜ起業を選んだのかを書きます。決断に至るまでの細かい話は、noteに書いた起業ストーリーのほうに残しました。

📌 この記事でわかること

  • 公認会計士試験の合格後にある進路を4つに整理すると何が違うのか
  • 私が監査法人ではなく起業を選んだ理由と、合格直後に考えていたこと
  • 中小企業のITと人材の課題が、なぜ会計士のスキルと噛み合うのか
  • 試験勉強中からできる、起業を選択肢に入れるための準備の順番
  • 決断の経緯を書いたnoteの読みどころ
ぜいむたん
公認会計士試験に受かったら、監査法人に行くのが普通じゃないんですか?
イザーク
多いのは確かやで。せやけど「それしかない」わけやない。実際わしは監査法人に入らんと、自分で会社を始めたからな。
目次

結論:公認会計士試験の合格後、起業は現実的な選択肢のひとつ

公認会計士試験に合格した後の進路は、監査法人・事業会社・コンサルティングファーム・起業の4つに大きく分かれます。このうち起業は少数派ですが、実務経験の積み方さえ設計できれば、合格直後からでも成立します。私はそちらを選びました。

先にお伝えしておくと、これは「監査法人に行かないほうがよい」という話ではありません。監査法人でしか積めない経験は確かにあります。私が言いたいのは、選択肢を知らないまま1つに決めてしまうのはもったいないということだけです。試験勉強中は情報が入ってこないので、なおさらそうなりがちでした。

前提

資格の呼び方は分けて考える

試験に合格しただけでは「公認会計士」とは名乗れません。実務経験と修了考査を経て登録する流れです。起業する場合、この順番をどう設計するかが最初の論点になります。

現実

需要は監査の外にもある

中小企業の経理は、人が足りず仕組みも古いままのところが多い。数字を読めて業務を組み立て直せる人は、監査の現場の外でも必要とされます。

判断

早く決めなくてよい

監査法人で数年働いてから独立する道もあります。大事なのは時期ではなく、選択肢を知ったうえで自分で選んだかどうかだと思っています。

ぜいむたん
「自分で選んだかどうか」って、そんなに違いますか。
イザーク
違うで。うまくいかへん時期に踏ん張れるかどうかが変わる。人に決められた道やと、そこで折れるんよ。

公認会計士試験の合格後にある4つの進路

進路は大きく4つです。まず全体を並べておくと、自分がどこに惹かれているのかがはっきりします。

進路得られるもの向いていると感じる人
監査法人監査・会計の専門性、大規模な組織での実務、登録までの実務経験王道で専門性を固めたい人
事業会社経理・財務の当事者としての経験、経営に近い距離1社を深く見たい人
コンサルティングファームM&A・事業再生など、案件の幅と速度課題解決そのものが好きな人
起業裁量と、自分で選んだ課題に取り組む時間解きたい課題が先にある人
試験制度そのものの案内は公認会計士・監査審査会のページにあります。

起業だけが持っている難しさ

正直に書くと、起業には他の3つにない負担があります。仕事を自分で取ってくること、収入が読めない時期があること、そして実務経験の積み方を自分で設計しなければならないこと。日本公認会計士協会が示すとおり、試験合格者は準会員という位置づけから始まります。登録までの道筋をどう描くかは、起業を考えるなら最初に確認しておいたほうがよい点です。

ぜいむたん
そこが一番こわいところです。収入も経験も不安定になりそうで。
イザーク
こわいで、実際。せやからわしは「何をやるか」を先に決めた。やることが決まってへん起業がいちばんしんどいねん。

私が監査法人ではなく起業を選んだ理由

解きたい課題のほうが先にあった

理由をひとことで言うと、解きたい課題のほうが先にあったからです。中小企業のバックオフィスが、人手と古い仕組みのままで回らなくなっているのを見て、そこを直す側に回りたいと思いました。

紙の請求書を1枚ずつ見ながら手で仕訳を起こし、Excelで在庫を管理し、担当者が辞めたら誰も分からなくなる。こうした状態は珍しくありません。監査の立場からは「あるべき姿」を指摘できますが、実際に手を入れて動かすところまでは踏み込みにくい。その差が、私にはどうしても気になりました。

ぜいむたん
指摘する側ではなく、直す側に回りたかったということですか。
イザーク
そういうことやな。数字を読むだけやなくて、業務そのものを組み替えるとこまでやりたかった。

まとまった時間が要る仕事だった

もうひとつは時間の使い方です。会計とITを組み合わせて何かを作るには、まとまった時間が要ります。勤めながら少しずつ進める選択肢もありましたが、私は先に環境のほうを変えることにしました。この判断が正しかったかは今も分かりません。ただ、迷った時間より動いた時間のほうが情報が集まったのは確かです。

合格発表の前後に何を考えていたか、資金や生活をどうしたか、最初の仕事をどう取ったか。このあたりは記事に収まらないので、noteのほうに時系列でまとめてあります。

進路を決めるときに注意したい3つの間違い

相談を受けていて、よく見かける判断の誤りが3つあります。いずれも起業そのものの是非ではなく、決め方のほうの問題です。

よくある間違い何が起きるかどう考えるか
「独立したい」から入る売るものが決まらず、来た仕事を全部受けて消耗する先に「何を直したいか」を1つ書き出す
登録要件を後回しにする実務経験の積み方が決まらないまま時間が過ぎる着手前に登録までの道筋を確認する
成功談だけを読むうまくいかない時期の想定が抜ける迷った時期まで書かれたものを探す
進路そのものより、決め方のほうで差がつくと感じています。

中小企業が抱えるITと人材の課題

私が取り組んでいるのは、中小企業のバックオフィスに残るITの遅れと人材不足です。この2つは別々の問題に見えて、実際には同じ根から出ています。

仕組みが古いままだと、人が足りなくなる

手作業が多い経理は、人数でしか処理量を増やせません。ところが採用は年々難しくなっていて、増やせないまま残業で吸収することになります。そこに属人化が重なると、担当者が抜けた瞬間に業務が止まります。企業のデジタル化の取り組み状況はIPAの『DX白書』、中小企業全体の経営課題は中小企業庁の『中小企業白書』で整理されています。

課題1

導入しても使われない

ソフトを入れただけでは業務は変わりません。誰がどの順番で何を入力するかまで決めないと、結局もとのExcelに戻ります。

課題2

相談先が分かれている

会計は税理士、システムはベンダー。両方をまたぐ話になると、誰に聞けばよいか分からなくなります。

課題3

直せる人がいない

現場は困っているのに、業務の順番を組み替えられる人が社内にいない。ここが一番大きい空白だと感じています。

ぜいむたん
ソフトを入れても戻ってしまう、というのは聞いたことがあります。
イザーク
道具だけ替えても、やり方が前のままやからな。順番から組み直すのが本題やねん。
ぜいむたん
会計の相談とシステムの相談、確かに別々にしていました。
イザーク
そこが空いてるねん。両方の言葉が分かる人が、いちばん足りてへん。

会計士のスキルが中小企業支援で効く理由

会計士の勉強で身につくのは、簿記だけではありません。数字から業務の流れを逆算できることが、現場に入ったときに一番効きます。

試算表の残高が合わないとき、原因は仕訳ではなく業務のどこかにあります。請求書の回り方、承認の順番、入金の消し込み方。監査の勉強で「どこを確かめれば全体が担保できるか」を反復してきた感覚は、そのまま業務設計に使えます。内部統制の考え方も、規模が小さいほど噛み砕いて持ち込む価値があります。

会計の判断とシステムの設定を分けない

加えて、会計とシステムの両方を一人で引き受けられると話が早い。クラウド会計の設定を決めるには、勘定科目・部門・取引先タグをどう持たせるかという会計側の判断が要ります。ここを分業すると、決まらないまま時間が過ぎます。会計の判断とシステムの設定を同じ人が決められることが、この分野での差になっていると感じます。

ぜいむたん
勉強してきたことが、そのまま仕事になっている感じですね。
イザーク
せや。試験勉強はムダにならへん。使う場所が監査法人だけやない、っちゅう話やねん。

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起業を選択肢に入れるための準備手順とチェックリスト

いきなり決める必要はありません。試験勉強中でもできる準備から、順番に並べます。

1
進路を4つ並べて比べる

監査法人・事業会社・コンサル・起業を、得られるものと負担で並べます。比べずに1つを選ぶと、後から迷いが残ります。

2
登録までの道筋を確認する

実務経験と修了考査をどう満たすかを先に調べます。起業を考えるなら、ここが一番先に効いてくる制約です。

3
解きたい課題を1つ書き出す

「独立したい」ではなく「何を直したいか」を言葉にします。ここが空欄のままの起業は、案件を選べず苦しくなります。

4
小さく試す

身近な会社の経理を1か月だけ手伝うなど、規模を絞って試します。想像していた課題と実際の課題は、だいたいずれます。

5
先に動いた人の話を読む

成功談だけでなく、迷った時期や判断の理由まで書かれたものを探します。私の場合はnoteに残しました。

ぜいむたん
「解きたい課題を書き出す」が一番むずかしそうです。
イザーク
むずかしいで。せやから小さく試すんや。やってみたら、勝手に見えてくるもんがある。

決断までの経緯はnoteに書きました

ブログに書かなかったこと

この記事に書いたのは、考え方の部分です。実際に何をどの順で決めたかという生々しいところは、noteのほうに時系列で残しました。ブログよりも個人的な書き方をしているので、迷っている時期の話も含めて読めると思います。

筆者のnote

公認会計士試験合格者が起業する理由:中小企業のITと人材の悩みを解決したい

監査法人という選択肢を前にして何を考えていたか、最初の仕事をどう取ったか、いま何をしているか。この記事に収まらなかった部分を、noteに書いています。

  • 監査法人ではなく起業を選んだときの判断材料
  • 中小企業の現場に入って分かった、想像とのずれ
  • これから公認会計士を目指す人に伝えたいこと
noteで起業ストーリーを読む →

noteの記事ページが開きます。ほかの記事はnoteのプロフィールから。

ぜいむたん
ブログとnoteで、書き分けているんですね。
イザーク
ブログは調べもの、noteは自分の話。混ぜると両方読みにくなるからな。
ぜいむたん
noteのほうは、どんなトーンで書いているんですか。
イザーク
かっこつけてへんで。迷ってた時期のことも、そのまま書いてある。

よくある質問(FAQ)

公認会計士試験に合格してすぐ起業しても大丈夫ですか?

やること次第です。監査法人でしか積めない経験はあるので、そこを必要とする仕事を選ぶなら、まず勤めてからのほうが早いと思います。一方で、中小企業の業務改善やクラウド会計の導入支援のように、監査以外の領域で価値を出す仕事なら合格直後でも成立します。ご自身が「何を売るのか」から逆算して考えるのが確実です。

起業すると「公認会計士」として登録できなくなりませんか?

登録には実務経験と修了考査が必要で、その積み方を自分で設計する必要があります。起業したから登録できないというわけではありませんが、勤める場合と比べて確認すべきことは増えます。要件の詳細は日本公認会計士協会や公認会計士・監査審査会の案内で最新の内容を確認し、迷う場合は協会に直接問い合わせるのが確実です。なお、試験に合格した段階では「公認会計士試験合格者」であり、「公認会計士」とは名乗れません。

会計士のスキルは中小企業支援で本当に役に立ちますか?

役に立っています。ただ、効いているのは簿記の知識そのものよりも、数字のずれから業務の流れを逆算する力のほうです。試算表が合わない原因は、たいてい仕訳ではなく請求や承認の回り方にあります。どこを確かめれば全体が担保できるかを考える訓練は、そのまま業務設計に転用できます。

試験勉強中から準備できることはありますか?

3つあります。進路を4つ並べて比べておくこと、登録までの道筋を調べておくこと、そして「自分が何を直したいのか」を一度言葉にしておくことです。どれも勉強時間を大きく削らずにできます。合格後は手続きと就職活動で慌ただしくなるので、考える作業は前倒ししておくと楽です。

まとめ|キャリアは自分で選んだかどうか

公認会計士試験の合格後の進路は1つではありません。私は起業を選びましたが、これは「解きたい課題が先にあった」からで、誰にでも当てはまる正解ではありません。大事なのは、並べて比べたうえで自分で選んだかどうかだと思っています。

1
進路を4つ並べる

監査法人・事業会社・コンサル・起業を、得られるものと負担で比べます。

2
登録までの道筋を確認する

実務経験と修了考査をどう満たすかを、着手前に調べておきます。

3
直したい課題を1つ書く

「独立したい」ではなく「何を直したいか」を言葉にします。

4
先に動いた人の話を読む

判断の理由まで書かれたものを探します。私の経緯はnoteに残しました。

考え方の部分はこの記事に書きました。実際に何をどう決めたかは、noteのほうに残してあります。進路で迷っている方に、判断材料が1つ増えれば嬉しいです。

イザーク
今日の授業は終わり!また来てや!!

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この記事を書いた人

イザーク|公認会計士試験合格者

Big4監査法人・税理士法人での実務経験と財務省での勤務経験を持ち、現在は中小企業のバックオフィス改善とクラウド会計の導入支援に取り組む。本記事の進路の選び方と起業の経緯は、執筆者自身の体験に基づく一次情報です。国税庁・財務省などの一次ソースに基づいて解説します。詳しい経歴はプロフィール・公認会計士試験受験記をご覧ください。

本記事は執筆時点の情報提供を目的としたものです。資格の登録要件など個別の取扱いは、日本公認会計士協会等の公式案内をご確認ください。
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