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公認会計士試験に合格したら監査法人へ。私もそう思っていました。実際には監査法人に入らず、中小企業のITと人材の課題に取り組む会社を自分で始めています。この記事では、進路の選択肢を整理したうえで、私自身がなぜ起業を選んだのかを書きます。決断に至るまでの細かい話は、noteに書いた起業ストーリーのほうに残しました。
📌 この記事でわかること
- 公認会計士試験の合格後にある進路を4つに整理すると何が違うのか
- 私が監査法人ではなく起業を選んだ理由と、合格直後に考えていたこと
- 中小企業のITと人材の課題が、なぜ会計士のスキルと噛み合うのか
- 試験勉強中からできる、起業を選択肢に入れるための準備の順番
- 決断の経緯を書いたnoteの読みどころ
ぜいむたん


結論:公認会計士試験の合格後、起業は現実的な選択肢のひとつ
公認会計士試験に合格した後の進路は、監査法人・事業会社・コンサルティングファーム・起業の4つに大きく分かれます。このうち起業は少数派ですが、実務経験の積み方さえ設計できれば、合格直後からでも成立します。私はそちらを選びました。
先にお伝えしておくと、これは「監査法人に行かないほうがよい」という話ではありません。監査法人でしか積めない経験は確かにあります。私が言いたいのは、選択肢を知らないまま1つに決めてしまうのはもったいないということだけです。試験勉強中は情報が入ってこないので、なおさらそうなりがちでした。






公認会計士試験の合格後にある4つの進路
進路は大きく4つです。まず全体を並べておくと、自分がどこに惹かれているのかがはっきりします。
| 進路 | 得られるもの | 向いていると感じる人 |
|---|---|---|
| 監査法人 | 監査・会計の専門性、大規模な組織での実務、登録までの実務経験 | 王道で専門性を固めたい人 |
| 事業会社 | 経理・財務の当事者としての経験、経営に近い距離 | 1社を深く見たい人 |
| コンサルティングファーム | M&A・事業再生など、案件の幅と速度 | 課題解決そのものが好きな人 |
| 起業 | 裁量と、自分で選んだ課題に取り組む時間 | 解きたい課題が先にある人 |
起業だけが持っている難しさ
正直に書くと、起業には他の3つにない負担があります。仕事を自分で取ってくること、収入が読めない時期があること、そして実務経験の積み方を自分で設計しなければならないこと。日本公認会計士協会が示すとおり、試験合格者は準会員という位置づけから始まります。登録までの道筋をどう描くかは、起業を考えるなら最初に確認しておいたほうがよい点です。






私が監査法人ではなく起業を選んだ理由
解きたい課題のほうが先にあった
理由をひとことで言うと、解きたい課題のほうが先にあったからです。中小企業のバックオフィスが、人手と古い仕組みのままで回らなくなっているのを見て、そこを直す側に回りたいと思いました。
紙の請求書を1枚ずつ見ながら手で仕訳を起こし、Excelで在庫を管理し、担当者が辞めたら誰も分からなくなる。こうした状態は珍しくありません。監査の立場からは「あるべき姿」を指摘できますが、実際に手を入れて動かすところまでは踏み込みにくい。その差が、私にはどうしても気になりました。






まとまった時間が要る仕事だった
もうひとつは時間の使い方です。会計とITを組み合わせて何かを作るには、まとまった時間が要ります。勤めながら少しずつ進める選択肢もありましたが、私は先に環境のほうを変えることにしました。この判断が正しかったかは今も分かりません。ただ、迷った時間より動いた時間のほうが情報が集まったのは確かです。
合格発表の前後に何を考えていたか、資金や生活をどうしたか、最初の仕事をどう取ったか。このあたりは記事に収まらないので、noteのほうに時系列でまとめてあります。
進路を決めるときに注意したい3つの間違い
相談を受けていて、よく見かける判断の誤りが3つあります。いずれも起業そのものの是非ではなく、決め方のほうの問題です。
| よくある間違い | 何が起きるか | どう考えるか |
|---|---|---|
| 「独立したい」から入る | 売るものが決まらず、来た仕事を全部受けて消耗する | 先に「何を直したいか」を1つ書き出す |
| 登録要件を後回しにする | 実務経験の積み方が決まらないまま時間が過ぎる | 着手前に登録までの道筋を確認する |
| 成功談だけを読む | うまくいかない時期の想定が抜ける | 迷った時期まで書かれたものを探す |
中小企業が抱えるITと人材の課題
私が取り組んでいるのは、中小企業のバックオフィスに残るITの遅れと人材不足です。この2つは別々の問題に見えて、実際には同じ根から出ています。
仕組みが古いままだと、人が足りなくなる
手作業が多い経理は、人数でしか処理量を増やせません。ところが採用は年々難しくなっていて、増やせないまま残業で吸収することになります。そこに属人化が重なると、担当者が抜けた瞬間に業務が止まります。企業のデジタル化の取り組み状況はIPAの『DX白書』、中小企業全体の経営課題は中小企業庁の『中小企業白書』で整理されています。












会計士のスキルが中小企業支援で効く理由
会計士の勉強で身につくのは、簿記だけではありません。数字から業務の流れを逆算できることが、現場に入ったときに一番効きます。
試算表の残高が合わないとき、原因は仕訳ではなく業務のどこかにあります。請求書の回り方、承認の順番、入金の消し込み方。監査の勉強で「どこを確かめれば全体が担保できるか」を反復してきた感覚は、そのまま業務設計に使えます。内部統制の考え方も、規模が小さいほど噛み砕いて持ち込む価値があります。
会計の判断とシステムの設定を分けない
加えて、会計とシステムの両方を一人で引き受けられると話が早い。クラウド会計の設定を決めるには、勘定科目・部門・取引先タグをどう持たせるかという会計側の判断が要ります。ここを分業すると、決まらないまま時間が過ぎます。会計の判断とシステムの設定を同じ人が決められることが、この分野での差になっていると感じます。






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開業届の準備から始めるなら
起業を選ぶと、最初に出てくるのが開業届と帳簿の準備です。マネーフォワード クラウド開業届なら、質問に答える形で開業届・青色申告承認申請書まで作成でき、そのまま会計ソフトにつなげられます。無料で使えます。
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いきなり決める必要はありません。試験勉強中でもできる準備から、順番に並べます。
監査法人・事業会社・コンサル・起業を、得られるものと負担で並べます。比べずに1つを選ぶと、後から迷いが残ります。
実務経験と修了考査をどう満たすかを先に調べます。起業を考えるなら、ここが一番先に効いてくる制約です。
「独立したい」ではなく「何を直したいか」を言葉にします。ここが空欄のままの起業は、案件を選べず苦しくなります。
身近な会社の経理を1か月だけ手伝うなど、規模を絞って試します。想像していた課題と実際の課題は、だいたいずれます。
成功談だけでなく、迷った時期や判断の理由まで書かれたものを探します。私の場合はnoteに残しました。






決断までの経緯はnoteに書きました
ブログに書かなかったこと
この記事に書いたのは、考え方の部分です。実際に何をどの順で決めたかという生々しいところは、noteのほうに時系列で残しました。ブログよりも個人的な書き方をしているので、迷っている時期の話も含めて読めると思います。












よくある質問(FAQ)
- 公認会計士試験に合格してすぐ起業しても大丈夫ですか?
-
やること次第です。監査法人でしか積めない経験はあるので、そこを必要とする仕事を選ぶなら、まず勤めてからのほうが早いと思います。一方で、中小企業の業務改善やクラウド会計の導入支援のように、監査以外の領域で価値を出す仕事なら合格直後でも成立します。ご自身が「何を売るのか」から逆算して考えるのが確実です。
- 起業すると「公認会計士」として登録できなくなりませんか?
-
登録には実務経験と修了考査が必要で、その積み方を自分で設計する必要があります。起業したから登録できないというわけではありませんが、勤める場合と比べて確認すべきことは増えます。要件の詳細は日本公認会計士協会や公認会計士・監査審査会の案内で最新の内容を確認し、迷う場合は協会に直接問い合わせるのが確実です。なお、試験に合格した段階では「公認会計士試験合格者」であり、「公認会計士」とは名乗れません。
- 会計士のスキルは中小企業支援で本当に役に立ちますか?
-
役に立っています。ただ、効いているのは簿記の知識そのものよりも、数字のずれから業務の流れを逆算する力のほうです。試算表が合わない原因は、たいてい仕訳ではなく請求や承認の回り方にあります。どこを確かめれば全体が担保できるかを考える訓練は、そのまま業務設計に転用できます。
- 試験勉強中から準備できることはありますか?
-
3つあります。進路を4つ並べて比べておくこと、登録までの道筋を調べておくこと、そして「自分が何を直したいのか」を一度言葉にしておくことです。どれも勉強時間を大きく削らずにできます。合格後は手続きと就職活動で慌ただしくなるので、考える作業は前倒ししておくと楽です。
まとめ|キャリアは自分で選んだかどうか
公認会計士試験の合格後の進路は1つではありません。私は起業を選びましたが、これは「解きたい課題が先にあった」からで、誰にでも当てはまる正解ではありません。大事なのは、並べて比べたうえで自分で選んだかどうかだと思っています。
監査法人・事業会社・コンサル・起業を、得られるものと負担で比べます。
実務経験と修了考査をどう満たすかを、着手前に調べておきます。
「独立したい」ではなく「何を直したいか」を言葉にします。
判断の理由まで書かれたものを探します。私の経緯はnoteに残しました。
考え方の部分はこの記事に書きました。実際に何をどう決めたかは、noteのほうに残してあります。進路で迷っている方に、判断材料が1つ増えれば嬉しいです。



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