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「青色申告と白色申告、どっちで確定申告すればいいの?」「青色の方が得と聞いたけど、複式簿記とか難しそう…」——個人事業主やフリーランスとして活動を始めたばかりの方が最初に直面する疑問のひとつです。結論からいえば、継続的な事業収入があるなら、ほとんどの方に青色申告がおすすめです。最大65万円の特別控除をはじめ、赤字の繰越や家族への給与の全額経費算入など、白色申告にはない節税メリットが数多くあります。
📌 この記事でわかること
対象読者:これから開業する方・白色申告から切り替えを検討中の方/読了の目安:約9分
- 青色申告と白色申告の基本的な違いと、それぞれの特別控除・帳簿の仕組み
- 青色申告特別控除65万円・55万円・10万円の分かれ目と、専従者給与・赤字繰越などのメリット
- 白色申告が向いているケースと、記帳義務が全員に課される理由
- 青色申告承認申請書の書き方・提出期限と、会計ソフトを使った始め方の手順
ぜいむたん


青色申告と白色申告の基本的な違い
青色申告と白色申告は、どちらも個人事業主・フリーランスが毎年2月16日〜3月15日(2026年は2月16日〜3月16日)の間に行う確定申告の方式です。両者の最大の違いは「事前手続きの有無」と「帳簿のつけ方・税制上の優遇」にあります。青色申告は税務署への事前届出と一定水準の記帳が条件になる代わりに、大きな節税メリットが得られます(出典:国税庁 No.2070 青色申告制度)。
| 項目 | 青色申告 | 白色申告 |
|---|---|---|
| 特別控除 | 最大65万円(複式簿記+e-Taxまたは優良電子帳簿)/55万円(複式簿記)/10万円(簡易簿記) | なし |
| 帳簿の種類 | 複式簿記(65万円・55万円控除)または簡易簿記(10万円控除) | 簡易な帳簿(収支内訳書) |
| 赤字の繰越 | 3年間繰越可能(純損失の繰越控除) | 原則不可 |
| 家族への給与 | 「青色事業専従者給与」として全額経費算入可(届出が必要) | 配偶者は最大86万円、その他は最大50万円のみ |
| 少額減価償却 | 30万円未満の資産を一括経費算入可(年間300万円まで) | 10万円未満のみ一括経費 |
| 事前手続き | 「青色申告承認申請書」の提出が必要 | 不要(誰でも申告可能) |
| 申告書類 | 確定申告書+青色申告決算書(損益計算書・貸借対照表) | 確定申告書+収支内訳書 |
青色申告と白色申告、何が違う?
青色は特別控除で課税所得を最大65万円圧縮。白色は控除ゼロで、同じ利益でも税負担が重くなりやすい。
青色は赤字を3年間繰越可能。開業初年度に赤字が出やすいフリーランスには特に効果が大きい。
青色は事前に承認申請書の提出が必要。白色は届出不要だが、記帳・帳簿保存の義務は同じく課される。
出典:国税庁 No.2070/No.2072 をもとに作成






青色申告のメリット完全ガイド
青色申告には、単なる特別控除だけでなく複数の節税制度があります。ここでは主要な7つのメリットを整理します。






メリット1:青色申告特別控除(最大65万円)
青色申告最大のメリットが「青色申告特別控除」です。控除額は記帳方法と申告方法によって3段階に分かれます。
| 控除額 | 記帳方法 | 申告方法 |
|---|---|---|
| 65万円 | 複式簿記 | e-Taxによる電子申告 または 優良な電子帳簿の保存 |
| 55万円 | 複式簿記 | 上記65万円の要件(e-Tax/優良電子帳簿)を満たさない場合(書面提出等) |
| 10万円 | 簡易簿記 | 要件を問わない |
📢 【令和9年(2027年)分からの改正予定】
令和8年度税制改正により、e-Tax+複式簿記+優良電子帳簿を満たす場合の控除額を75万円に引き上げ、書面(紙)申告の55万円区分は10万円に見直す方向とされています(令和9年分以後・詳細は今後の公表資料で要確認)。パソコン等の購入や記帳方法の見直しは、この動向も踏まえて検討しましょう。
freeeやマネーフォワードクラウド会計を使えば、複式簿記の知識がなくても自動で複式帳簿が作成されます。e-Taxでの電子申告と組み合わせれば、65万円または55万円控除が実現できます。例えば課税所得400万円の方が65万円控除を受けると、所得税・住民税をあわせて年間十数万円規模の節税になるケースもあります(税率区分により変動します)。
メリット2:青色事業専従者給与(家族への給与を全額経費に)
配偶者や家族が事業を手伝っている場合、白色申告では「事業専従者控除」として配偶者は最大86万円、その他の親族は最大50万円しか経費にできません。一方、青色申告では「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出することで、実際に支払った適正な給与の全額を経費として算入できます。
- 事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出すること
- 専従者が15歳以上であること
- その年を通じて6ヶ月を超える期間、その事業に専ら従事していること
- 給与の金額が労務の対価として適正であること
家族に月20万円(年240万円)支払えば、青色申告ならその全額が経費になります。






メリット3:純損失の繰越控除(3年間)
事業で赤字(純損失)が出た年は、その損失額を翌年以降3年間にわたって黒字と相殺できます。これを「純損失の繰越控除」といいます。たとえば2026年に100万円の赤字が出た場合、2027年に150万円の黒字になっても、前年の100万円と相殺されて課税所得は50万円になります。白色申告では赤字の繰越ができないため(災害等による損失を除く)、翌年以降の税負担が重くなります。
メリット4:純損失の繰戻還付
赤字を翌年以降に繰り越すだけでなく、前年に納めた所得税の還付を受けることも可能です。これを「繰戻還付」といいます。例えば前年に所得税を30万円納付し、当年の事業所得が150万円の赤字になった場合、前年分の所得税の全部または一部の還付を請求できます。






メリット5:少額減価償却資産の特例(一括経費算入)
通常、10万円以上の資産(パソコン・カメラ・家具など)は法定耐用年数で分割して経費計上(減価償却)します。ところが青色申告をしている中小企業者等(個人事業主を含む)は、一定額未満の資産を購入年度に一括で経費算入できます(年間合計300万円まで)。
少額減価償却資産の特例:改正の前後を整理
取得価額30万円未満の資産を購入年に一括経費算入できる。
40万円未満に引き上げ(令和8年度改正)。年間合計300万円までの上限は従来どおり。
年間合計300万円までという上限は変更されない見込み。白色申告はこの特例自体を利用不可。
出典:国税庁ウェブサイト・令和8年度税制改正大綱をもとに作成(改正部分は要確認)
メリット6:貸倒引当金の計上
青色申告者は、年末時点の売掛金・貸付金の一定割合を「貸倒引当金」として経費に計上できます。事業所得の場合、年末の売掛金等の合計額の5.5%を一括評価による引当金として計上可能です。回収不能が見込まれる個別の債権については、個別評価でより多くの引当金を計上することもできます。白色申告では個別評価のみ可能で、包括的な引当金計上はできません。
メリット7:家事関連費の経費算入がしやすい
自宅を事務所として使う場合の家賃・光熱費・通信費などの「家事関連費」を按分して経費にする際、青色申告者は事業使用割合が明確に区分できれば経費算入がしやすいとされています。在宅で仕事をするフリーランスにとって、家賃・光熱費・通信費を経費に計上しやすいことは実務上大きなメリットです。
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白色申告は、青色申告の承認を受けていない(または届出をしていない)場合に自動的に適用される確定申告の方法です。事前届出が不要で、簡易な帳簿(単式簿記)でよいというシンプルさはありますが、以前あった「記帳不要」というメリットは既になくなっています。2014年(平成26年)1月から、すべての白色申告者にも記帳・帳簿保存義務が課されているためです。
それでも、次のようなケースでは白色申告を選ぶ合理的な理由もあります。
白色申告でも合理的な3つのケース
年間の事業所得が数十万円程度で、控除の恩恵が限定的な場合。
開業届を出さず雑所得で申告している場合、青色申告の対象外となる。
短期の活動で翌年以降の繰越控除が不要な場合。
継続的に一定の事業収入がある場合は、開業届を提出し青色申告を選択した方が長期的には有利です。
青色申告の始め方:開業届+青色申告承認申請書






青色申告ができるのは、事業所得・不動産所得・山林所得のいずれかがある人に限られます。給与所得のみの会社員や、副業収入が「雑所得」に区分される場合は対象外です。青色申告を受けるには、税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があり、提出期限は以下のとおりです。
| 状況 | 提出期限 |
|---|---|
| 新規開業した場合 | 開業日から2ヶ月以内 |
| 既に事業を行っており、翌年分から青色申告にしたい場合 | 適用を受けたい年の3月15日まで |
| 1月16日以降に開業した場合 | 開業日から2ヶ月以内 |
| 1月1日〜1月15日の間に開業した場合 | その年の3月15日まで |
新規に開業する方は、開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)と青色申告承認申請書をあわせて提出するのが一般的です。以下のステップで進めましょう。
事業を開始したら、開業日から1ヶ月以内を目安に「個人事業の開業・廃業等届出書」を所轄の税務署に提出します。
国税庁のウェブサイトからダウンロードするか、税務署で入手します。氏名・住所・屋号・所得の種類・帳簿方式(複式簿記/簡易簿記)・備付帳簿名などを記入します。
提出方法は、管轄の税務署に持参・郵送・e-Taxのいずれか。開業届と同時提出も可能です。期限を過ぎるとその年は白色申告になるため注意しましょう。
65万円・55万円控除には複式簿記が必要ですが、freeeやマネーフォワードなどのクラウド会計ソフトを使えば、口座・カード連携で自動的に複式帳簿が作成されます。
取引の勘定科目を確認・修正しながら記帳を続け、確定申告書の作成画面から青色申告決算書を出力。65万円または55万円控除を受けるにはe-Taxでの電子申告が必須です。
| 方式 | 必要な帳簿 | 対応する控除 |
|---|---|---|
| 複式簿記 | 仕訳帳・総勘定元帳・貸借対照表・損益計算書 | 65万円または55万円 |
| 簡易簿記 | 現金出納帳・経費帳・売掛帳・買掛帳・固定資産台帳 | 10万円 |
| 白色申告の帳簿 | 収入・経費を記載した簡易な帳簿(法定形式なし) | 控除なし |
青色申告の注意点と取消リスク






- 帳簿書類の保存義務:仕訳帳・総勘定元帳などの帳簿書類は原則7年間(一部書類は5年間)の保存が必要
- 期限内申告が条件:期限内に申告しないと、65万円・55万円控除は10万円に減額される
- 取消リスク:帳簿の不備・隠蔽仮装・2年連続の期限後申告などがあると、青色申告の承認が取り消されることがある
- 取消後は白色申告に:承認が取り消されると翌年以降は白色申告として扱われ、特典がすべて失われる
青色申告から白色申告に戻したい場合は、「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を、やめようとする年の翌年3月15日までに提出します。ただし、青色申告のメリットは大きいため、特別な事情がない限り取りやめるメリットはほとんどありません。
よくある質問






青色申告に切り替えると、帳簿がめんどくさくなりますか?
freeeやマネーフォワードなどのクラウド会計ソフトを使えば、複式簿記の帳簿はほぼ自動で作成されます。口座やカードを連携して勘定科目を確認するだけなので、白色申告の収支内訳書を手書きで作るより簡単に感じる方も多いです。ソフトの月額費用はかかりますが、節税額の方が大きい場合がほとんどです。
青色申告承認申請書はいつまでに出せばいいですか?
新規開業の場合は開業日から2ヶ月以内、既存の事業者が翌年分から切り替える場合は適用を受けたい年の3月15日までです。提出先は住所地を管轄する税務署で、郵送・e-Taxでも提出できます。期限を過ぎるとその年は自動的に白色申告となります。
白色申告でも記帳は必要ですか?
はい、必要です。2014年以降、白色申告者も帳簿の作成と保存が義務化されています。具体的には、売上・経費の記録(収支内訳書に記載できるレベル)と、その証拠書類(領収書・請求書など)の5年間保存が求められます。ただし、白色申告の帳簿は簡易なもので構いません(複式簿記は不要)。
65万円控除と55万円控除の違いは何ですか?
どちらも複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書を添付することが条件ですが、65万円控除を受けるにはさらにe-Taxでの電子申告、または優良な電子帳簿の保存が必要です。この追加条件を満たさない場合、控除額は55万円になります。
副業でも青色申告はできますか?
副業の所得が「事業所得」として認められる場合は青色申告が可能です。ただし、副業の所得が「雑所得」に分類される場合は青色申告できません。事業所得と認められるためには、反復継続して営利目的で事業を行っていることが必要で、開業届の提出・帳簿の備え付け・相応の収入などが総合的に判断されます。
まとめ:個人事業主・フリーランスは青色申告を選ぼう
青色申告と白色申告の違いをおさらいします。
| メリット項目 | 青色申告 | 白色申告 |
|---|---|---|
| 特別控除 | 最大65万円(e-Tax+複式簿記) | なし |
| 専従者給与 | 全額経費(届出が必要) | 配偶者86万円・その他50万円が上限 |
| 赤字の繰越 | 3年間繰越可 | 原則不可 |
| 純損失の繰戻還付 | 可能 | 不可 |
| 少額減価償却資産の特例 | 30万円未満を一括経費(年300万円まで) | 10万円未満のみ |
| 貸倒引当金 | 一括評価5.5%等を計上可 | 個別評価のみ |
| 事前手続き | 青色申告承認申請書が必要 | 不要 |
継続的な事業収入があるフリーランス・個人事業主は、ほぼ例外なく青色申告の方が有利です。freeeやマネーフォワードを活用すれば、帳簿の手間も大幅に軽減できます。まだ白色申告の方は、次の確定申告から青色申告への切り替えを検討してみてください。



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