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「NISA口座で利益が出たけど確定申告は必要?」「損が出たら税金は戻ってくる?」「配当金の受取方法で何か変わるの?」——NISAと確定申告の関係は、非課税制度であるがゆえに逆に誤解が多いテーマです。結論から言えば、NISA口座の利益(売却益・配当金・分配金)は非課税のため、確定申告は原則不要です。ただし、配当金の受取方法や損失の扱いなど、知らないと損をする例外・注意点がいくつかあります。本記事では、2024年からの新NISA制度をふまえ、確定申告が不要な理由から例外ケース、課税口座との違いまで、国税庁・金融庁の一次情報をもとに完全ガイドします。
📌 この記事でわかること
対象読者:NISA口座を利用中・利用予定の個人投資家/確定申告の要否を知りたい方/読了の目安:約10分
- NISA口座の利益(売却益・配当金・分配金)が非課税・申告不要である理由
- 確定申告が必要になる例外ケース(配当金の受取方式・損益通算・他の控除との関係)
- NISA口座の損失が損益通算・繰越控除の対象外である注意点
- 新NISA(2024年〜)の投資枠・非課税枠の復活ルールと、課税口座(特定口座)との違い
ぜいむたん


NISAの基本と新NISA制度の概要(2024年〜)






NISA(少額投資非課税制度)は、株式や投資信託の運用益にかかる税金が非課税になる制度です。通常、投資の利益には約20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)の税金がかかりますが、NISA口座での運用益はこの税金がかかりません。2024年からは「新NISA」に制度が一本化され、旧NISA(一般NISA・つみたてNISA)は2023年で新規の買付が終了しています(出典:金融庁 NISA特設ウェブサイト)。
新NISA(2024年〜)の3つの投資枠
年間120万円まで。長期・積立・分散投資に適した投資信託が対象。
年間240万円まで。上場株式・投資信託等が対象。つみたて投資枠と併用可能(合計年間最大360万円)。
1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)。非課税保有期間は無期限。
出典:金融庁 NISA特設ウェブサイトをもとに作成
| 項目 | 旧NISA(〜2023年) | 新NISA(2024年〜) |
|---|---|---|
| 非課税保有期間 | 一般NISA:5年/つみたてNISA:20年 | 無期限 |
| 年間投資枠 | 一般NISA:120万円/つみたてNISA:40万円 | つみたて投資枠:120万円+成長投資枠:240万円 |
| 非課税保有限度額 | 一般NISA:600万円/つみたてNISA:800万円 | 1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで) |
| 制度の期限 | 2023年で新規買付終了 | 恒久化 |
| 枠の併用 | 一般・つみたてはどちらか一方 | つみたて投資枠と成長投資枠を併用可能 |
NISA口座の利益が確定申告不要である理由






NISA口座で得た利益は非課税所得であり、そもそも課税対象となる所得が発生しないため、確定申告書に記載する必要がありません。年末調整のみで済むサラリーマンの方はもちろん、個人事業主の方も、NISA口座内の取引については事業所得の確定申告書に記載不要です。
NISA口座で非課税になる3つの所得
株式・投資信託を売却して得た利益。課税口座なら約20.315%の税金がかかるが、NISA口座は非課税。
株式から受け取る配当金。「株式数比例配分方式」を選んでいる場合に限り非課税。
投資信託から受け取る普通分配金。NISA口座内であれば非課税で受け取れる。
出典:国税庁 確定申告特集・金融庁 NISA特設ウェブサイトをもとに作成
非課税メリットを具体的な金額で見ると、投資信託で100万円の利益が出た場合、通常の課税口座では100万円×20.315%=約20.3万円の税金がかかりますが、NISA口座なら税金はゼロで100万円がまるごと手元に残ります。長期投資で利益が大きくなるほど、この差は拡大していきます。
確定申告が必要になる例外ケース






| 状況 | 確定申告 |
|---|---|
| NISA口座内の売却益(譲渡益) | 不要 |
| NISA口座の配当金(株式数比例配分方式で受取) | 不要 |
| NISA口座の配当金を比例配分方式以外で受取 | その配当金は課税対象になり、申告した方が有利な場合がある |
| 他の口座(一般口座・源泉徴収なしの特定口座)で年間利益20万円超 | 必要 |
| 医療費控除・ふるさと納税など他の理由で確定申告する場合 | その申告にNISA口座の取引を記載する必要はない |
なお、株式数比例配分方式以外(配当金領収証方式・登録配当金受領口座方式・個別銘柄指定方式)で受け取った配当金は源泉徴収された状態で入金されますが、そもそもNISA口座内で保有する株式の配当であっても、受取方式が比例配分方式でなければ課税扱いとなる点に注意が必要です。
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課税口座(特定口座・一般口座)であれば、損失が出た年に確定申告をすることで、他の口座の利益と相殺する損益通算や、控除しきれなかった損失を翌年以降3年間繰り越す繰越控除が可能です。しかし、NISA口座は非課税制度であるため、そもそも税務上「損益」という概念自体が存在せず、これらの制度を一切利用できません(課税口座の損益通算・繰越控除については国税庁 No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除を参照)。
| 項目 | NISA口座 | 特定口座(源泉徴収あり) |
|---|---|---|
| 売却益への課税 | 非課税 | 約20.315% |
| 配当金への課税 | 非課税(比例配分方式のみ) | 約20.315% |
| 損失の他口座との損益通算 | 不可 | 確定申告で可能 |
| 損失の繰越控除(3年間) | 不可 | 確定申告で可能 |
| 確定申告 | 原則不要 | 原則不要(損益通算・繰越時のみ必要) |
- NISA口座は値上がりが期待できる商品向け:損失が出ても税務上のカバーがないため、長期保有で値上がりを狙う投資に向いている
- 値動きの大きい商品は特定口座も検討:短期売買や値動きが激しい商品は、損失時に損益通算できる特定口座での運用も選択肢になる
配当金を非課税にする「株式数比例配分方式」






| 配当金の受取方式 | NISA口座での課税 |
|---|---|
| 株式数比例配分方式(証券口座で受取) | 非課税 |
| 配当金領収証方式(郵便局等で受取) | 課税される |
| 登録配当金受領口座方式(銀行口座で受取) | 課税される |
| 個別銘柄指定方式 | 課税される |
NISA口座と課税口座(特定口座)の違い・使い分け






NISA口座には年間投資枠(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)と生涯投資枠(1,800万円)の上限があります。この上限を超える投資や、あえて損失を計上して他の利益と相殺したい商品については、特定口座(源泉徴収あり)を併用するのが一般的です。
- NISA口座:長期保有予定で値上がりが期待できる商品、非課税メリットを最大化したい商品向け
- 特定口座(源泉徴収あり):NISA枠を使い切った後の追加投資、短期売買や値動きが大きい商品、損益通算をしたい商品向け
外国株式の配当とNISAの注意点






外国株式・海外ETFの配当金には、現地国での源泉税(例:米国株は10%)がかかります。課税口座であれば確定申告で「外国税額控除」を適用し、日本国内の税額から一部または全部を差し引くことができます(出典:国税庁 No.1240 居住者に係る外国税額控除)。しかし、NISA口座で受け取る外国株式の配当金は、この外国税額控除の対象外です。現地源泉税が引かれた金額がそのまま手取りとなる点に注意しましょう。
新NISAの非課税枠復活制度(売却と再利用)






非課税枠復活の3つのポイント
売却した年ではなく、翌年以降に非課税枠が復活する。
復活するのは取得金額(簿価)分で、売却金額ではない。
復活した枠も、その年の年間投資枠(最大360万円)の範囲内でしか使えない。
出典:金融庁 NISA特設ウェブサイトをもとに作成
| 例:成長投資枠で100万円の株式を購入し150万円で売却した場合 | 内容 |
|---|---|
| 売却した年 | 売却益50万円は非課税(申告不要) |
| 翌年 | 取得金額100万円分が非課税枠として復活 |
| 復活枠の利用 | 翌年の成長投資枠(240万円)の範囲内で再利用可能 |
例外的に確定申告する場合の手順






特定口座年間取引報告書、配当金の支払通知書、NISA口座内の非課税適用確認書などが証券会社から送付されます。
NISA口座内で完結する売却益・配当金・分配金は確定申告書に記載する必要はありません。
株式数比例配分方式以外で受け取った配当金は、確定申告書第二表のD欄に記入し「非課税口座内上場株式等の配当等」にチェックします。
特定口座(源泉徴収なし)や一般口座の取引、医療費控除・ふるさと納税など他の控除がある場合は、あわせて該当欄に入力します。
内容を確認し、e-Taxで電子提出するか、印刷して税務署に郵送・持参します。申告期限は毎年2月16日から3月15日までです。
よくある質問(FAQ)
- NISA口座と特定口座の両方で利益が出た場合、確定申告はどうなりますか?
- NISA口座の利益は申告不要で、特定口座(源泉徴収あり)の利益も原則申告不要です。ただし、複数の証券会社の特定口座間で損益通算したい場合は確定申告が必要です。その際もNISA口座の利益は申告書に含めません。
- 旧NISA(2023年以前)で購入した商品はどうなりますか?
- 旧NISAで購入した商品は、それぞれの非課税期間(一般NISA:5年、つみたてNISA:20年)が終了するまで非課税で保有できます。新NISAへのロールオーバーはできず、非課税期間終了後は自動的に課税口座に移管されます。
- 医療費控除やふるさと納税で確定申告する場合、NISAの取引も記載が必要ですか?
- いいえ、不要です。医療費控除やふるさと納税のために確定申告する場合でも、NISA口座内の取引については記載する必要はありません。
- NISA口座で損失が出た場合、確定申告で他の所得と損益通算できますか?
- いいえ、できません。NISA口座で生じた損失は、確定申告で他の所得や他の口座での利益と損益通算することはできません。これはNISA制度が「非課税」を前提としているため、損失についても税務上認識されないためです。
- 新NISAで非課税期間が無期限になりましたが、必ず永久に保有し続ける必要がありますか?
- いいえ、必要ありません。新NISA制度でも、いつでも売却は可能で、売却時の利益は非課税です。売却した商品の取得金額(簿価)分だけ翌年に非課税枠が復活しますが、年間投資枠の上限の範囲内での再投資になります。
- NISAの利益は住民税の申告や扶養の判定に影響しますか?
- 影響しません。NISA口座の利益は所得税だけでなく住民税も非課税で、住民税の申告も不要です。また、所得に含まれないため、配偶者控除・扶養控除の判定にも一切影響しません。
まとめ:NISAと確定申告のポイント
NISA口座は非課税制度であり、原則として確定申告は不要です。ただし、配当金の受取方法や損失の扱いなど、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。最後に要点を整理します。
NISA口座の売却益・配当金・分配金はすべて非課税で、確定申告は必要ありません。
株式数比例配分方式で受け取れば非課税・申告不要、それ以外の方式では課税されます。
NISA口座内の損失は他の口座との損益通算や繰越控除の対象外です。
NISA口座で受け取る外国株式の配当金は、現地源泉税があっても外国税額控除は使えません。
売却した商品の取得金額(簿価)分だけ翌年に非課税枠が復活する制度を活用し、長期的な資産形成に役立てましょう。



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