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「投資信託を売却したけど確定申告は必要?」「分配金や配当金にはどんな税金がかかるの?」「損が出た年はどうすればいい?」——投資と税金の関係は、意外と複雑で悩む方が多いテーマです。ポイントは、特定口座(源泉徴収あり)なら原則申告不要。でも損益通算・繰越控除・配当控除を使うなら“あえて申告”した方が得という点です。本記事では、投資信託を中心に、株式・配当金・外国株式・NISAまで、2026年最新の制度と国税庁の一次情報をもとに横断的に解説します。
📌 この記事でわかること
対象読者:投資信託・株式・NISAで運用する個人/確定申告が必要か知りたい方/読了の目安:約8分
- 投資信託・株式にかかる税金(20.315%)の内訳と、確定申告が必要/不要の分かれ目
- 特定口座(源泉あり・なし)と一般口座の違い、初心者がまず選ぶべき口座
- 配当金の課税方式3つ(申告不要・総合課税・申告分離)と、どれが得かの判断軸
- 損益通算・繰越控除(3年)・外国税額控除・新NISAの使い方と、申告で払い過ぎを取り戻す方法
ぜいむたん


投資信託・資産運用にかかる税金の基本【早わかり】
投資信託や上場株式で得た利益には、原則として20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)の税金がかかります。これは「申告分離課税」として給与所得などとは分離して計算され、利益がいくらでも税率は一定です(出典:国税庁 No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税))。まずは利益の種類を押さえましょう。
投資で発生する利益と税金の関係
解約・買取時の値上がり益。約20.315%の申告分離課税。特定口座(源泉あり)なら原則申告不要。
運用益から支払われる分配金。課税対象(約20.315%)。配当所得として扱われる。
元本の一部払い戻し。利益ではないため非課税。分配金通知書で内訳を確認。
出典:国税庁 No.1463/No.1330 をもとに作成
| 区分 | 税率 | 備考 |
|---|---|---|
| 所得税 | 15% | 申告分離課税 |
| 復興特別所得税 | 0.315% | 所得税額×2.1%(2037年まで) |
| 住民税 | 5% | — |
| 合計 | 20.315% | 売却益・普通分配金・配当金に共通 |
特定口座と一般口座の違い(口座選びで申告の手間が変わる)






証券口座には「特定口座」と「一般口座」があり、特定口座はさらに「源泉徴収あり/なし」に分かれます。どれを選ぶかで確定申告の手間が大きく変わります(出典:国税庁 No.1476 特定口座制度)。
| 口座タイプ | 年間取引報告書 | 納税 | 確定申告 |
|---|---|---|---|
| 特定口座(源泉徴収あり) | 証券会社が作成 | 自動で源泉徴収・納付 | 原則不要 |
| 特定口座(源泉徴収なし) | 証券会社が作成 | 自分で納付 | 年間利益20万円超で必要 |
| 一般口座 | 自分で作成 | 自分で納付 | 原則必要 |
特定口座(源泉徴収あり)なら取引の都度の記録も申告も原則不要で、申告漏れのリスクもありません。損益通算や損失の繰越控除を使いたい場合だけ、確定申告を行えばよい仕組みです。
確定申告が必要なケース・不要なケース






確定申告が不要なケース
- 特定口座(源泉徴収あり)で運用している:証券会社が税金を自動計算・納税してくれるため不要
- NISA口座で運用している:利益が非課税のため不要
- 年間の利益が20万円以下の給与所得者(1か所給与・年収2,000万円以下)。ただし所得税が不要でも住民税の申告は必要
確定申告が必要なケース
- 一般口座で運用している
- 特定口座(源泉徴収なし)で年間利益が20万円超
- 複数の証券会社の口座間で損益通算したい
- 損失の繰越控除を行いたい
- 配当控除・外国税額控除を受けたい
確定申告した方が有利なケース
- 課税所得が695万円以下の方:配当を総合課税で申告し配当控除を使うと、源泉徴収税額の一部が還付される可能性
- 他の口座で損失がある:損益通算で源泉徴収税額が還付される
- 前年以前の損失がある:繰越控除で過去の損失と相殺できる
株式・配当金にかかる税金と課税方式






投資信託と同じ証券口座で扱う上場株式の譲渡益・配当金も、税率や申告の考え方は投資信託とほぼ共通です。株式の譲渡益は投資信託と同じく20.315%の申告分離課税で、譲渡所得は〈売却価額 − 取得費 − 売却手数料〉で計算します(同一銘柄を複数回購入した場合は「総平均法に準ずる方法」で取得費を算定)。
一方、配当金は通常20.315%が源泉徴収されますが、確定申告で3つの課税方式から選べます(出典:国税庁 No.1330 配当金を受け取ったとき(配当所得))。
配当金の課税方式は3つから選べる
源泉徴収で課税完了。合計所得に加算されず、配偶者控除・扶養控除に影響しない。
他の所得と合算。配当控除(最大10%)が使え、課税所得695万円以下なら有利になりやすい。
20.315%で分離課税。株式の譲渡損失と損益通算できるのが最大のメリット。
出典:国税庁 No.1330 配当金を受け取ったとき(配当所得)をもとに作成
| あなたの状況 | 有利になりやすい方式 |
|---|---|
| 課税所得695万円以下 | 総合課税(配当控除で実効税率が下がる) |
| 課税所得695万円超 | 申告不要 or 申告分離課税 |
| 株式の売却損がある | 申告分離課税(損益通算する) |
住民税の課税方式は所得税と一致(令和5年分以降)
かつては配当・譲渡所得について所得税と住民税で異なる課税方式を選べましたが、令和4年度税制改正により、令和5年分(2023年分)の所得=令和6年度の個人住民税以降は、所得税と住民税の課税方式が一致することになりました。総合課税を選ぶと住民税も総合課税になるため、国民健康保険料・後期高齢者医療保険料・各種判定への影響もあわせて検討しましょう。
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損益通算とは、投資で得た利益と損失を相殺して課税対象を減らす仕組みです。投資信託・株式の売却損益と、申告分離課税を選んだ配当金が対象です。同じ証券会社の特定口座(源泉あり)内は自動通算されますが、異なる証券会社の口座間は確定申告が必要です。
損益通算の例:A投信の売却益+50万円、B投信の売却損▲30万円 → 通算後の課税対象20万円 → 税金 約40,630円(通算しない場合は約101,575円)。
年間で通算しても残る損失は、確定申告で翌年以降3年間繰り越し、将来の利益と相殺できます(出典:国税庁 No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除)。
| 年 | 損益 | 繰越控除の適用 | 残り繰越損失 |
|---|---|---|---|
| 2026年 | ▲100万円 | 確定申告で繰越申請 | 100万円 |
| 2027年 | +40万円 | 相殺 → 課税ゼロ | 60万円 |
| 2028年 | +50万円 | 相殺 → 課税ゼロ | 10万円 |
| 2029年 | +30万円 | 10万円と相殺 → 課税20万円 | 0円 |
外国株式・海外ETFの外国税額控除






米国株式やグローバルETFなど外国株式の配当金には、現地で源泉徴収される外国税(例:米国株は10%)と、日本でさらに源泉徴収される20.315%の二重課税が発生します。外国税額控除は、この二重課税を調整する制度で、確定申告で申告すれば外国で源泉徴収された税金の一部または全部を日本の所得税額から差し引けます(出典:国税庁 No.1240 居住者に係る外国税額控除)。外国税額控除を使うには確定申告が必須です。
新NISAと確定申告






NISA口座で購入した金融商品の利益(売却益・配当金・分配金)はすべて非課税で、確定申告は不要です。2024年からの新NISAの投資枠は次のとおりです。
| 枠 | 年間投資枠 | 対象商品 |
|---|---|---|
| つみたて投資枠 | 120万円 | 長期・積立・分散に適した投資信託 |
| 成長投資枠 | 240万円 | 上場株式・投資信託等 |
| 生涯投資枠 | 1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)・非課税保有期間は無期限 | |
NISA口座の注意点:NISA口座の損失は特定口座・一般口座の利益と損益通算できず、翌年以降にも繰り越せません(税務上「ないもの」として扱われる)。また、株式の配当金を非課税にするには「株式数比例配分方式」を選ぶ必要があり、郵便局受取や銀行振込では課税されます。
投資信託の確定申告の手順






準備する書類は、特定口座年間取引報告書(証券会社から1月中に届く)・分配金の支払通知書・前年の確定申告書の控え(繰越控除を行う場合)・マイナンバー関連書類です。
国税庁「確定申告書等作成コーナー」または証券口座と連携できるクラウド会計ソフトを開きます。
「分離課税」の「株式等の譲渡所得等」欄に、報告書の譲渡益・源泉徴収税額などを転記します。
異なる証券会社の口座も、すべての年間取引報告書を入力すると自動で損益通算されます。
前年からの繰越損失があれば該当画面で入力し、配当がある場合は課税方式(総合/分離)を選んで入力します。
自動計算された申告書を確認し、e-Taxで電子提出、または印刷して郵送します。
投資信託の税金を最適化する4つのテクニック






- 1. NISA枠を最大限活用:年間最大360万円までの利益が非課税。まず使い切ることが節税の基本。
- 2. 含み損を年内に売却して損益通算:同年の利益と相殺。売却後に同じファンドを買い直すことも可能(タックスロス・ハーベスティング)。
- 3. 分配金再投資型を選ぶ:分配金が出ず基準価額に反映されるため、売却まで課税を繰り延べられる。
- 4. 基本は特定口座(源泉徴収あり):原則申告不要で手間なし。通算・繰越が必要なときだけ申告すればよい。
確定申告の注意点とよくあるミス
- 特定口座(源泉あり)の申告は慎重に:申告すると合計所得金額に加算され、配偶者控除・扶養控除の判定や国民健康保険料に影響する場合がある。損益通算のメリットと比較を。
- NISA口座の損失を申告しても無意味:税務上「ないもの」として扱われ、損益通算・繰越控除はできない。
- 配当金の受取方式に注意:NISAで配当を非課税にするには「株式数比例配分方式」が必須。
- 住民税の申告漏れ:所得税が申告不要でも住民税で申告が必要な場合がある(配当・譲渡所得は令和5年分以降、所得税と課税方式が一致)。
よくある質問(FAQ)
- 投資信託の売却益で扶養から外れることはありますか?
- 特定口座(源泉徴収あり)で確定申告をしなければ、売却益は合計所得金額に含まれないため、扶養の判定に影響しません。ただし、確定申告をした場合は合計所得金額に含まれるため、扶養から外れる可能性があります。損益通算のメリットと扶養のメリットを比較して判断しましょう。
- 投資信託の税金は海外ファンドでも同じですか?
- 国内の証券会社を通じて購入した海外投資信託であれば、税率は同じ20.315%です。ただし、海外の分配金には現地国の源泉税がかかる場合があり、確定申告で外国税額控除を申請することで二重課税を軽減できます。
- iDeCo(個人型確定拠出年金)の投資信託も確定申告が必要ですか?
- iDeCoの運用益は非課税のため、確定申告は不要です。ただし、iDeCoの掛け金は小規模企業共済等掛金控除として所得控除の対象になるため、年末調整または確定申告で控除申請を行いましょう。
- NISAで損が出た場合、確定申告で損益通算できますか?
- いいえ、NISA口座で発生した損失は税務上「ないもの」として扱われます。特定口座や一般口座の利益と損益通算することはできず、翌年以降への損失繰越控除も利用できません。NISAの非課税メリットは利益が出た場合に享受できるものです。
- 仮想通貨(暗号資産)の利益も確定申告が必要ですか?
- はい、仮想通貨の利益は原則「雑所得」として確定申告が必要です(給与所得者で年間利益20万円以下の場合を除く)。株式のような申告分離課税ではなく総合課税のため、所得が増えるほど税率が上がります(最大55%)。また、株式・投資信託との損益通算はできません。
- 確定申告の期限を過ぎてしまった場合はどうすればいいですか?
- 期限後でも確定申告は可能です。追加の税金を納める場合は「無申告加算税」(原則15%、50万円超の部分20%、300万円超の部分は30%。税務調査前に自主的に申告すれば5%に軽減)と「延滞税」が課されます。一方、還付申告は、申告期限から5年以内であればペナルティなしで行えます。
まとめ|投資の税金は「特定口座+NISA+申告で取り戻す」が基本
投資信託・資産運用の確定申告は、特定口座(源泉徴収あり)を使っていれば原則不要です。ただし、損益通算・繰越控除・配当控除・外国税額控除を活用すると、払い過ぎた税金を取り戻せるケースがあります。最後に要点を整理します。
原則申告不要で手間なく、申告漏れのリスクもありません。まずここを押さえます。
年間最大360万円・生涯1,800万円まで非課税。非課税枠の活用が最大の節税です。
損益通算・繰越控除(3年)・配当控除・外国税額控除で、源泉徴収された税金の還付を狙います。



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