「給与明細の社会保険料の欄、これって本当に合ってるんだろうか」——毎月の給与計算のたびに、そんな不安がよぎることはありませんか。健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険と項目が多いうえに、令和8年度からは新しく「子ども・子育て支援金」も加わり、何をどう計算しているのか分かりにくくなっています。
とくに個人事業主で従業員を初めて雇った方や、経理担当になったばかりの方にとっては、標準報酬月額や端数処理のルールは知らないと計算を間違えやすいポイントです。間違えたまま放置すると、あとで訂正の手間が増えたり、従業員から指摘されて信頼を損ねたりすることにもつながります。
この記事では、協会けんぽ・日本年金機構・厚生労働省が公表している令和8年度の公的資料の数値だけを使い、毎月の給与から天引きされる社会保険料の計算方法を、実際の計算例とテンプレ付きで整理します。
📌 この記事でわかること
結論:毎月の社会保険料は、雇用保険を除く4つが「標準報酬月額×料率÷2」で決まり、令和8年度・東京都の場合は健康保険9.85%、介護保険1.62%、子ども・子育て支援金0.23%、厚生年金18.300%です。
- 社会保険料の計算方法と、5種類の天引き項目の内訳
- 標準報酬月額がいつの給与で決まり、いつから変わるか
- 総支給30万円・東京都のケースでの具体的な天引き額(45歳・35歳)
- 50銭の端数処理ルールと、そのまま使えるExcel計算式
- 入社月・退職月・40歳/65歳の切り替えで金額が変わるタイミング
対象読者:給与計算担当者・従業員を雇う個人事業主・自分の給与明細を確認したい会社員/読了の目安:約12分
ぜいむたん


社会保険料とは(給与から天引きされる5種類と会社の負担)
毎月の給与から天引きされる社会保険料は、健康保険・介護保険(40〜64歳のみ)・子ども子育て支援金・厚生年金保険・雇用保険の5種類です。このうち健康保険・介護保険・子ども子育て支援金・厚生年金保険の4つは会社と従業員が同じ金額ずつ負担する「労使折半」で、給与からはその半分だけが天引きされます。
実際にどの項目が給与明細のどこに表示されるかは、給与計算の支給欄と控除欄の完全ガイドで、控除欄に入る各項目(法定控除と協定控除)と計算方法を確認できます。あわせて読むと、今回の記事の計算結果と自分の給与明細を照らし合わせやすくなります。
労使で半分ずつ負担するもの/本人負担がないもの(労災保険)
健康保険・介護保険・子ども子育て支援金・厚生年金保険は、会社が保険料の半分を負担し、残り半分を従業員の給与から天引きします。つまり、給与明細に書かれている金額と同じ金額を、会社ももう1人分負担していることになります。自社の年間負担額をまとめて試算したい場合は、社会保険の適用拡大で会社負担はいくら増える?加入判定と年間コストの自動計算ツール【2026年版】で概算できます。
一方、雇用保険は労使で負担割合が異なり、会社の方が多く負担します。さらに労災保険は全額を会社が負担する仕組みで、従業員本人の給与から天引きされることは一切ありません(業種ごとの保険率の数値は本記事では扱いません)。
- 健康保険・介護保険・子ども子育て支援金・厚生年金保険:労使折半(会社と従業員が同額ずつ)
- 雇用保険:会社の方が負担割合が大きい(労使で率が異なる)
- 労災保険:全額会社負担・従業員の給与からは天引きされない






計算式の全体像(4種類は標準報酬月額×料率÷2、雇用保険だけは実際の賃金×率)
健康保険・介護保険・子ども子育て支援金・厚生年金保険の4つは、いずれも「標準報酬月額×料率÷2」という同じ計算構造です。標準報酬月額とは、実際の給与額そのものではなく、一定の幅で区分した「きりのよい等級ごとの金額」のことを指します。
これに対して雇用保険だけは仕組みが違い、標準報酬月額を使わず「実際にその月に支払った賃金額×被保険者負担率」で計算します。基本給だけでなく残業手当や通勤手当を含めた税引き前の金額に、そのまま料率を掛ける点が他の4種類と異なります。
- 健康保険・介護保険・支援金・厚生年金:標準報酬月額×料率÷2
- 雇用保険:実際に支払った賃金額×被保険者負担率(標準報酬月額は使わない)
- 標準報酬月額:実際の給与を一定の幅で区分した「等級ごとの金額」






標準報酬月額の決め方(入社時・毎年9月・大幅な昇給降給時)
標準報酬月額は、基本給のほか残業手当や通勤手当などを含めた税引き前の給与を「報酬月額」として一定の幅の区分にあてはめ、決定します。一度決まった標準報酬月額は、次の見直しタイミングが来るまでの間、実際の給与額が多少変動しても据え置かれます。
見直しのタイミングは「入社したとき(資格取得時決定)」「毎年9月から切り替わる定時決定(7月に届出)」「大幅な昇給・降給があったときの随時改定」の主な3パターンです。それぞれいつの給与を見て、いつから適用されるかが異なります。
標準報酬月額の決め方 3パターン
入社時の見込み給与で決定。資格取得した月からその年の8月(6月以降の入社は翌年8月)まで適用(日本年金機構「資格取得時の決定」)。
毎年7月1日時点で、4〜6月の報酬平均をもとに見直し。9月から翌年8月まで適用(日本年金機構「定時決定(算定基礎届)」)。
固定的賃金が大きく変わったとき、変動月から4か月目に改定。
早見表:いつの給与で決まり、いつから変わるか
| 決定方法 | 見る給与 | 適用期間 | 届出書類と期限 |
|---|---|---|---|
| 資格取得時決定 | 入社時の見込み給与 | 資格取得した月〜その年の8月(6月以降入社は翌年8月まで) | 資格取得届(入社時) |
| 定時決定(算定基礎届) | 4・5・6月の報酬平均(支払基礎日数17日未満の月は除く) | 9月〜翌年8月 | 算定基礎届(毎年7月10日まで) |
| 随時改定(月額変更届) | 固定的賃金変動後3か月の報酬平均 | 変動月から起算して4か月目 | 月額変更届(要件を満たした都度) |
等級表の読み方(健康保険50等級と厚生年金32等級で番号がずれる)
協会けんぽの保険料額表を見ると、等級欄に「16(13)」のような表記があります。これは健康保険が第16等級、厚生年金保険が第13等級であることを示しており、( )内の数字が厚生年金保険の等級です。健康保険は第1級58,000円〜第50級1,390,000円の50等級、厚生年金保険は第1級88,000円〜第32級650,000円の32等級に分かれているため、同じ標準報酬月額でも等級番号がずれます。
厚生年金保険の標準報酬月額の上限(現在65万円・第32等級)は、2027年9月に68万円、2028年9月に71万円、2029年9月に75万円へと段階的に引き上げられる予定です。2026年度時点ではまだ引き上げられていないため、現在の上限は65万円のままです。
随時改定の3要件
随時改定は、昇給や降給があれば自動的に適用されるわけではありません。次の3つの要件をすべて満たす必要があります(日本年金機構「随時改定(月額変更届)」)。
- 昇給または降給等により、固定的賃金に変動があったこと
- 変動月以後引き続く3か月の報酬の平均額から算出した標準報酬月額と、従前の標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じたこと
- 変動月以後引き続く3か月とも、報酬の支払基礎日数が17日(特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日)以上あること
例外として、標準報酬月額の上限または下限にわたる等級変更の場合は、1等級差でも随時改定の対象になります(日本年金機構「随時改定(月額変更届)」)。
基本給や役職手当など、毎月固定で支払う賃金が変わったかどうかを確認します。残業手当のような変動的な手当の増減だけでは対象になりません。
変動があった月から3か月間の報酬の平均額で、新しい等級を出します。3か月とも支払基礎日数が17日(特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日)以上あることが要件なので、1か月でも下回れば随時改定の対象になりません(17日未満の月を除いて平均するのは定時決定のほうの扱いです)。
従前の標準報酬月額と2等級以上の差があれば、変動月から起算して4か月目の標準報酬月額から改定されます。






令和8年度の保険料率一覧(東京都・協会けんぽの場合)
ここからは、実際に給与から天引きする金額を計算するための料率を確認します。協会けんぽの健康保険料率は都道府県ごとに異なり、本記事の数値はすべて東京都の令和8年3月分(4月納付分)以降に適用される料率です。健康保険組合に加入している会社は、これとは別の料率が適用されます。料率と等級ごとの折半額は、協会けんぽ「令和8年3月分(4月納付分)からの保険料額表(東京支部)」で確認できます。
| 保険の種類 | 令和8年度の料率(東京都) | 本人負担 | 会社負担 |
|---|---|---|---|
| 健康保険 | 9.85% | 折半(2分の1) | 折半(2分の1) |
| 介護保険(40〜64歳のみ加算) | 1.62%(全国一律・健康保険料率に加算し合計11.47%) | 折半(2分の1) | 折半(2分の1) |
| 子ども・子育て支援金 | 0.23%(令和8年4月分〜適用) | 折半(2分の1) | 折半(2分の1) |
| 厚生年金保険 | 18.300% | 折半(2分の1) | 折半(2分の1) |
| 雇用保険(一般の事業) | 合計13.5/1,000(1.35%) | 5/1,000(0.5%) | 8.5/1,000(0.85%) |
雇用保険料率は厚生労働省「令和8(2026)年度雇用保険料率のご案内」のとおり、令和8年4月1日から令和9年3月31日までの期間に適用されるもので、令和7年度の労働者負担5.5/1,000から5/1,000へ引き下げられています。健康保険料率は都道府県によって差があり、たとえば大阪支部は10.13%(令和8年3月分〜)と、東京都より高くなっています。子ども・子育て支援金の率(0.23%)と、令和8年4月分の保険料(5月の給与天引き)から始まることは、こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」で公表されています。






【計算例】総支給30万円・東京都の天引き額(45歳と35歳)
実際の金額で計算してみましょう。前提は「総支給額30万円(通勤手当を含む)・東京都・標準報酬月額300,000円(22〈19〉等級)」です。この条件で45歳(介護保険第2号被保険者に該当)と35歳(介護保険非該当)を比較すると、次のようになります。
| 項目 | 45歳(介護保険該当) | 35歳(介護保険非該当) |
|---|---|---|
| 健康保険(+介護保険) | 17,205円 | 14,775円 |
| 子ども・子育て支援金 | 345円 | 345円 |
| 厚生年金保険 | 27,450円 | 27,450円 |
| 雇用保険(賃金30万円×5/1,000) | 1,500円 | 1,500円 |
| 合計(給与天引き額) | 46,500円 | 44,070円 |
報酬月額290,000円以上310,000円未満なら、標準報酬月額300,000円(健康保険22等級・厚生年金19等級)に該当します。
協会けんぽの保険料額表の該当行から、健康保険(介護保険の有無で金額が変わる)・支援金・厚生年金の折半額をそのまま転記します。
雇用保険だけは標準報酬月額300,000円ではなく、実際に支払った賃金額に料率を掛けます。今回の例では総支給額がちょうど30万円のため、結果として同じ1,500円になっているだけで、本来は別の計算です。
なお、この記事で扱うのは毎月の給与にかかる社会保険料です。夏・冬の賞与(ボーナス)は「標準賞与額」という別の考え方で計算するため、天引き額の出し方が変わります。詳しくは夏の賞与(ボーナス)にかかる社会保険料と源泉所得税の計算方法【2026年版】で解説しています。






円未満の端数処理(50銭の扱いは給与控除と現金払いで違う)
折半額には、円未満の端数が出ることがあります。この端数は「四捨五入」ではなく、独自の50銭ルールで処理します。しかも、給与から天引きする場合と、従業員が現金で会社に支払う場合とで、ちょうど50銭のときの扱いが異なる点に注意が必要です。
- 給与から控除する場合
被保険者負担分の端数が50銭以下なら切り捨て、50銭を超える場合は切り上げて1円にします。 - 被保険者が現金で会社に支払う場合
端数が50銭未満なら切り捨て、50銭以上なら切り上げて1円にします。
例えば標準報酬月額190,000円(16〈13〉等級)・東京都・40歳未満の健康保険料の折半額は9,357.5円です。給与から控除する場合は50銭以下の切り捨てなので9,357円、従業員が現金で支払う場合は50銭以上の切り上げなので9,358円になります。同じ9,357.5円でも、控除方法によって1円変わることが分かります。
上記のルールにかかわらず、事業主と被保険者の間で端数処理について特約がある場合は、その特約に基づいて処理することができます。就業規則や労使協定で独自のルールを定めている会社は、そちらが優先されます。
Excelで給与控除用の端数処理を自動化する場合は、先に銭単位で丸めてから50銭ルールを当てはめると、浮動小数点の誤差を避けられます。標準報酬月額をA1セル、料率(9.85%なら0.0985として入力)をB1セルに置くと、次の式で給与控除額を計算できます。
=ROUNDUP(ROUND(A1*B1/2,2)-0.5,0)






天引きのタイミング(前月分を控除)と入社月・退職月
社会保険料は「前月分」を当月の給与から控除するのが基本です。事業主は、被保険者に対して通貨で報酬を支払う際、前月分の標準報酬月額に係る保険料を報酬から控除することができると法律で定められています(健康保険法第167条第1項・厚生年金保険法第84条第1項)。これは事業主に認められた権利であり、義務として「控除しなければならない」とまでは定められていません。
会社が納付する保険料の納付期限は、翌月末日です(健康保険法第164条第1項)。給与からの天引きと、会社から年金機構・協会けんぽへの納付とでは、1か月ずれがあることを覚えておくと流れが理解しやすくなります。
資格喪失日は、退職日の翌日です(健康保険法第36条)。このため、同じ月内の退職でも月末退職か月の途中退職かで、最後の給与から控除される保険料が変わります。なお、退職で使用されなくなった場合は「前月及びその月」の保険料を報酬から控除できると条文に定められているため、月末退職では最後の給与から2か月分がまとめて控除されることがあります(健康保険法第167条第1項・厚生年金保険法第84条第1項の括弧書き)。
- 月末退職(例:9月30日):資格喪失日は10月1日となり、9月分の保険料がかかる
- 月の途中退職(例:9月15日):資格喪失日は9月16日となり、9月分はかからない






40歳・65歳で介護保険料が切り替わる月
介護保険料は、40歳から64歳までの「介護保険第2号被保険者」だけに加算されます。この「40歳に達したとき」は誕生日当日ではなく、誕生日の前日を指す点が実務でつまずきやすいポイントです。誕生日の前日が属する月の分から、健康保険料とあわせて介護保険料がかかります(協会けんぽ「介護保険制度と介護保険料について」)。
65歳になるときも同じ考え方です。誕生日の前日が属する月から介護保険第2号被保険者ではなくなり、以降は市区町村が徴収する「第1号被保険者」に切り替わります。給与からの天引きはなくなりますが、介護保険料自体がなくなるわけではありません。
誕生日が1日(例:5月1日)
→ 前日は4月30日なので、4月分の保険料から介護保険料が加わる(前月分を控除する会社では5月支給の給与で天引き)
誕生日が2日以降(例:5月15日)
→ 前日は5月14日なので、5月分の保険料から介護保険料が加わる(前月分を控除する会社では6月支給の給与で天引き)
65歳の誕生日の前日が属する月から介護保険第2号被保険者ではなくなり、その月分から給与天引きの介護保険料はかからなくなります。以降は第1号被保険者として、お住まいの市区町村から個別に介護保険料が徴収されます。






計算テンプレ(Excel式)と毎月のチェックリスト
毎月同じ計算を手作業で繰り返すのは大変ですし、ミスも起こりやすくなります。先ほどの端数処理の式とあわせて、標準報酬月額から給与控除額を求める流れをテンプレ化しておくと、検算がぐっと楽になります。
標準報酬月額をA1、健康保険料率(介護保険該当なら合算後の料率)をB1に入力し、先ほどの=ROUNDUP(ROUND(A1*B1/2,2)-0.5,0)を健康保険・支援金・厚生年金それぞれの行にコピーすれば、給与控除額を一括で算出できます。雇用保険だけは標準報酬月額ではなく実際の賃金額を掛ける別の式にする点を忘れないでください。
- 今月の標準報酬月額は、直近の資格取得時決定・定時決定・随時改定のいずれかで確定した金額になっているか
- 40歳・65歳の誕生日をまたぐ従業員がいないか(誕生日の前日基準で確認)
- 健康保険料率は自社が加入する保険(協会けんぽ・健康保険組合)と都道府県に合っているか
- 雇用保険は標準報酬月額ではなく、実際に支払った賃金額×料率で計算しているか
- 端数処理は「給与控除は50銭以下切り捨て」のルールで統一されているか
- 退職者がいる場合、資格喪失日(退職日の翌日)を基準に最終月分の要否を確認したか






よくあるミス
社会保険料の計算では、細かいルールを見落としたことによる小さなミスが積み重なりやすい傾向があります。実務でとくに起こりやすいミスを5つ挙げます。
- 定時決定の反映漏れ
9月から新しい標準報酬月額を使うべきところ、前年のまま古い等級で計算し続けてしまうミスです。毎年8月中に算定基礎届の結果を給与システムへ反映できているか確認しましょう。 - 40歳・65歳の天引き開始・終了忘れ
誕生日当日ではなく前日基準であることを見落とし、介護保険料の天引き開始・終了が1か月ずれるケースです。 - 端数処理を四捨五入で計算してしまう
50銭以下切り捨て・50銭超切り上げのルールと四捨五入は境目の扱いが異なるため、まとめて処理すると誤差が生じます。 - 退職月の資格喪失日を勘違いする
資格喪失日は退職日の翌日であるため、月末退職か月の途中退職かで最終月分の要否が変わります。 - 雇用保険を標準報酬月額で計算してしまう
雇用保険だけは実際に支払った賃金額×料率で計算するルールを忘れ、他の保険料と同じ標準報酬月額を使ってしまうミスです。
これらに加えて、そもそも社会保険の加入対象かどうかの判定を誤るミスも起こりがちです。とくにパート・アルバイトの加入要件は2026年10月の制度変更で変わるため、「106万円の壁」撤廃 2026年10月|手取りはいくら減る?パート・企業の社会保険対応もあわせて確認してください。






よくある質問(FAQ)
- 社会保険料はどうやって計算すればいいですか?
-
健康保険・介護保険(40〜64歳)・子ども子育て支援金・厚生年金保険の4つは「標準報酬月額×料率÷2」で計算します。雇用保険だけは標準報酬月額を使わず「実際に支払った賃金額×被保険者負担率」で計算する点が異なります。令和8年度の東京都・協会けんぽの場合、料率は健康保険9.85%、介護保険1.62%、子ども子育て支援金0.23%、厚生年金保険18.300%、雇用保険は労働者負担0.5%です。等級ごとの正確な金額は、協会けんぽが公表する保険料額表で確認するのが確実です。
- 標準報酬月額はいつの給与で決まりますか?
-
入社時は資格取得時の見込み給与で決定し、その年の8月(6月以降の入社なら翌年8月)まで適用されます。その後は毎年7月1日時点で、4〜6月(支払基礎日数17日未満の月は除く)に受けた報酬の平均額をもとに見直す「定時決定」が行われ、9月から翌年8月まで適用されます。さらに昇給・降給で固定的賃金が変わり、変動後3か月の平均で2等級以上の差が生じた場合は「随時改定」として、変動月から起算して4か月目の標準報酬月額から改定されます。
- 50銭の端数はどう処理すればいいですか?
-
会社が給与から被保険者負担分を控除する場合は、端数が50銭以下なら切り捨て、50銭を超えたら切り上げて1円にします。逆に被保険者が現金で会社に支払う場合は、50銭未満は切り捨て、50銭以上は切り上げます。ちょうど50銭のときの扱いが給与控除と現金払いで異なる点に注意してください。なお、労使間の特約があれば、特約に基づく端数処理をすることもできます。
- 40歳になったら介護保険料はいつから天引きされますか?
-
「40歳に達したとき」は誕生日の前日を指すため、誕生日の前日が属する月の分の保険料から介護保険料が加わります。たとえば5月1日生まれの方は誕生日の前日が4月30日になるため、4月分の保険料から健康保険料とあわせて介護保険料が徴収されます(前月分を控除する会社では、5月に支給する給与で天引きします)。1日生まれの方は前月から徴収が始まる点に注意してください。65歳になると同じ考え方で介護保険第2号被保険者ではなくなり、以降は給与天引きではなくお住まいの市区町村から個別に徴収される第1号被保険者に切り替わります。
- 退職する月の社会保険料はどうなりますか?
-
資格喪失日は退職日の翌日です。月末(例:9月30日)に退職すると資格喪失日は10月1日となり、前月から引き続き被保険者だった9月分の保険料がかかります。一方、月の途中(例:9月15日)に退職すると資格喪失日は9月16日となり、9月分の保険料はかかりません。同じ月内の退職でも、月末か月の途中かで最後の給与から天引きされる金額が変わるので、退職者の給与計算をする際は資格喪失日を必ず確認してください。
社会保険料の計算方法まとめ:標準報酬月額と料率を押さえれば自分で検算できる






直近の資格取得時決定・定時決定・随時改定のいずれで決まった等級かを確認します。
40〜64歳は介護保険料が加算されることを忘れずに、協会けんぽの保険料額表で折半額を確認します。
標準報酬月額を使わず、その月に実際に支払った賃金額に料率を掛けます。
給与控除なら50銭以下切り捨て・50銭超切り上げのルールで、1円未満の端数を処理します。
資格喪失日(退職日の翌日)と、介護保険料の開始・終了(誕生日の前日基準)を忘れずにチェックします。



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