「デジタルインボイス」「Peppol(ペポル)」という言葉を最近よく見るけれど、インボイス制度や電子インボイスと何が違うのか分かりにくい——そんな個人事業主・中小企業の方は多いはずです。本記事では、デジタルインボイスとは何かを電子インボイスとの違いから整理し、freee・マネーフォワード・弥生の対応状況、そして「今すぐ導入すべきか」の判断軸まで、2026年最新情報でやさしく解説します。
ぜいむたん


デジタルインボイス(Peppol)とは?電子インボイスとの違い
デジタルインボイスとは、標準化され構造化された電子データの適格請求書のことです。PDFや画像で電子化しただけの「電子インボイス」とは異なり、ソフトが内容を機械的に読み取れる共通フォーマットでやり取りする点が大きな違いです。
この国際的な共通規格がPeppol(ペポル)で、日本向けに調整した標準仕様が「JP PINT」です。デジタル庁が主導し、デジタルインボイス推進協議会(EIPA)が普及を進めています。
電子インボイスとの違いを表で整理
「電子インボイス」と「デジタルインボイス」は混同されがちですが、決め手は標準規格に沿って構造化されているかどうかです。違いを表で確認しましょう。
| 項目 | 電子インボイス | デジタルインボイス(Peppol) |
|---|---|---|
| 形式 | PDF・画像・メール添付など | 標準規格で構造化されたデータ |
| 標準化 | なし(各社バラバラ) | あり(Peppol/JP PINT) |
| ソフト間連携 | 手入力・取り込みが必要なことが多い | メーカーが違っても自動連携 |
| 経理の自動化 | 限定的 | 請求〜記帳〜入金消込まで自動化しやすい |
JP PINT=日本の標準仕様
JP PINTは、国際規格Peppolをベースに日本の消費税・インボイス制度に合わせて調整した日本標準仕様です。送り手と受け手で使っているソフトのメーカーが違っても、Peppolネットワーク経由で同じ形式の請求データをやり取りできます。






なぜ今デジタルインボイス?2026年の動向と背景
背景には、労働人口の減少に伴う生産性向上の必要性があります。請求から支払い・記帳までを自動化できるデジタルインボイスは、バックオフィスの省力化策として国を挙げて推進されています。
デジタル庁・EIPAによる推進と海外動向
デジタル庁とEIPAは、JP PINTの仕様整備と対応ソフトの拡大を進めています。Peppolは30か国以上で採用されるグローバルスタンダードで、EUでは2030年7月からデジタルインボイスが標準形式となる予定です。一方、日本では取引先が対応していないとやり取りできないため、普及には時間がかかるとの慎重な見方もあります。
インボイス制度・電子帳簿保存法との関係
デジタルインボイスでも、適格請求書としての記載事項(インボイス登録番号など)は引き続き必要です。また、受け取ったデジタルインボイスは電子取引データに該当するため、電子帳簿保存法のルールに沿った保存が求められます。






中小・個人事業主のメリット・デメリット
デジタルインボイスは便利な一方で、導入には前提条件もあります。メリットとデメリットを正しく理解してから判断しましょう。
デジタルインボイス導入の主なメリット・デメリット
手入力・転記が減り、入力ミスや入金消込の手間を削減。インボイス制度で増えた経理負担を軽くできる。
取引先も対応していないと使えない。対応ソフトの導入コストや請求フローの見直しが必要な場合がある。
少額・少数の取引が中心なら、急いで導入する必要性は低いこともあります。自分の取引スタイルに照らして判断するのがポイントです。






対応している会計ソフト(freee・マネーフォワード・弥生)と連携
主要なクラウド会計ソフトはデジタルインボイス対応を進めています。Peppolに対応していれば、送り手と受け手でソフトのメーカーが違っても送受信できます。各社の対応イメージを表で整理しました(最新の対応範囲は各社公式情報でご確認ください)。
| 会計ソフト | デジタルインボイス対応の方向性 | 主な対象製品 |
|---|---|---|
| マネーフォワード クラウド | 請求書・会計・確定申告などで対応を開始 | クラウド請求書/会計/確定申告 ほか |
| 弥生 | Peppolネットワークでの送受信に対応 | 弥生のクラウド請求・会計サービス |
| freee | インボイス制度対応の請求・保存機能を提供 | freee経理・請求まわり |
Peppolネットワークの仕組み
Peppolは「アクセスポイント」と呼ばれる窓口を経由して請求データを送受信します。利用者は対応する会計ソフトを使うだけで、裏側のアクセスポイントを意識せずにデジタルインボイスをやり取りできます。メールアドレスの仕組みに似て、別々のサービス同士でも届く——とイメージすると分かりやすいでしょう。
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個人事業主が今からやるべき対応ステップ
いきなり全取引をデジタル化する必要はありません。まずは自分と取引先の対応状況を確認し、小さく始めるのが現実的です。下のフローで「今すぐ対応すべきか」を判断してみましょう。
ある(大企業・対応済み)
→ 早めに対応すると有利
ほぼない(紙・PDF中心)
→ 今は情報収集でOK
対応していれば設定を有効化してテスト送受信。未対応なら、対応ソフトへの乗り換え・アップグレードを検討する。






よくある質問(FAQ)
- デジタルインボイスにすると、紙やPDFの請求書は使えなくなりますか?
-
いいえ。デジタルインボイス(Peppol)は任意の仕組みで、紙やPDFの請求書も引き続き有効です。取引先や自社の状況に合わせて、使い分けたり段階的に移行したりして問題ありません。
- 個人事業主もデジタルインボイス対応は必須ですか?
-
2026年時点で義務ではありません。ただし取引先が対応している場合は、対応すると請求・記帳の手間が減り経理がラクになります。まずは利用中の会計ソフトの対応状況を確認しましょう。
- デジタルインボイスでもインボイス登録番号は必要ですか?
-
必要です。適格請求書としての記載事項(登録番号・税率ごとの金額など)は、紙でもデジタルでも変わりません。デジタル化されても制度上の要件はそのまま満たす必要があります。
- 無料で始められますか?
-
利用中のクラウド会計・請求ソフトのプランに、デジタルインボイス機能が含まれている場合があります。追加費用の有無やプラン条件は各社の公式情報で確認するのが確実です。
まとめ:まずは自分のソフトと取引先を確認しよう
デジタルインボイス(Peppol/JP PINT)は、構造化された請求データで経理を自動化する仕組みです。義務ではありませんが、対応ソフトと取引先の状況を確認し、小さく始めることで将来の効率化につながります。次の3ステップで対応を進めましょう。
freee・マネーフォワード・弥生など、使っているソフトがPeppol(デジタルインボイス)に対応しているか、公式情報で確認します。
主要な取引先がデジタルインボイスに対応しているかを確認します。対応先が多いほど導入メリットが大きくなります。
対応していれば機能を有効化し、まず少数の取引でテスト送受信。問題なければ本運用へ広げていきます。電子取引データの保存ルールも忘れずに。
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この記事の監修
公認会計士試験合格者が在籍。税務・会計の実務経験に基づき、正確な情報提供を心がけています。
公認会計士試験合格者在籍、Big4監査法人・税理士法人での実務経験、財務省勤務経験
免責事項
本記事の内容は情報提供を目的としたものであり、特定の税務判断を推奨するものではありません。具体的な税務・会計の判断については、必ず税理士・公認会計士等の専門家にご相談ください。記事の内容は執筆時点の法令・制度に基づいています。制度・各社サービスの対応状況は変更される場合があるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。
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