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「火災保険には入っているのに、地震保険料控除を申告したことがない」——実はこういった方は非常に多いです。地震保険料控除は所得税で最大5万円・住民税で最大2.5万円の節税効果がある控除にもかかわらず、年末調整や確定申告で見落とされがちな控除の一つです。国税庁タックスアンサーNo.1145を一次確認のうえ、火災保険との違いから申請手順・旧長期損害保険料との有利判定まで、公認会計士試験合格者が丁寧に解説します。
📌 この記事でわかること
- 地震保険料控除の上限(所得税5万円・住民税2.5万円)と計算式
- なぜ火災保険は控除対象外で、地震保険だけが対象なのか
- 旧長期損害保険料との混在時の3択有利判定(計算例付き)
- 家財の地震保険・賃貸の場合も控除できるかの判断基準
- 会社員(年末調整)・個人事業主(確定申告)別の申請手順ステップ
ぜいむたん


地震保険料控除とは?火災保険が対象外な理由を先に整理
地震保険料控除とは、1年間に支払った地震保険の保険料を所得から差し引ける「所得控除」の一種です。所得税・住民税の両方に適用でき、払い忘れると毎年確実に損をする控除です。






✅ 控除対象(地震保険料)
- 地震保険の保険料
- 地震特約付き火災保険の地震特約部分の保険料
- 旧長期損害保険料(H18.12.31以前締結)
- 家財を対象とした地震保険(賃貸住宅も可)
❌ 対象外(控除不可)
- 火災保険(地震補償なし)の保険料
- 自動車保険(地震特約含む)
- 賠償責任保険・傷害保険
- 店舗・事業用建物のみを対象とした地震保険
火災保険に地震保険特約が付いている場合、保険料証明書に「火災保険料部分」と「地震保険料部分」が分けて記載されています。控除対象となるのは地震保険料部分のみです。火災保険料と地震保険料が合算された証明書の場合は、保険会社に内訳を確認してください。
控除額の計算式と上限(所得税・住民税)
国税庁タックスアンサーNo.1145によると、地震保険料控除の計算は非常にシンプルです。生命保険料控除のような複雑な逓減計算はなく、支払った地震保険料の全額(ただし上限あり)が控除額になります。






| 税目 | 控除額の計算 | 上限 |
|---|---|---|
| 所得税 | 年間支払保険料の全額 | 5万円 |
| 住民税 | 年間支払保険料 × 1/2 | 2.5万円 |
💡 節税効果の計算例(所得税率20%・住民税率10%の場合)
- 地震保険料を年間6万円支払っている場合(→ 所得税控除額は上限の5万円)
- 所得税の節税額:5万円 × 20% = 10,000円
- 住民税の節税額:2.5万円 × 10% = 2,500円
- 年間合計節税:12,500円(申告しないと毎年この金額が損に)
旧長期損害保険料との混在時|3択の有利判定
平成18年(2006年)12月31日以前に締結した「長期損害保険契約(満期返戻金あり・保険期間10年以上)」は、「旧長期損害保険料」として地震保険料控除とは別の計算式が適用されます。






旧長期損害保険料の控除額計算式(所得税):
| 年間保険料 | 控除額 |
|---|---|
| 2,000円以下 | 保険料全額 |
| 2,000円超〜4,000円以下 | 保険料×1/2 + 1,000円 |
| 4,000円超〜10,000円以下 | 保険料×1/4 + 2,000円 |
| 10,000円超 | 一律 15,000円(上限) |
【3択の選び方(具体例)】地震保険料3万円 + 旧長期損害保険料1.5万円の場合
| 選択肢 | 計算式 | 控除額(所得税) |
|---|---|---|
| (ア)地震保険料のみ | 3万円全額 | 30,000円 ← 最大 |
| (イ)旧長期保険料のみ | 1.5万×1/4+2,000 | 5,750円 |
| (ウ)ア+イ(合算) | 30,000+5,750(上限5万) | 35,750円 ← 合算も有力 |
→ この例では(ウ)合算が35,750円で最も有利。保険料証明書に「地震保険料」「旧長期損害保険料」の区分が記載されているので確認してください。
控除対象となる保険の条件|家財・賃貸住宅も対象?
地震保険料控除の対象となる保険には条件があります。「居住用の建物または家財」を対象とした地震保険でなければなりません。






| ケース | 控除対象 | 理由 |
|---|---|---|
| 持ち家に地震保険(建物) | ✅ 対象 | 居住用建物が対象 |
| 賃貸住宅に家財の地震保険 | ✅ 対象 | 生活用動産(家財)が対象 |
| 事業用建物のみの地震保険 | ❌ 対象外 | 居住用でないため(経費扱い) |
| 自宅兼事務所の地震保険 | ⚠️ 一部対象 | 居住用割合分のみ控除、事業用分は経費 |
| 大家(賃貸人)が建物に地震保険 | ❌ 対象外 | 事業用(賃貸)のため経費扱い |
| 自動車保険の地震特約 | ❌ 対象外 | 居住用建物・家財でないため |
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無料で試してみる →年末調整での申請手順(会社員・公務員)
会社員・公務員の方は勤め先の年末調整で申告するのが基本です。10〜11月に保険会社から届く「地震保険料控除証明書」を手元に用意してください。






保険会社から郵送(または電子データ)で届く「地震保険料控除証明書」を確認します。証明書には「地震保険料」または「旧長期損害保険料」の区分と、年間払込保険料額が記載されています。複数の保険に加入している場合は全社分を集めてください。
勤め先から配布される「給与所得者の保険料控除申告書」の「地震保険料控除」欄に記入します。「地震保険料」欄と「旧長期損害保険料」欄が分かれているので、証明書の区分に従って記入してください。旧長期損害保険料が混在する場合は3択(ア・イ・ウ)の計算を行い、最大額を記入します。
記入した申告書と地震保険料控除証明書を添えて、勤め先の締め切り(多くは10月〜12月初旬)までに提出します。年末調整で申告した保険料控除証明書の原本は、勤め先が保管または返却します(5年間保管が必要)。
確定申告での申請手順(個人事業主・年末調整漏れ)
個人事業主・フリーランスの方や、年末調整で地震保険料控除の申告を忘れた会社員の方は確定申告で申告できます。年末調整漏れは翌年以降5年以内に還付申告が可能です。






全保険会社の地震保険料控除証明書を手元に集め、「地震保険料」と「旧長期損害保険料」に区分して合計額を計算します。旧長期損害保険料が混在する場合は3択の有利判定を行ってください。
確定申告書の「地震保険料控除」欄(または確定申告ソフトの該当入力フォーム)に、年間支払保険料を入力します。地震保険料の場合は全額が控除額(上限5万円)として自動計算されます。旧長期損害保険料が混在する場合も、ソフトが3択の有利判定を自動で行ってくれる場合があります。
e-Taxで申告書を送信します。地震保険料控除証明書の原本は申告書に添付せず、自宅で5年間保管してください(税務署から提出を求められた場合に備えて)。紛失した場合は保険会社に再発行を依頼してください。
よくある失敗・注意点4選
地震保険料控除の申告でよくあるミスを4つ紹介します。事前に知っておくだけで控除漏れ・誤申告を防げます。






- 地震保険に入っているのに「申告不要」と思い込む:地震保険料控除は自動的には適用されません。年末調整・確定申告のいずれかで自ら申告する必要があります。証明書が届いているにも関わらず申告しないと、毎年確実に損をします。
- 旧長期損害保険料を「地震保険料」として申告してしまう:申告書の「地震保険料」欄と「旧長期損害保険料」欄は別々に記入します。旧長期損害保険料(H18.12.31以前締結)を地震保険料欄に記入すると計算式が変わり、過大または過少申告になる可能性があります。証明書の「制度区分」欄を必ず確認してください。
- 自宅兼事務所の場合に按分を忘れる:自宅と事務所を兼用している場合、地震保険料の全額は控除できません。居住用部分の割合(床面積比など)で按分し、居住用部分のみを地震保険料控除として申告、事業用部分は必要経費として計上します。
- 2年分一括払いの保険料を全額申告してしまう:地震保険料を2年分一括払いした場合、その年に申告できるのは「当年分の保険料相当額」のみです。保険料証明書に「当年払込保険料額」が記載されているので、その金額を申告してください(前払い分は翌年以降に申告)。
よくある質問(FAQ)
- 火災保険に地震保険特約を付けた場合、保険料全額が控除の対象になりますか?
-
いいえ、地震保険特約部分の保険料のみが対象です。火災保険料部分は控除の対象外です。保険会社から届く控除証明書に「地震保険料(特約)部分:〇〇円」と内訳が記載されているので、その金額のみを申告してください。証明書に内訳が記載されていない場合は、保険会社に問い合わせて確認してください。
- 賃貸に住んでいますが、家財に地震保険をかけています。控除を受けられますか?
-
受けられます。地震保険料控除の対象となるのは「居住用家屋または生活用動産(家財)」を対象とした地震保険です。賃貸住宅の入居者が家財を対象として加入した地震保険の保険料も控除対象となります。年末調整・確定申告で申告してください。
- 地震保険料控除証明書をなくしてしまいました。再発行できますか?
-
再発行できます。加入している保険会社に連絡すると、地震保険料控除証明書の再発行が可能です。再発行には数日〜2週間程度かかる場合があるため、年末調整の締め切りに間に合わない場合は、確定申告(還付申告)で申告することをおすすめします。証明書がなくても保険料の払込記録(通帳・クレジット明細)があれば確定申告は可能ですが、税務署から証明書の提出を求められる場合があります。
まとめ:地震保険料控除で毎年の節税を漏れなく
火災保険に地震特約が付いている場合も対象。10〜11月に保険会社から届く「地震保険料控除証明書」を紛失しないよう保管。賃貸でも家財の地震保険があれば対象。
H18.12.31以前締結の長期損害保険が混在する場合は、ア)地震保険のみ(上限5万)・イ)旧長期のみ(上限1.5万)・ウ)合算(上限5万)の3択から最大額を選ぶ。確定申告ソフトなら自動計算。
会社員は年末調整の「給与所得者の保険料控除申告書」で申告。個人事業主は確定申告で申告。年末調整漏れは翌年以降5年以内に還付申告で取り戻せる(例:2021年分は2026年末まで申告可)。



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公認会計士試験合格者が在籍。税務・会計の実務経験に基づき、正確な情報提供を心がけています。
公認会計士試験合格者在籍、Big4監査法人・税理士法人での実務経験
免責事項
本記事の内容は情報提供を目的としたものであり、特定の税務判断を推奨するものではありません。具体的な税務・会計の判断については、必ず税理士・公認会計士等の専門家にご相談ください。記事の内容は執筆時点の法令・制度に基づいています。


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