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生命保険に入っているのに「保険料控除の上限がよくわからない」「年末調整と確定申告のどちらで申告すればいいか迷う」——そんな疑問を持つ方は多いはずです。2026年には子育て世帯を対象に一般生命保険料控除の上限が最大6万円に拡大される改正も行われました。本記事では国税庁タックスアンサーNo.1140を一次確認のうえ、新契約・旧契約の控除額計算式から3枠フル活用の戦略、申請手順まで公認会計士試験合格者が徹底解説します。
📌 この記事でわかること
- 新契約・旧契約の控除額計算式と上限(所得税/住民税)を図表で整理
- 2026年子育て特例:23歳未満扶養親族ありで一般枠が4万→6万円に拡大
- 3枠フル活用と旧新混在時の有利判定3択
- 会社員(年末調整)・個人事業主(確定申告)別の申請手順ステップ
- よくある失敗5選と5年以内の還付申告方法
ぜいむたん


生命保険料控除とは?仕組みと3つの種類
生命保険料控除とは、1年間に支払った生命保険・医療保険・個人年金保険の保険料を所得から差し引くことができる「所得控除」の一種です。課税所得が減るため、所得税・住民税の両方を節税できます。






生命保険料控除には「3種類の枠」があり、それぞれ別枠で控除が受けられます。つまり複数の種類の保険に入っていると、合計控除額が大きくなります。
① 一般生命保険料控除
死亡保障系の保険が対象。定期保険・終身保険・学資保険など。
新契約上限:所得税4万円
② 介護医療保険料控除
医療保険・がん保険・介護保険など第3分野が対象(H24年1月1日以降の契約)。
新契約上限:所得税4万円
③ 個人年金保険料控除
税制適格特約が付いた個人年金保険が対象。受取開始60歳以上・払込10年以上などの要件あり。
新契約上限:所得税4万円
2011年(平成23年)12月31日以前に締結した保険契約は「旧制度」が適用され、一般生命保険料控除と個人年金保険料控除の2枠のみ存在します。旧制度では医療保険・がん保険も「一般枠」に分類されていました。
【2026年最新】控除上限額一覧|新契約・旧契約の計算式と上限
生命保険料控除の控除額は「支払った保険料の合計額」によって決まります。国税庁タックスアンサーNo.1140に基づく計算式は次のとおりです。






【所得税の計算式】
| 年間保険料 | 新契約の控除額 (H24.1.1以降) |
旧契約の控除額 (H23.12.31以前) |
|---|---|---|
| 2万円以下 | 保険料全額 | — |
| 2.5万円以下(旧) | — | 保険料全額 |
| 2万超〜4万以下(新) | 保険料×1/2+1万円 | — |
| 2.5万超〜5万以下(旧) | — | 保険料×1/2+1.25万円 |
| 4万超〜8万以下(新) | 保険料×1/4+2万円 | — |
| 5万超〜10万以下(旧) | — | 保険料×1/4+2.5万円 |
| 8万超(新) | 一律 4万円(上限) | — |
| 10万超(旧) | — | 一律 5万円(上限) |
【住民税の計算式】住民税の計算式は所得税と異なります。各枠の上限は2.8万円(旧契約3.5万円)、3枠合計で最大7万円です。
| 年間保険料 | 新契約の控除額 | 旧契約の控除額 |
|---|---|---|
| 1.2万円以下(新) | 全額 | — |
| 1.5万円以下(旧) | — | 全額 |
| 1.2万超〜3.2万以下(新) | ×1/2 + 6,000円 | — |
| 1.5万超〜4万以下(旧) | — | ×1/2 + 7,500円 |
| 3.2万超〜5.6万以下(新) | ×1/4 + 14,000円 | — |
| 4万超〜7万以下(旧) | — | ×1/4 + 17,500円 |
| 5.6万超(新) | 一律 28,000円(上限) | — |
| 7万超(旧) | — | 一律 35,000円(上限) |
📊 控除上限額まとめ(3枠合計)
| 区分 | 所得税(各枠上限) | 住民税(各枠上限) | 合計上限 |
|---|---|---|---|
| 新契約 | 各枠4万円 | 各枠2.8万円 | 所得税12万/住民税7万 |
| 旧契約 | 各枠5万円(2枠) | 各枠3.5万円(2枠) | 所得税10万/住民税7万 |
【2026年改正・要チェック】子育て世帯は一般控除の上限が6万円に拡大
2026年(令和8年)・2027年(令和9年)分の所得税において、子育て世帯を対象に一般生命保険料控除の上限額が引き上げられる時限措置が実施されています。






⭐ 2026年・2027年分 子育て特例の内容
- 対象者:その年12月31日時点で23歳未満の扶養親族がいる納税者
- 対象枠:一般生命保険料控除のみ(介護医療・個人年金は変更なし)
- 変更前(通常):所得税上限 4万円
- 変更後(特例):所得税上限 6万円
- 住民税:変更なし(2.8万円のまま)
- 合計上限:12万円のまま据え置き(一般6万+介護医療4万+個人年金4万=14万→ただし上限12万)
- 適用期間:2026年分・2027年分(令和8年・9年)
【子育て特例の計算式(一般枠・所得税)】
| 年間保険料 | 控除額(子育て特例) |
|---|---|
| 3万円以下 | 保険料全額 |
| 3万超〜6万以下 | 保険料×1/2 + 1.5万円 |
| 6万超〜12万以下 | 保険料×1/4 + 3万円 |
| 12万超 | 一律 6万円(上限) |
住民税の生命保険料控除については子育て特例による変更はなく、新契約の各枠上限2.8万円(合計7万円)のままです。また、所得税の3枠合計上限12万円も据え置き。一般枠が6万円に拡大されても、介護医療・個人年金各4万円と足すと14万円になりますが、実際に適用できる合計額は12万円が上限です。
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生命保険料控除の節税を最大化するには「3枠をすべて別々の保険でカバーする」のが基本です。1種類の保険だけでは一般枠(または旧制度)の上限しか使えませんが、3種類の保険に加入していれば各枠の上限をそれぞれ取得できます。






旧契約と新契約が混在する場合の有利判定(一般枠または個人年金枠)は、生命保険文化センターの解説によると以下3択のうち最も大きい金額を選べます。
【3択の選び方(一般枠の例)】
- (ア)旧制度のみ:旧契約保険料で計算(上限5万円)
- (イ)新制度のみ:新契約保険料で計算(上限4万円)
- (ウ)合算:ア+イ(上限は4万円)
具体例:旧保険料10万円+新保険料4万円の場合
| 選択肢 | 計算式 | 控除額 |
|---|---|---|
| (ア)旧のみ | 10万×1/4+2.5万 | 5万円 ← 最大 |
| (イ)新のみ | 4万×1/2+1万 | 3万円 |
| (ウ)合算 | 5万+3万(上限4万) | 4万円 |
→ この例では(ア)旧制度のみで5万円が最も有利。旧契約保険料が多い場合は旧制度単独が有利になることが多い。
年末調整 vs 確定申告|どちらで申請すべきか?
生命保険料控除は「年末調整」か「確定申告」のどちらかで申請します。基本的な使い分けは次のとおりです。






📋 年末調整(会社員・公務員)
- 勤め先の年末調整で申告するのが基本
- 「給与所得者の保険料控除申告書」に記入
- 10〜11月に提出(会社の締め切りに注意)
- 保険料控除証明書を添付
- 会社が税務署へ代わりに申告してくれる
📝 確定申告(個人事業主・年末調整漏れ)
- 個人事業主・フリーランスは確定申告で申告
- 申告書の「生命保険料控除」欄に記入
- 翌年2〜3月が申告期間(e-Tax推奨)
- 年末調整で申告し忘れた場合も確定申告で申告可
- 過去5年以内なら還付申告が可能
申請手順ガイド(会社員・個人事業主別ステップ)
年末調整・確定申告それぞれの手順を確認しましょう。共通して必要なのは保険会社から届く「生命保険料控除証明書」です。10〜11月に郵送で届くため、紛失しないよう保管してください。






【会社員・公務員:年末調整での申請手順】
加入している保険会社から10月〜11月にかけて「生命保険料控除証明書」が郵送または電子データで届きます。複数の保険に加入している場合は全社分を集めましょう。証明書には「新制度」「旧制度」の区分と年間払込保険料額が記載されています。
勤め先から配布される「給与所得者の保険料控除申告書」に、各保険の種類・払込保険料額・新旧区分を記入します。一般生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料の3欄それぞれに、対象となる保険の保険料を記入してください。欄内に印刷されている計算式に従って控除額を計算します。
記入した申告書と保険料控除証明書を添えて勤め先の担当部署へ提出します。会社の締め切り(10月〜12月初旬が多い)を確認して期限内に提出してください。2026年分より「明細書添付」に代えて証明書本体を手元に保管(5年間)する方式も選べる場合があります(勤め先の方針を確認)。
【個人事業主・フリーランス:確定申告での申請手順】
全ての保険会社から届いた証明書を一覧化し、一般・介護医療・個人年金の各枠に振り分けて保険料合計額を計算します。「新制度」「旧制度」の区分も忘れずに確認してください。
確定申告ソフトの「生命保険料控除」入力画面に、各枠の保険料合計額を入力します。新制度・旧制度の区分を正確に選択すると、控除額が自動計算されます。旧新混在の場合は3択の有利判定も自動で行ってくれる場合があります。
e-Taxで申告書を送信します。保険料控除証明書の原本は申告書に添付せず、手元で5年間保管してください(税務署から提出を求められた場合に提出します)。紛失した場合は保険会社に再発行を依頼してください。
よくある失敗・注意点5選
生命保険料控除の申告でよく見られる失敗パターンを5つ解説します。これらを知っておくと控除漏れや過大申告を防げます。






- 旧契約の医療保険・がん保険を「介護医療枠」に申告してしまう:国税庁No.1140によると、H23年12月31日以前に締結した医療保険・がん保険は「一般生命保険料控除(旧制度)」の扱いです。「介護医療保険料控除」が適用されるのはH24年1月1日以降の第3分野の保険のみ。証明書の「制度区分」欄を必ず確認してください。
- 個人年金の税制適格要件を確認しないで申告する:国税庁No.1141によると、個人年金保険料控除が受けられるのは「税制適格特約」が付加された契約のみです。受取開始が60歳以上・払込期間10年以上・受取期間10年以上(終身含む)の要件を全て満たす必要があります。一時払い個人年金や払込期間が10年未満の契約は対象外で、一般生命保険料控除として申告します。
- 旧新混在時に有利判定をしないまま申告する:旧契約と新契約が同じ枠に混在する場合、3択(旧のみ・新のみ・合算)から最大値を選ぶ必要があります。多くの場合、旧契約保険料が多ければ旧制度単独(上限5万円)が有利です。自動計算してくれるソフトを使うか、3択を手計算して比較してください。
- 年末調整で申告し忘れてそのまま放置する:年末調整で保険料控除の申告を忘れた場合、翌年以降に確定申告(還付申告)で取り戻せます。期限は原則として確定申告期限の翌日から5年以内です。過去の申告書を確認してください。
- 3枠合計の上限12万円を超えて申告しようとする:所得税の3枠合計上限は12万円です(2026年子育て特例でも据え置き)。一般枠6万・介護医療4万・個人年金4万を足すと14万になりますが、申告できるのは12万まで。通常は3枠の内訳を各上限内に収め、自動計算ソフトに任せると安全です。
よくある質問(FAQ)
- 複数の保険会社に加入している場合、全社分の保険料を合算して申告できますか?
-
はい、申告できます。一般生命保険料控除・介護医療保険料控除・個人年金保険料控除の各枠ごとに、複数の保険会社の保険料を合算した合計額で控除額を計算します。たとえば一般枠に2社の定期保険があれば、2社分の保険料を合計して計算式に当てはめます。ただし各枠の上限(新契約は4万円)は超えられません。証明書は全社分を保管してください。
- 年末調整で申告し忘れた生命保険料控除は、確定申告でさかのぼって申告できますか?
-
できます。年末調整で申告し忘れた場合は、翌年以降に確定申告(還付申告)を行うことで控除を受けられます。還付申告の期限は、原則として確定申告書の提出期限(翌年3月15日)の翌日から5年以内です。たとえば2025年分の申告漏れは2030年12月31日まで申告可能です。マネーフォワードクラウド確定申告などの申告ソフトを使えば、過去年分の還付申告も比較的スムーズに行えます。
- 旧契約のがん保険は「一般生命保険料控除」と「介護医療保険料控除」のどちらで申告しますか?
-
平成23年(2011年)12月31日以前に締結したがん保険・医療保険は「一般生命保険料控除(旧制度)」として申告します。「介護医療保険料控除」が適用されるのは平成24年(2012年)1月1日以降に締結した第3分野の保険(医療保険・がん保険・介護保険等)のみです。保険料控除証明書に「新制度(一般)」「旧制度(一般)」「新制度(介護医療)」等の区分が記載されているので、その区分に従って申告してください。
まとめ:生命保険料控除の上限と2026年の最新情報
一般・介護医療・個人年金の3枠それぞれに加入しているか確認。証明書の「新制度/旧制度」区分を確認し、所得税(新契約上限4万/旧契約上限5万)・住民税(新契約上限2.8万/旧契約上限3.5万)の枠に振り分ける。
23歳未満の扶養親族がいれば一般枠の上限が6万円に拡大(2026年・2027年分)。旧契約と新契約が混在する場合は3択(旧のみ/新のみ/合算)から最大値を選ぶ。旧契約保険料が多ければ「旧のみ(上限5万円)」が有利なことが多い。
会社員は10〜11月に勤め先から配布される「給与所得者の保険料控除申告書」に記入して提出。個人事業主・フリーランスは翌年2〜3月の確定申告で申告。年末調整漏れは5年以内に還付申告で取り戻せる。



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この記事の監修
公認会計士試験合格者が在籍。税務・会計の実務経験に基づき、正確な情報提供を心がけています。
公認会計士試験合格者在籍、Big4監査法人・税理士法人での実務経験、財務省勤務経験
免責事項
本記事の内容は情報提供を目的としたものであり、特定の税務判断を推奨するものではありません。具体的な税務・会計の判断については、必ず税理士・公認会計士等の専門家にご相談ください。記事の内容は執筆時点の法令・制度に基づいています。


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