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12月の年末調整で従業員から回収する書類のうち、令和9年分の扶養控除等(異動)申告書だけは「来年分」の用紙です。国税庁のサイトにはすでに令和9年分の様式と記載例が掲載されています。令和8年12月1日施行の改正で扶養親族等の所得要件が引き上げられているため、去年と同じ感覚で書かせると所得の見積額の線引きを間違えます。
令和8年分の年末調整そのものの進め方は【令和8年分】年末調整の書き方と記入例で解説しているため、本記事は令和9年分の扶養控除等申告書という1枚の用紙に絞って、どの欄に誰を書くのかを判定ツール付きで整理します。
ぜいむたん


📌 この記事でわかること
- 様式のどの欄に誰を書くのかを、実物の申告書に描き込んだ記入箇所マップ
- 令和9年分の様式で使われている生年月日の区分(老人扶養親族・特定扶養親族・特定親族・16歳未満)
- 生年月日と所得の見積額を入れると、書く欄と控除区分を判定するツール
- 「源泉控除対象親族」という令和8年分から入った枠組みの意味
- 16歳未満の子を住民税に関する事項欄に書く理由
- 12月に回収するときのチェックリストと、記載漏れが起きやすい欄
【図解】どの欄に誰を書くのか(記入箇所マップ)
令和9年分の様式は、上から「本人と会社の情報」「A欄」「B欄」「C欄」「D欄」「住民税に関する事項」の6ブロックに分かれています。まずこの1枚で、自分が書く欄がどこにあるかを確認してください。








令和9年分の様式で押さえる生年月日の区分
国税庁が公開している令和9年分の扶養控除等(異動)申告書には、区分ごとの生年月日が印字されています。年齢を数える必要はなく、この日付と突き合わせるだけで判定できます。
| 区分 | 令和9年分の様式に印字された生年月日 |
|---|---|
| 老人扶養親族 | 昭和33年1月1日以前生 |
| 特定扶養親族・特定親族 | 平成17年1月2日生 〜 平成21年1月1日生 |
| 控除対象扶養親族(16歳以上) | 平成24年1月1日以前生 |
| 16歳未満の扶養親族 | 平成24年1月2日以後生(住民税に関する事項欄へ) |
「源泉控除対象親族」という枠組み
令和8年分以後、申告書に書く対象は「控除対象扶養親族」から「源泉控除対象親族」に変わりました。源泉控除対象親族は、①控除対象扶養親族と、②19歳以上23歳未満で、扶養控除の対象になる所得要件は超えるものの合計所得金額が100万円以下の特定親族、の2つで構成されます。毎月の給与から源泉徴収するときの「扶養親族等の数」も、この源泉控除対象親族の人数で数えます。
なお、令和8年度税制改正で扶養親族等の所得要件は58万円以下から62万円以下(給与収入だけなら136万円以下)へ引き上げられました。令和9年分の所得の見積額を書かせるときは、この新しい線で判断します。






所得の見積額欄は退職所得を除いて書く
令和9年分の様式には「令和9年中の所得の見積額」欄に退職所得を除いた所得の見積額を記載する旨が明記されています。年内に退職金を受け取る予定の配偶者や親族がいる場合、退職所得を含めて書くと扶養から外れる判定になってしまいます。パート勤務の配偶者が転職して退職金を受け取るケースで、実際によく起きる誤記です。
【自動判定】この親族はどの欄に書くのか
生年月日と令和9年中の所得の見積額を入れると、記載すべき欄・控除の区分・所得税の控除額を判定します。年齢は令和9年12月31日時点で判定しています。
初期値(平成18年5月10日生・所得の見積額70万円)で試すと、特定親族に該当し、A欄に記載したうえで特定親族特別控除申告書が必要という判定になります。所得の見積額を60万円に下げると特定扶養親族(控除額63万円)に変わります。






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申告書の回収と給与データを分断しない
扶養親族の異動は毎月の源泉徴収税額に直結します。マネーフォワード クラウド会計なら給与データと会計処理がつながり、扶養人数の変更が法定福利費や預り金にどう効いたかを月次で追えます。
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ここからは欄ごとに拡大して、どこに何を書くのかを番号で追います。令和9年分の様式は上から順に、本人と会社の情報、A欄(源泉控除対象配偶者)、B欄(源泉控除対象親族)、C欄(障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生)、D欄(他の所得者が控除を受ける扶養親族等)、住民税に関する事項という構成です。
上段|本人と会社の情報


扶養親族が1人もいない従業員も、この上段だけは書いて提出してもらいます。未提出だと令和9年1月の給与から源泉徴収税額表の乙欄が適用されます。
A欄・B欄|配偶者と16歳以上の親族


この申告書でいちばん間違いが多いのは、図の⑥「令和9年中の所得の見積額」です。ここは収入ではなく所得を書く欄で、退職所得も含めません。給与だけの子であれば、収入から給与所得控除を引いた金額を書きます。
C欄・D欄・住民税に関する事項|16歳未満の子はいちばん下


16歳未満の子をA欄やB欄に書いてしまう誤りと、逆にどこにも書かない誤りは、どちらも毎年出てきます。書く場所はいちばん下の③「16歳未満の扶養親族」です。
16歳未満の子を書かないと住民税で損をすることがある
16歳未満の扶養親族には所得税の扶養控除がありません。そのため「控除がないなら書かなくていい」と誤解されがちですが、住民税の非課税限度額の判定では扶養親族の人数に含まれます。所得が低めの従業員ほど、この記載の有無で住民税が変わります。用紙を配るときに一言添えるだけで回収精度が上がります。
異動月日及び事由欄は年の途中の変更を記録する欄
令和9年分の様式では「令和9年中に異動があった場合に記載してください」と案内されています。子が就職した、配偶者の収入が増えて扶養から外れた、といった変更をここに書きます。年末調整のやり直しや源泉徴収税額の訂正が必要になったとき、根拠になるのがこの欄です。税理士法人での実務では、この欄が空欄のまま人数だけ変わっている申告書が毎年必ず出てきます。






非居住者の親族はチェック欄と書類が別に要る
国外に住む親族を扶養に入れる場合、令和9年分の様式では非居住者である親族のチェック欄に記入します。様式の注記では、非居住者に該当する親族が特定親族である場合は「16歳以上30歳未満又は70歳以上」にチェックを付けるとされています。親族関係書類や送金関係書類の添付も必要になるため、回収時にセットで案内してください。
12月に回収するときのチェックリスト
前年分の用紙が混ざっていると生年月日の区分が1年ずれます。年分の表示を最初に確認します。
該当者がいなくても、本人の情報を書いて提出してもらいます。未提出だと令和9年1月の給与から乙欄適用になります。
所得の見積額は退職所得を除いた金額か、16歳未満の子が住民税に関する事項欄に入っているかを見ます。
19歳以上23歳未満で扶養控除の対象外になる子がいる従業員には、特定親族特別控除申告書もあわせて配布します。
よくある記入ミス3選
会計事務所で回収した申告書を点検していると、失敗の型はほぼ次の3つに集約されます。
ミス1:所得の見積額に「収入」を書いてしまう。給与収入130万円と書かれていれば、正しくは給与所得控除74万円を引いた56万円です。収入のまま書くと扶養から外れる誤判定になります。
ミス2:16歳未満の子をA欄に書く。所得税の扶養控除の対象ではないため、住民税に関する事項欄に書きます。逆に空欄のまま提出されるケースも多く、どちらもよくある間違いです。
ミス3:異動があったのに「異動月日及び事由」欄が空欄。人数だけ増減していて理由が追えない申告書は、税務調査や年末調整のやり直しのときに必ず問題になります。






よくある質問(FAQ)
- 扶養親族が誰もいない従業員も提出が必要ですか。
- 必要です。令和9年分の様式にも、記載する親族がなく本人が障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生のいずれにも該当しない場合は、本人の情報を記載して提出する旨が書かれています。未提出だと源泉徴収税額表の乙欄が適用されます。
- 令和9年分はいつまでに提出させればよいですか。
- 原則として令和9年最初に給与の支払を受ける日の前日までです。実務上は12月の年末調整で令和8年分の書類と一緒に回収する会社が大半です。
- 大学生の子がアルバイトで130万円稼ぐ見込みです。どう書きますか。
- 給与収入130万円は給与所得控除74万円を引くと合計所得金額56万円となり、62万円以下のため控除対象扶養親族(特定扶養親族)に該当します。A欄に記載し、特定扶養親族のチェックを付けます。
- 所得の見積額が外れた場合はどうなりますか。
- 見積額なので実額と違っても直ちに問題にはなりませんが、扶養の判定が変わる場合は異動月日及び事由欄に記載して申告書を出し直します。年末調整では実際の合計所得金額で判定し直します。
まとめ
老人扶養親族は昭和33年1月1日以前生、特定扶養親族・特定親族は平成17年1月2日から平成21年1月1日生、控除対象扶養親族は平成24年1月1日以前生です。
令和8年12月1日施行の改正で扶養親族等の所得要件は62万円以下(給与収入136万円以下)になりました。
扶養控除の対象から外れる19歳以上23歳未満の子は、特定親族特別控除申告書の提出がなければ控除を受けられません。



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