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年末調整は前職の源泉徴収票が必要|届かない・12月入社の対処

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年の途中で入社した人の年末調整では、前の会社で受け取った給与と源泉徴収税額、社会保険料を足し合わせて計算します。その金額は、前職の源泉徴収票で確認します。確認できないときは、国税庁は年末調整を見合わせるよう案内しており、最後まで確認できなければ本人が翌年に確定申告をして精算します(国税庁 No.2674)。

この記事では、前職の源泉徴収票のどの欄を使うのか、届かないときに何をどの順番でするか、12月に入社した場合はどうなるかを、令和8年分の国税庁の資料にそって整理します。前職分を足した年税額を概算できる計算シート、提出期限を逆算する判定ツール、依頼文のWord、合算用のExcelも用意しました。

源泉徴収票の摘要欄の書き方は源泉徴収票の摘要欄の書き方、年末調整の申告書の書き方は令和8年分の年末調整の書き方と記入例、源泉徴収簿の欄ごとの計算は源泉徴収簿の書き方で解説しています。この記事は、前職の源泉徴収票を受け取って年末調整に使う側の手順に絞ります。

📌 この記事でわかること

対象読者:年の途中で入社した人・給与計算の担当者/読了の目安:約10分

  • 前職の源泉徴収票から年末調整に使う3つの数字と、合算しないもの
  • 前職分を足した年税額と過不足を概算する計算シート(令和8年分の給与所得控除・基礎控除に対応)
  • 前職の源泉徴収票が届かないときの順番(再依頼・不交付の届出・確定申告)
  • 提出期限を逆算して確定申告に回るかを判定するツールと、依頼文・チェックリストのWord、合算用のExcel
  • 12月入社でも年末調整の対象になる条件と、給与の支給日が翌年になる場合の扱い
目次

年末調整に前職の源泉徴収票が必要な理由と、使う3つの数字

年の途中で就職した人が、前の会社に給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を出して給与を受けていた場合は、前の会社の給与も含めて年末調整をします(国税庁 No.2668)。前の会社が支払った給与や源泉徴収税額は、前職の源泉徴収票で確認します。この確認ができないときは、年末調整を行うことはできません。

根拠は所得税法190条と施行令311条

条文では、年末調整の対象になる「その年中に支払うべきことが確定した給与等」に、その居住者が扶養控除等申告書を出したことのある他の給与の支払者が支払う給与等(政令で定めるもの)を含めるとしています(所得税法190条1号)。政令で定めるのは、その年1月1日から、前の会社が主たる給与の支払者でなくなる日までに支払が確定した給与です(施行令311条)。言い換えると、前職の在籍中に支払が確定した給与が、合算の対象です。

前職分の取り込みかたは、所得税基本通達190-2にも定めがあります。国税庁の「令和8年分 年末調整のしかた」は、前職分の金額が確認できるまでは、その人の年末調整を見合わせるよう求めています(36ページ)。

前職分を合算する流れ

1前職の源泉徴収票から転記する

支払金額、源泉徴収税額、社会保険料等の金額の3つを、前職の源泉徴収票から写します。

2現職の数字に足す

給与等の合計、源泉徴収した税額の計、社会保険料等に、前職分をそれぞれ加えます。

3合算後の額で計算する

合算した給与総額に令和8年分の表と税率を当てはめ、年税額と、前職・現職で徴収した税額の合計を比べます。

出典:国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」36ページ(年の中途で再就職した人の取扱い)

前職の源泉徴収票で使う欄と、合算する先

前職の源泉徴収票のうち、年末調整の計算に使うのは次の欄です。社会保険料等の金額には、給与から控除した小規模企業共済等掛金も含まれます(令和8年分の法定調書の手引)。

前職の源泉徴収票の欄現職の年末調整での入れ先注意
支払金額源泉徴収簿の⑦(給与等の計)に加える賞与を含む、退職日までの金額。「給与所得控除後の給与等の金額」欄は使わず、合算後の総額から改めて求めます
源泉徴収税額⑧(源泉徴収した税額の計)に加える年調年税額と比べて、過不足を出すための数字です
社会保険料等の金額⑫(社会保険料等)に加える給与から控除された社会保険料と小規模企業共済等掛金の合計です
中途就・退職欄の年月日現職の源泉徴収票の摘要欄に書く前職を退職した年月日が必要です(書き方は後半の摘要欄の項で触れます)

合算しないもの

  • 前職の退職金:退職手当等には、給与とは別に退職所得の源泉徴収票が出ます(所得税法226条2項)。年末調整の対象は給与で、退職所得は受給の際に別に精算されます。退職所得の申告書は退職所得の受給に関する申告書の書き方で解説しています。
  • 前の会社に扶養控除等申告書を出していなかった給与:国税庁の説明は、扶養控除等申告書を出して受けた給与を含める、というものです(No.2668)。出していない給与(乙欄で源泉徴収されたアルバイトなど)がある人は、その分を確定申告で申告するかどうかを別に確認します。
  • その年に前職の給与がない人:たとえば3月に学校を卒業して4月に就職した人は、前職分がありません。この場合も、基礎控除や扶養控除などは月数であん分せず、全額が認められます(No.2674)。

前職の源泉徴収票が届かないときの対処(再依頼・不交付の届出・確定申告)

前職には、年の途中で退職した人へ源泉徴収票を退職の日以後1か月以内に交付する義務があります(所得税法226条1項)。届かないときは、前職への再依頼、交付期限を過ぎてからの不交付の届出、12月の最終給与までに確認できなければ年末調整を見合わせて確定申告、の順で進めます。

前職の交付期限は退職の日以後1か月以内

給与の源泉徴収票は、年の途中で退職した人には退職の日以後1か月以内に、そのほかの人には翌年1月31日までに交付します(e-Gov 所得税法226条1項)。前職の交付が遅れているなら、遅れているのは前職の側です。ただし、法令の期限があるからといって、現職の年末調整の締切に合わせて届く保証はありません。社内の締切から逆算して、早めに動くのが現実的です。

届かないときの順番

STEP
前職の給与担当へ、書面かメールで再依頼する

電話だけで済ませず、メールか文書を1通は残します。依頼した日、方法、相手、返事の内容を記録しておくと、後の手続で使えます。

STEP
現職の経理担当者へ、未着であることを伝える

社内の締切と、12月の最終給与の支給日を確認します。届かない場合に年末調整が見合わせになることも、この時点で共有しておきます。

STEP
交付期限を過ぎたら、不交付の届出書を出す

前職の交付期限(退職後1か月)を過ぎても届かないときに、納税地を所轄する税務署へ出します。

STEP
12月の最終給与までに確認できなければ、年末調整は見合わせる

前職分の金額を確認できないときは、年末調整を行わず、本人が翌年に確定申告をします。

依頼文とチェックリストのWord

前職への依頼文、受け取った源泉徴収票の確認チェックリスト、現職の経理担当者から従業員への提出依頼文、依頼の記録欄を、1つのWordにまとめました。

無料ダウンロード

前職の源泉徴収票 受領チェックリストと依頼文(Word)

【 】の部分を書き換えて使えます。依頼の記録欄は、不交付の届出書に添付する「交付を求めたことが分かる書類等」の控えとして使えます。

Wordをダウンロード →

源泉徴収票不交付の届出書

前職が源泉徴収票を交付しないときの手続が、国税庁の「源泉徴収票不交付の届出手続」です。要点は次のとおりです。

  • 提出できる時期:交付期限(中途退職は退職後1月、そのほかは翌年1月31日)を過ぎてから、随時です。
  • 添付書類:給与支払明細書が保存されていればその写しと、勤務先に交付を求めたことが分かる書類等です。
  • 提出先:納税地等を所轄する税務署長です。e-Taxソフトでも、書面の持参・送付でも出せます。
  • 効果:届出を受けた税務署が、勤務先へ交付を促す行政指導をします。ただし行政指導に法律上の拘束力はなく、届出の後も自分で交付を求め続けるよう案内されています(届出前の確認事項(PDF))。
  • 対象外:すでに交付を受けた源泉徴収票の再発行は、この手続の対象外です。勤務先へ直接、再発行を頼みます。

交付を求める方法は、面接、電話、文書のどれでもかまいません。ただし、いつ、どこで、誰に、どのような方法で、どのようなやりとりをしたかをメモに残すよう案内されています。Wordの記録欄は、この5項目に合わせてあります。

年末調整に間に合わないときは確定申告

前職分の金額を確認できないまま12月の最終給与の支払を迎えたときは、現職は年末調整を行わず、本人が確定申告で精算します。現職は、扶養控除等申告書を出した人のうち年末調整をしなかった人として、源泉徴収票を作ることになります(国税庁の質疑応答事例)。確定申告では、前職と現職の両方の源泉徴収票の金額を使います。年末調整を受けていない人の還付申告は、翌年1月1日から5年間できます(国税庁 No.1910)。

令和8年中に退職して年末調整を受けていない人は、改正後の基礎控除などを受けるには確定申告が必要です(国税庁Q&A Q7-1)。前職分を確認できず年末調整を見合わせた場合も、年末調整で改正後の控除が適用されないため、同じ扱いになると考えられます。確定申告で精算するときは、令和8年分の控除額で計算します。

年末調整の提出期限の逆算と、確定申告に回る判定ツール

前職の交付期限の目安、現職の社内締切、12月の最終給与の支給日を入れると、前職分を合算して年末調整できそうか、確定申告に回りそうかを判定します。判定は、前職の源泉徴収票の状況によって変わります。

提出期限の逆算ツール

提出期限の逆算

前職分を合算できるか、確定申告に回るかの判定

日付と前職の源泉徴収票の状況を入れて、判定を押してください。初期値は仮の日付です。

※ 前職の交付期限は「退職の日以後1か月以内」(所得税法226条1項)を、退職日の翌日を起算日として、1か月後の応当日の前日(応当日がない月は月末)で表示した目安です。数え方で1日ほどずれることがあります。

状況別の判定表

年末調整は、その年最後に給与を支払う際に行うものです(所得税法190条)。そこで、12月の最終給与の支給日までに前職分を確認できるかが、分かれ目になります。

状況現職の年末調整本人がすること
前職の源泉徴収票が手元にある前職分を合算して年末調整する社内の締切までに、現職の経理へ提出する
まだ届かないが、12月の最終給与の支給日までに届く前職分を合算して年末調整する届いたらすぐ提出する。社内の締切を過ぎていれば、経理に事情を伝える
12月の最終給与の支給日までに確認できない年末調整を見合わせる(年末調整をしなかった人として源泉徴収票を作る)翌年に確定申告する(前職・現職の源泉徴収票を使う)
現職から年内に給与の支給がない(支給日がすべて翌年)現職では年末調整の対象になる給与がない翌年に確定申告する
年末調整の締切後に前職の源泉徴収票が届いたときの扱いは、国税庁の資料に直接の定めが見当たりません。FAQで触れます。

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年末調整で精算できなかったときの確定申告もクラウドで

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12月入社の年末調整と前職の源泉徴収票

12月に入社した人も、年内に現職から給与が支払われ、年末調整を行う日までに扶養控除等申告書を出していれば、年末調整の対象です(国税庁 No.2665)。前職があれば、前職の源泉徴収票も必要です。分かれ目は、現職の給与の支給日が年内か、翌年かです。

12月入社でも年末調整の対象になる条件

  • 現職から、年内に給与が支払われること(支給日が12月中にあること)
  • 扶養控除等申告書を、年末調整を行う日までに出していること(法令上は、毎年最初に給与の支払を受ける日の前日までです。所得税法194条1項)
  • 前職の給与があるなら、前職の源泉徴収票で金額を確認できること

給与の支給日が翌年1月なら、その給与は翌年分

年末調整の対象になる給与は、その年に支払が確定した給与です。国税庁は、勤務月の翌月10日に給与を支給する会社の例で、12月勤務分を翌年1月10日に支給する場合、その給与は本年の年末調整の対象にならないと説明しています(No.2668のQ&A、所得税基本通達36-9(1))。

12月入社の分かれ道(仮の設例)

A12月1日に入社し、当月分を12月25日に支給

年内に現職の給与が1回支給されます。前職の源泉徴収票を使って、前職分と合算し、現職で年末調整できます。

B12月1日に入社し、給与は翌月10日に支給

初回の支給は翌年1月10日です。年内の現職の給与がないため、現職には年末調整の対象になる給与がありません。前職分は本人が確定申告で精算します。

出典:国税庁 No.2668 Q&A(支給日が定められている給与は、その支給日が収入の確定する日)。入社日と支給日は説明用の仮の設例です。

Bの場合も、前職の源泉徴収票は確定申告で使うので必要です。なお、国税庁がこの設例そのものを示しているわけではなく、年末調整は年最後に給与を支払う際に行うとする所得税法190条と、No.2668のQ&Aから導いた整理です。迷うときは所轄の税務署に確認してください。給与の支給日が翌年になるかどうかは、入社した会社の給与規程の締日と支給日で決まります。入社前に、初回の支給日を経理担当者に聞いておくと見通しが立ちます。

令和8年12月の年末調整は、改正後の控除で計算する

令和8年12月1日以後に行う年末調整は、改正後の基礎控除と給与所得控除の表で計算します(国税庁Q&A Q1-3)。12月入社で、12月に最後の給与を支払う場合は、この改正後の控除が当てはまります。前職の源泉徴収税額は改正前の税額表による金額ですが、合算した年税額は改正後の控除で出すため、12月の年末調整で精算されます。

前職分を合算した年末調整の計算シート(令和8年分)

前職分を足した給与総額に、令和8年分の給与所得控除と基礎控除、税額の速算表を当てはめて1年分の税額を出し、前職と現職で源泉徴収した税額の合計と比べるのが、基本の流れです。差額がプラスなら不足、マイナスなら還付になります。下のシートに前職の源泉徴収票の3つの数字を入れると、この流れを一度に計算します。

前職分合算の年税額シート

前職分を合算した年末調整

年税額と過不足の計算シート(令和8年分)

金額は円単位で入力します。初期値は、この記事の設例(仮の数字)です。

前職(前職の源泉徴収票から転記)

現職(年末調整を行う会社)

各種の控除額(控除額そのものを入力します)

※ 給与以外の所得がない人の概算です(基礎控除は、給与所得控除後の金額を合計所得金額として判定しています)。給与の総額が2,000万円を超える人は年末調整の対象外です。
※ 医療費控除・寄附金控除・雑損控除は年末調整では受けられません。確定申告が必要です。

控除額の欄(⑮⑯⑰⑱⑲㉔)は、控除額そのものを入れます。生命保険料や地震保険料、配偶者、特定親族、扶養の控除額の求めかたは、源泉徴収簿の書き方のツールと表で確認できます。給与の総額が850万円を超えて所得金額調整控除に当てはまる人は、チェックを入れてください。調整控除の判定は、前職分を合算した総額で行います(国税庁 No.2676)。

設例:前職分を抜いて年末調整すると、いくらずれるか

前職分を忘れて年末調整をすると、年間の給与が現職の分だけとして計算されるため、年税額が小さく出ます。設例で比べます。前提は、前職が1〜6月、現職が7〜12月で、単身、ほかの控除はないものとします。数字は仕組みを見るための仮の値で、月々の源泉徴収税額は税額表で決まるため、実際の金額とは異なります。

項目前職分を含める(正)前職分を含めない
給与等の合計(⑦)5,400,000円(前職2,400,000+現職3,000,000)3,000,000円
源泉徴収した税額の計(⑧)129,000円(前職51,000+現職78,000)78,000円
社会保険料等(⑫)810,000円(前職360,000+現職450,000)450,000円
給与所得控除後の金額(⑨)3,880,000円2,020,000円
基礎控除(⑳)1,040,000円1,040,000円
所得控除額の合計(㉑)1,850,000円1,490,000円
差引課税給与所得金額(㉒)2,030,000円530,000円
年調年税額(㉖)107,700円27,000円
差引超過額(㉗)還付 21,300円還付 51,000円

前職分を含めない計算では、還付が29,700円多く出ます。本来の年税額は107,700円なので、前職分を抜いたまま年末調整を終えると、あとで本人が前職・現職の源泉徴収票を使って確定申告で計算し直す場面につながります。

令和8年分で押さえる控除額と税額表

令和8年度改正は令和8年12月1日に施行され、12月に行う年末調整から改正後の控除で計算します。1〜11月の源泉徴収は改正前のままなので、前職の源泉徴収票の源泉徴収税額は、改正前の税額表で計算された額です(国税庁 令和8年度税制改正Q&A Q1-1)。

項目令和8年分の取扱い
給与所得控除給与等の収入金額220万円までは最低保障74万円。220万円超360万円以下は収入×30%+8万円、360万円超660万円以下は×20%+44万円、660万円超850万円以下は×10%+110万円、850万円以上は195万円が上限です(国税庁 No.1410)
年末調整での求めかた給与の総額が660万円未満の人は、国税庁の「給与所得控除後の給与等の金額の表」(4,000円刻み)で求めます。収入金額からの計算式だけだと端数が合わないことがあります
基礎控除合計所得金額が489万円以下で104万円、489万円超655万円以下で67万円、655万円超2,350万円以下で62万円。以降は48万円・32万円・16万円で、2,500万円を超えると0です
算出所得税額課税給与所得金額195万円以下は5%、330万円以下は10%−97,500円、695万円以下は20%−427,500円、900万円以下は23%−636,000円、1,800万円以下は33%−1,536,000円、1,805万円以下は40%−2,796,000円
年調年税額年調所得税額×102.1%(復興特別所得税を含む。100円未満切捨て)
出典:国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」47〜56ページ、No.1410

国税庁の設例で検算した結果

計算シートは、国税庁の「令和8年分 年末調整のしかた」57〜59ページの設例で確かめています。設例の前提は、年間給与総額8,970,000円、徴収税額156,670円、社会保険料等1,386,102円、所得金額調整控除あり、生命保険料控除額120,000円、地震保険料控除額50,000円、配偶者控除380,000円、特定親族特別控除410,000円、扶養控除等1,860,000円、住宅借入金等特別控除76,500円です。検算のために、前職分を2,970,000円(徴収税額40,000円・社会保険料等486,102円)、現職分を6,000,000円(徴収税額116,670円・社会保険料等900,000円)に仮に分けて入力しても、結果は国税庁の設例と一致します。

項目国税庁の設例計算シート
所得金額調整控除額(⑩)47,000円47,000円
給与所得控除後の金額(調整控除後・⑪)6,973,000円6,973,000円
基礎控除(⑳)620,000円620,000円
所得控除額の合計(㉑)4,826,102円4,826,102円
差引課税給与所得金額(㉒)2,146,000円2,146,000円
算出所得税額(㉓)117,100円117,100円
年調所得税額(㉕)40,600円40,600円
年調年税額(㉖)41,400円41,400円
超過額(㉗)115,270円115,270円

給与所得控除後の金額の表は、国税庁の表のうち2,191,000円から6,599,999円までの1,103行すべてで、シートの式と一致することも確認しました。660万円以上と219万1,000円未満の部分は、表に行がないため国税庁が示す計算式で求めています。

合算用のExcelを配布します

同じ計算をするExcelです。前職が複数ある場合は、「前職分の集計」シートに会社ごとの行を入れると、合算計算シートに自動で反映されます。

無料ダウンロード

前職分合算 年末調整計算シート 令和8年分(Excel)

会員登録もメールアドレスの入力も不要です。ダウンロードして、社内で自由にお使いください。前職分を含める計算と含めない計算を並べて確認できます。

Excelをダウンロード →

年の途中で入社した人の年末調整の提出書類

扶養控除等申告書は、給与の支払者から毎年最初に給与の支払を受ける日の前日までに出します(所得税法194条1項)。中途入社の人は入社時に出すもので、年末調整を行う日までに出していない人は、年末調整の対象になりません(国税庁No.2665)。

入社時と年末調整の時期に出す書類

書類書く内容出す時期
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書扶養親族、障害者、ひとり親、勤労学生など入社時(最初の給与の支払を受ける日の前日まで)
給与所得者の基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書合計所得金額の見積額、配偶者・特定親族の所得など年末調整の時期(現職の指定する日)
給与所得者の保険料控除申告書生命保険料、地震保険料、自分で払った社会保険料など年末調整の時期(法令上は、年最後の給与の支払を受ける日の前日まで。所得税法196条1項)
前職の源泉徴収票前職の支払金額、源泉徴収税額、社会保険料等年末調整の時期(社内の締切)

申告書ごとの書き方は、令和8年分の年末調整の書き方と記入例にまとめています。年末調整の全体の流れは、年末調整の基本ガイドで確認できます。

退職から入社までの間に自分で払った国民年金・国保

年末調整では、現職の給与から引かれた社会保険料のほかに、その年に自分で払った社会保険料も、保険料控除申告書に書けば控除の対象になります(所得税法190条2号ロ)。退職してから入社するまでの間に自分で納めた国民年金保険料や国民健康保険料が当たります。国民年金保険料などは、支払を証明する書類の提出または提示が必要です(所得税法196条2項)。計算シートでは⑬⑭の欄に合計額を入れてください。

前職分を含めた源泉徴収票の摘要欄と、住民税の手続

現職の源泉徴収票の摘要欄に前職分を書く

前職分を通算して年末調整をした人の源泉徴収票には、前の勤務先の所在地と名称、退職年月日、前職が支払った給与等の金額、徴収した所得税等の合計額、社会保険料の金額を、摘要欄に書きます。支払金額と社会保険料等の欄には、前職分を含めた金額を書きます(令和8年分の法定調書の手引)。具体的な文例は、源泉徴収票の摘要欄の書き方で再現しています。

住民税は年末調整とは別の手続

年末調整は所得税の精算で、住民税は別の手続です。退職や転勤などがあったときは、事由が発生した日の翌月10日までに、給与の支払者が従業員の居住する区市町村へ異動届を出します(東京都主税局の案内)。退職の時期によって、残りの住民税の扱いが変わります。

  • 1〜4月に退職:5月31日までに支給される給与や退職金が残りの税額を超えるときは、本人の申出がなくても、そこから一括して特別徴収します。
  • 5月に退職:最終月分として、特別徴収で納めます。
  • 6〜12月に退職:特別徴収できなくなる残りの税額は普通徴収に切り替わり、本人が直接納付します。本人が希望すれば、最後の給与や退職金から一括して徴収します。

取扱いは自治体で異なることがあるため、住所地の市区町村の案内で確認してください。住民税の仕組み全体は住民税の仕組みと計算方法で解説しています。

よくある質問(FAQ)

前職の源泉徴収票がなくても、年末調整はできますか。

前の会社に扶養控除等申告書を出して給与を受けていた人は、前職分の金額を源泉徴収票などで確認できるまで、年末調整を見合わせます。確認できないときは年末調整を行えず、本人が確定申告で精算します(国税庁No.2674、質疑応答事例)。なお、その年に前職の給与がない人(新卒で4月に入社した人など)は、前職の源泉徴収票は要りません。

12月に入社しました。前職の源泉徴収票は必要ですか。

必要です。12月に入社した人でも、年内に現職から給与が支払われ、年末調整を行う日までに扶養控除等申告書を出していれば、年末調整の対象になり、前職分も合算します。ただし、現職の給与の支給日がすべて翌年の場合は、現職では年末調整の対象になる給与がないため、前職分を含めて本人が確定申告で精算します。

前職の会社が源泉徴収票を出してくれません。どうすればよいですか。

前職には、退職の日以後1か月以内に源泉徴収票を交付する義務があります。まず書面かメールで再依頼し、記録を残します。それでも届かず、交付期限を過ぎているときは、納税地を所轄する税務署に源泉徴収票不交付の届出書を出せます。届出を受けた税務署が行政指導をしますが、法律上の拘束力はないため、必ず交付されるとは限りません。12月の最終給与までに届かなければ、確定申告で精算します。

前職の退職金も、年末調整に含めますか。

含めません。退職金は給与所得ではなく退職所得で、退職所得の源泉徴収票が別に交付されます。年末調整の対象になる給与は、前職の給与の分です。前職の源泉徴収票を使うときは、「給与所得の源泉徴収票」と「退職所得の源泉徴収票」を取り違えないようにします。

年末調整が終わったあとに前職の源泉徴収票が届きました。やり直せますか。

国税庁の資料には、前職分を含めずに終えた年末調整のやり直しを直接定めた記載は見当たりません。年末調整後の再調整として示されているのは、給与の追加払や所得控除の異動があった場合です(所得税基本通達190-4・190-5)。実際の取扱いは、現職の給与担当者が所轄の税務署に確認してください。本人が前職と現職の源泉徴収票を使って、確定申告で精算する方法もあります。

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年末調整の実務を一冊で確認したいとき

給与計算の担当者が、年末調整の流れを手元で確認したいときの一冊です。下記は令和8年版です。

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まとめ|前職の源泉徴収票を使った年末調整の手順

年の途中で入社した人の年末調整は、前職の源泉徴収票で前職分の金額を確認できるかどうかで、進みかたが決まります。確認できれば合算して年末調整、できなければ見合わせて確定申告です。手順は次の4つです。

STEP
前職の源泉徴収票を手に入れる

前職には退職の日以後1か月以内の交付義務があります。届かなければ書面かメールで再依頼し、記録を残します。

STEP
支払金額・源泉徴収税額・社会保険料等を、現職の数字に足す

前職分を含めた給与総額で年末調整を計算します。退職金や、扶養控除等申告書を出していない給与は含めません。

STEP
合算後の額で令和8年分の過不足を出す

給与所得控除後の金額の表、基礎控除、速算表を当てはめ、年調年税額と徴収税額の合計を比べます。計算シートで確かめられます。

STEP
12月の最終給与までに確認できなければ、年末調整は見合わせる

翌年に本人が確定申告をします。還付申告は翌年1月1日から5年間できます。

個別の事情で迷うときは、現職の給与担当者、所轄の税務署、税理士に確認してください。

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この記事を書いた人

イザーク|公認会計士試験合格者

税務・会計の実務に精通し、国税庁・財務省などの一次ソースに基づいて解説します。詳しい経歴はプロフィール・公認会計士試験受験記をご覧ください。

本記事は2026年10月20日時点の法令と国税庁の公表資料にもとづく情報提供を目的としたものです。計算シートは概算用で、給与以外の所得がある人などには使えません。個別の適用可否は税理士等の専門家にご相談ください(税理士法72条に留意)。
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